第69回 現職執行部 異例の三選へ
6月18日〜22日まで一週間に渡る投票期間で飲食部門を外注分離し、特派員クラブの公益社団法人化を目指す二選現職会長、ジョージ・バウムガートナーさん(スイス・ラジオ・テレビ特派員)が「飲食部門を残す一般法人化から時間をかけて公益法人に移行すべき」とアピールしたカルドン・アズハリさん(パン・オリエント・ニュース)に二倍以上の大差をつけて三選された。
同じく三選を目指した第一副会長、書記、財務理事、平理事三人なども顔を揃えて当選し、監事も当選者が辞退したため会長指名による前任者の再任となり、理事会10人の役員中、新人は第二副会長と平理事一人の二人のみとなった。役員の任期は2012年7月1日正午より2013年7月正午まで。
公益法人か一般法人か
社団法人日本外国特派員協会がニュース発信の拠点として事業活動の半数以上を報道、研修、文化活動等に限定して公益を目指すのか、プライベート・クラブとして料飲も提供できる一般社団法人枠で存続するのか、この三年間理事会の中心議題となり、総会でも激論を繰り返し、3回に渡り「公益法人化」が賛成多数で可決されている。しかし、理念の実現ばかりではなく、外注には料飲部門の従業員の退職・移籍が必然的に伴う事が明らかになると、会員たちはまた騒然としだした。
「日本記者クラブは既に公益社団法人となっている。我々が一般社団法人ではステイタスが保てない」。「親方株を何千万円で売買する日本相撲協会が公益法人になるというなら公益もステイタスがなくなる」。「日本記者クラブは最初から飲食部門をアラスカ・レストランに外注しているが、我々はマッカーサー元帥の日本占領に随行した記者団の時代から飲食部門を自前で提供していた」。「家族同様の従業員を見捨てるのか?」「クラブの料飲部門の中堅の給料は東京の平均に比べて三割は高い」。「従業員にはそれぞれ割増しの退職手当を支払う」。
特派員クラブの選挙選は公式にはクラブのwebsiteでの声明発表、会長・副会長のGreat Debate (立会演説会)、Fax、ポスター掲示などに加えて個々の候補者や応援団からの私的メール合戦がある。もともと世間を批判するのが仕事のジャーナリスト達。自身やグループの勝負のために世界各国からメールの礫を飛ばす。二名の立候補の取り消しあり、当選辞退者の会長指名による差し替えあり、今回の選挙は紆余曲折の連続だった。
この間、相手変われど主変わらず、矢面に立つのはいつも選挙管理委員会。素早く反応できるチーム・ワークのお蔭で委員長の重責を無事果たすことが出来た。筆者は今やっと一息ついているところだ。
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筆者と、三選したG.バウムガートナーさん
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2012.7.5 掲載
※[7月6日追記] FCCJの危機状態に際し、混乱を避けるため監事当選者は出来うる限り監事として活動し、前監事は監事パネルの一員として監事を補佐することとなった。以上。
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