|
菅直人首相は十指を超える勢いで設置した東日本大震災対策本部に加えて遂に東日本大震災復興構想会議を設立し、防衛大学校長 五百旗頭(いおきべ)真氏を議長に、政策研究大学院大学副学長 飯尾潤氏を検討部会部会長に任命した。 政治・歴史学者の五百旗頭真氏は1995年の阪神・淡路大震災時の復興提案作成の重鎮であり、同じく政治学者の飯尾潤氏は「新しい日本をつくる国民会議(21世紀臨調)の主査も務めている。 五百旗頭氏はまず143カ国39機関より支援があり、2万人以上の米国軍が「トモダチ作戦」を展開し、ヨルダンの医療班は原発の近くで治療に当たったことを感謝。また内外のメディアは災害のあと暴動もなく秩序正しく行動する日本人の姿を報道した、と感謝の言葉を述べた。
五百旗頭氏が菅総理と同意した復興計画の最初の骨組みは住宅、学校を高台へ、漁業のための施設は津波対策として五階建てとし、瓦礫は森で覆い災害時の避難場所とするというもの。 飯尾氏は部会長として個別のプランにデータを出し、専門家で検討し五百旗頭氏に報告する。津波災害についてのデータは不足しているので、世界中から提案と情報を集め、津波災害対策の国際拠点を東北に作る考えも示した。 飯尾氏が力説したのは復興のための規制、財政の仕組みの改革。被災地を見ると少子高齢化、一極集中型の中央集権など日本全体の問題が浮き彫りにされている。人間と環境の問題、原発事故被災者復興へのアイデア、電力不足の中での日本経済の再興など、今回のケガ(震災)を「政界は万全ではないが、日本を前進するために使いたい」と述べた。 質疑応答
イギリス記者:復興のための期間は? 住居が先か産業が先か? 外人労働者は? 知日派の外国記者に改めて日本の外交史を説き、「菅首相はステップ・ダウンすべきか?」の質問には「None of our business!」、構想会議には愚問だと質問をはねつけるなど、五百旗頭教授の面目躍如とした講演であり、飯尾教授は政治学者として個々の案件に対する目配りを印象づけた。
2011.5.14 掲載
|
|
上に戻る |