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リメンバー・パールハーバー今夏は日本の第二次世界大戦敗戦60年の節目にあたる。プレスクラブでは外交官、軍人、従軍慰安婦など各方面から歴史の生き証人を招き、七回にわたる講演シリーズを主催した。 若い読者は「まだそんな人、生きていたの?」と驚くかもしれないが、ハワイ真珠湾を急襲、日米開戦の火蓋を切って戦艦アリゾナを撃沈した「急降下爆撃隊」チームのパイロット阿部 善次海軍中尉(当時)も講演に訪れた。この8月に88歳の誕生日を迎えたが講演、著作に活躍中だ。 ライブドア社長ホリエモン一方、先頃プレスクラブの記者会見場を立見席まで満員にしたライブドア社長、堀江貴文氏だが、今回の小泉総理による衆議院「奇襲解散」で郵政民営化反対の中核亀井静香氏の地盤広島六区に無所属候補として立候補することを表明。超大物の落下傘候補の出馬として内外のプレスを興奮させた。 「敗戦記念特集の後はゆっくり夏休みを」と計画していた特派員たちの予定は衆議院解散で大幅に狂ったが、暑気払いにビアガーデン・パーティーを企画、取材相手のモロモロを肴にジョッキを重ねて大いに士気を上げた。「日本の真珠湾攻撃とホリエモンの落下傘突撃はどこか似ているね」「パイロットとホリエモンも共通点が多いよ」
両者の共通点は?「米英オランダなど植民地宗主国連合を相手に若い日本が単独で戦いを挑んだ時、国際社会はアジアの田舎者が文明国に対して生意気だという偏見を持っていた。然し、インドネシアなど東南アジアの植民地諸国は拍手を送っていた。ホリエモンがニッポン放送を買収しようとした時も日本の既存体制派は最初は彼をチンピラ扱いしていた。いまや旧守派反対勢力の牙城に単身乗り込むホリエモンを英雄扱いだ」 「二人とも一度標的を定めたらあらゆる問題を想定して戦略を練りリハーサルしている。プロとして完璧だが大局的な視野がない。最後には負ける」。「個人でリスクを取り、無所属で立候補しているところがクール!」。「自民党公認候補で出馬するより成功した時のリターンが大きい。万一落選してもポータルサイトへのアクセス件数が増える。彼は金銭的に損することはしない人間だ」 「なによりも両者の最大の魅力は巨大な既存勢力に挑む若さ!」この評価は多数意見だった。 (閑話休題 この原稿を打っている最中に阿部氏から電話が入り、ホリエモン氏の参戦について聞いたところ「勇気があって頭脳が切れる」と褒められた。) 義(ぎ)をみてせざるは勇(ゆう)なきなり
ニューヨーク・タイムズ紙ジム・ブルック特派員:「母が真珠湾の病院に赤十字の看護婦として当時勤務していたのでこの疑問はずっと頭の中に残っていた。一体何を考えて攻撃していたのか?」 さて、「小泉首相の郵政改革に賛成して立候補した。改革を止めないという私の強い意志を(亀井氏という反対派の)象徴的な選挙区で試したい」というホリエモン氏だが果たして「義を見てせざるは勇なきなり」との思いで出馬したのだろうか?それともライブドア市場開拓シュミレーションを重ねた上での経営判断だったのだろうか?共通項が多い両者だが、動機の点では大きく分かれるのかもしれない。 2005.8.25 掲載
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