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第40回 もっと女性会員を

毎月、最終水曜日夜のHappy Hour(午後7時から8時)は、メイン・バーの一角が40人近くの主として若手のジャーナリストで満杯となる。

日頃多忙で会えない正会員(特派員)やジャーナリスト準会員(特派員以外のジャーナリスト会員)が入会希望者も招待して情報交換の場とするからだ。

目玉は1時間のワイン、ビール、スナックの無料サービス。スナックといっても実はイカのリング・フライ、チキン・マッシュルームのグラタン、ターキー・コロッケ、ハンバーガーとコレステロールも分量も山盛りの若者向けの夕食。

ところが、バーに集まる会員も会員候補者もほとんど男性で女性の姿は2、3人。それも大ジョッキを片手に大声で談笑する男たちに圧倒されてか、すぐに姿を消してしまう。

国連女性の10年(1976−85)以来、女性のメディア進出はかなり伸びてきたが、それでも2月末現在でプレスクラブ全会員中女性会員はたった12%で、昨年2月から0.3%しか増えていない。

ちなみに日本記者クラブに問い合わせてみると事務局の答えは「構成比の統計はとっていないので女性の比率は把握していない」(3月12日付)とのこと。日本記者クラブの会員は朝日新聞、TBSなど会社単位であり、役職者でない限り中核の会員にはなれない。退職者や外国記者などが個人会員枠でメンバーにはなっているが、おそらくプレスクラブより女性会員比は低いのではなかろうか。

世界金融危機の影響でプレス・クラブの準会員であるAIGなど駐日外国企業の幹部も米国に呼び返され、正会員グループでは老舗のニュース週刊誌「ニューズ・ウイーク」やファッション雑誌「ハーパーズ・バザール」の東京支局が閉鎖される中、新会員獲得のターゲットは東京の女性ジャーナリスト層に絞られそうだ。

そこで特別企画委員会は新懐石料理開発小委員会をつくり、美容とヘルシー・グルメに関心の高い女性を勧誘するために「多忙な女性のための資生堂 メークアップ講習と新懐石料理昼食会」をこのほど開いた。

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メークアップ・セミナー参加の資生堂スタッフ
(遠藤竜義さん前列右)と企画委員(長谷川洋三さん前列右から2番目。筆者中央)

ところで企画委員会の想定していた「クイック・メイク」は5分以内。美容術本家本元の資生堂美容部員さんが考えるのは「30分以内」。「スピード」を最優先するジャーナリストと「仕上げ」を重視する資生堂美容部員さんとのプロの「意地」をかけた討論の結果、講習会は「最終的には基礎から最速15分を目指す、2時間の講義と実習コースとなった。

グリーンアスパラ・キャビア添え、白和え柚子釜、海老進上椎茸陣笠のお椀、五目寿司などプレス・クラブ栗本板長が自ら築地で手配した最高の海鮮料理を頂いた後は、参加者一人一人に設営されたミラーとメークセットで実習開始。

資生堂トップ美容師チームのタッチはソフトだが指摘は手厳しい。
  常に一言あるタフな女性ジャーナリストもビジネス・ウーマンたちも、この日ばかりは素直に指導を受けていた。

「もう少し早く、講習を受けていたらノン・メークの方針を変えていたのに」
  「このメーク顔の写真を撮ってね。次のプレス・カードに貼るから」
  参加者には圧倒的に好評で、30名限定のため参加できなかった女性たちからは次回はいつだと詰問された。

このセミナー、実は段取りを担当したのは2名の男性。BSジャパン解説委員で企画委員会委員の長谷川洋三さんと資生堂国際広報担当の遠藤竜義さん。長谷川さんは米国出張の合間を縫って、これまた中国出張が重なる資生堂国際広報担当の遠藤さんと緊密に連絡しあって開催にこぎつけたのだ。

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メークの個人指導は懇切丁寧に

この4月1日から資生堂では上海や台北にShiseido Life Quality Beauty Centerを設立し、火傷、あざ、深い傷跡に悩む人々にケアを提供する。"Noblesse oblige"(高貴な身分には重い責務が伴う) 業界No.1資生堂の美容から医療までの社会貢献に注目したい。

男性2人のエンジンのお蔭でプレス・クラブ女性会員は以前より少し美人となり、入会希望者も増えそうだ。


2009.3.16 掲載



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