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第38回  "Hacks & Flacks" 新年懇親会

企業・業界の新年会が一巡したこのほどプレスクラブでも"Hacks & Flacks Party"が開かれた。"Hacks"とは取材先に執拗に付きまとって情報をとろうとする記者連中。"Flacks"とはその連中をとりこみ、自社に有利な報道をさせようと手ぐすねをひいて待ち受ける広告会社、政府、企業広報担当のベテランを皮肉った俗語である。

今回のパーティーはFlacks招待客120名、プレスクラブ側178名その他関係者を含むと315名を越す大立食会となった。

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「アソウ・タロウ氏」と筆者

コイズミ、フクダ、アソウ
余興のThe News Paperはガックリ

大混雑の人並みをかき分けて舞台に上がったのは"ジュンちゃん"。ところが集まった客たちは名刺交換と話に夢中。「ジュンちゃんコールがないのは淋しいね」と演壇から催促する始末。続いて現れた「フクダさん」。「薄い髪の鬘を折角新調したのに一週間もたないで辞められてしまいました」と嘆き節。数少ない拍手で会場からおくりだされた。

勇ましい行進曲で舞台に上がったアソウさんはもっと手厳しい場面に晒された。
「僕に次の衆議院選に出てほしい人は拍手、、、少ないなあ、、、やめてほしい人は拍手、、、」。会場からの大拍手に「いくら偽者でも傷つくよねぇ」。

日本の政治が面白くないせいか、パロディーも盛り上がりに欠ける。

会場が急に沸き立ったのはオバマ大統領のサプライズ登場。「Ladies & Gentlemen・・・・」。あとはシドロモドロとなり「もうすこし英語を練習すべきだった」。
  会場内でのお互いの話の方が盛り上がるので、昨年同様余興なしのほうがベターだったかもしれない。

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サプライズ登場した「オバマ大統領」と
 The News Paperの政界代表者たちと。

PR会社や広報担当重視に賛否両論

プレスクラブの新年会は、伝統的に文化企画委員会がクラブ側の返礼として各業界のトップを招待して始めたもの。当然、出席するVIPには広報や秘書役が随行してきた。

ところが一昨年からPR会社や広報の窓口担当を中心に招くようになってきた。
「ジャーナリズムと広報宣伝の間には超えてはならぬ一線がある」
「PR会社に取り入るのはジャーナリストの恥ではないか」
「広告会社の宣伝に利用されているのではないか」
「日本語が話せない外国特派員にとって英語ができるPR会社のスタッフを接待するのは意義がある」
クラブ内でもFlacks重視に対しては賛否両論がある。

クラブの大物特派員たちは自分のコネでどこへでも取材にいける、と懇親会には姿を見せなかった。

このパーティーを一番喜んだのは新会員募集担当のスタッフかもしれない。「金融危機で帰国命令が出て退会する会員が続くなか、今夜、30枚も入会可能者の名刺を集めたのよ」と大ニコニコだった。


2009.2.3 掲載



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