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第12回 天皇ご一家 小泉首相 金正日など 来訪
        —実はクラブ恒例四月馬鹿イベント—     


特派員協会創立60周年春の特別行事に天皇皇后両陛下、皇太子様雅子様、秋篠宮、紀子様をご招待。小泉首相は北朝鮮の偉大なる指導者金正日と辞任したばかりの民主党代表前原誠司を伴ってこれまた挨拶に駆けつけた!

実はこれはコント劇団The News Paperのそっくりさんによるプレスクラブ恒例の四月馬鹿行事。メディアがタブー視する皇室家族と政治家をネタにしてのジョークに満場のプレスと会員たちが沸きに沸いた。ジョークのスピードに外国人が付いてゆけるよう同時通訳を2名入れたが通訳ブースの中でベテランたちも吹き出すのを必死に耐えているようだった。

コント ハイライト


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「純チャンコールがない」と大向こうに指摘する小泉首相

小泉首相: 郵政民営化が通って気が抜けた。ガセネタメールは私が流した。自民党をぶっ壊すつもりが民主党をぶっ壊してしまった。(会場笑い)私の目指す小さな政府は私一人の政府。イラク大量破壊兵器の話はガセではない。自衛隊派遣は私とブッシュ大統領の友情の証。そのうち自衛隊も民営化する。IQ200愛嬌30のライス長官が怖いので牛肉は輸入するがその代わり松下のファンヒーターを輸出する。(会場大笑い)
侍従:日本全国、世界を回って手を振るのがお仕事の高貴なお方。国旗を歌い国旗を振ってお迎え下さい。(ここでそっくりさん達が次々登場)
天皇陛下:(背広の内ポケットから挨拶状を出す)この広い青空の下・・・これにて衆議院を解散します。(笑い)(皇后が合図すると次の挨拶状を出す)忍び難きを忍び、耐え難きを耐え・・・(皇后の合図でポケットを探ると挨拶状の束が床に散らばる)この広い空の下、有楽町という中途半端な場所で下々の者と会えるのが喜ばしい。(大笑い)
皇后:(天皇に合図して)海外の優秀な記者の方が集まる・・・。4月で結婚40年・・・昭和32年軽井沢にテニスになど行かねば良かった。(大笑い)
侍従:ご次男、ご長男が到着されました。
皇后:生まれてくるのが女の子でも、男の子でも、男の子でも・・・。(笑い)
紀子:どちらでもかまいませんが健康で明るい男の子に育って欲しい。(笑い)
雅子:おめでとうー(怒鳴る)(会場大笑い)
浩宮:ガコ、アーコの成長は嬉しいね。
雅子:アーコにはひとつだけ望みがあります。サーヤ様のように嫁き遅れにならないで欲しい。(笑い)
サーヤ:国民の税金から頂いた一億三千五百万円で地味に質素に暮らしています。(大笑い)



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天皇陛下のお言葉

プレスとの質疑

会場からの質問:天皇は毎日神事を行うとご親戚の竹田氏がクラブで発言されたが、神道は皇室の宗教なのか国家の宗教なのか?
天皇:私は私自身を信じます。私が神というわけではありません。神ならば前立腺癌には罹りません。
質問:女性は天皇になれないのか?
天皇:我が家の跡継ぎは我が家で決める。下々の国会議員に決められたくない。(大笑い)
皇后:皆様、今日ここでご覧になったことは決して口外されませんように。(大爆笑)

The News Paper

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小泉首相の演説に魅了された聴衆

テレビのニュースと殆ど同時に前原代表が壇上に現れ、「たった今、民主党代表を辞任しました。前代表です。自由民主党には自由があり、民主党には自由がありません。私はこれから自民党に入ります!」(笑い)しばらくニュースに登場しない金正日は「女性を北朝鮮に招待します。ダイエットに成功することは保証付きです。但し帰国は出来ません」(笑い)など天皇家(The News Paperは或る高貴なお方と呼ぶ)や政治社会問題で話題になった人物のそっくりさんでコントを作る劇団は、実は1980年代トンネルズやウッチャンナンチャンなど若手コメディアンが台頭してきた時、テレビプロデューサーから「お前たちの時代は終わった」とお払い箱にされた。

劇団代表、杉浦正士さんはそこで他のコメディアンの手がけないものを探し、時事ネタにたどり着いた。然し当時新聞を読んでいたのは劇団員の半数。「新聞」というより「The Newspaper」の方が格好いいというのがネーミングの理由だ。

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天皇ご一家

劇団員が天皇家の仮装のまま敗戦記念日に靖国神社を訪問したり、天皇制についてのテレビドキュメンタリー制作のため皇居に新年の参賀をしたがどこでも見物客から携帯電話の写メールの列で「怖い人(右翼)の攻撃もなかった」。杉浦さんの観察によれば天皇制については5%の国民が賛否を言っているのであって、タブーというより「劇団がいる」と皇居前広場でもおおらかに受け止められたという。

「但しタブーのなくなるのは劇団の存在理由が薄れていくので困る」

「お堀の前のプレスクラブから4月馬鹿の企画に招待された時は怖さ半分やる気半分だったが、今後とも風刺劇団としてタブーや権威に挑戦してゆきたい」と杉浦さんは纏めた。笑いっぱなしだった司会のカルドン・アズハリさんは団員の一人一人に一年間有効のゲスト会員証を渡しながら「そっくりさんの扮装で来たときのみ有効です」と念を押していた。

2006.4.3 掲載

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