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(社)日本外国特派員協会は6月9日の正会員総会で各ポストに付き2名の役員候補指名を行い、約2週間の選挙期間を経て25日午後7時、2010年度の新役員の当選を確定した。 新会長に選ばれたのは会員歴30年のベテラン。特派員協会が財政危機に陥った2000年度から5年間も財務理事を務めて、倹約・節約をモットーにクラブの財政を回復させたスイス人、ジョージ・バウムトナーさん。有楽町北館19階にある特派員専用デスクに陣取って、特設ブースから毎日ニュース放送を行うクラブの名物男である。 第一副会長(家財担当)はフィナンシアル・タイムズ(ドイツ)特派員、マーティン・コーリングさん。ブレーメン市の出身で産業技術部門が専門。彼の嬉しい悩みは初対面の日本人に「どの楽器がお得意ですか?」と尋ねられること。来日するまで童話「ブレーメンの音楽師たち」がこれほど多くの日本人に親しまれているとは想像もしなかったという。 第二副会長(人事担当)は音楽産業の業界誌ビルボードの記者を永く務めた、カナダ人のスティーブ・マクラ—さん。昨年からフリーで日本の音楽事情を世界に発信している。小話の名人で「日本の労働関係者へのシガラミがなく自由、独立に判断できるのが強み」と、人事問題への不案内をかえって長所と弁じて当選した。 書記のルーシー・バーミンガムさんは、フリーランスの米国人。徹底的な資料集めとインタビュー取材でブルームバーグ、ウオール・ストリート・ジャーナルなどに寄稿している。役員に立候補したのは初だが、「卓越した議事録作成のノウ・ハウと謙虚なスマイルを忘れない心」をアピールして票を集めた。
来年度の理事会の特徴は、大物の日本人元特派員二人が理事として加わったこと。 報道の自由と独立を旗印に東京から内外に情報を発信して、65年の歴史を刻んできたプレスクラブだが、上海、ソウルがニュース発信地として台頭し、またマスメディアが人員削減に向かう影響を深刻に受けている。現在も日本外国特派員協会の格付は従来の社団法人のままであるが、国際報道機関に相応しい公益社団法人資格移行を目指して会則の変更、会計基準の見直し、新会員獲得など、新理事9人と監事が取り組まなければならない仕事は山積している。 筆者の第一副会長の任期は6月末で終了するが、無競争の単一候補として信任されたので微力ながら監事を務めることになった。 2010.6.30 掲載
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