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第34回 「いじめ」についての緊急メッセージ


皆さんこんにちは。
  今回は、いじめ問題について、私なりの緊急メッセージを発したいと思います。


誰かにいじめられているみんなへ

毎日学校に行くのが、つらいだろうね。いじめられてがまんしていればいい、って、じっと耐えている人もいるかもね。

でも、じっとしていても、いじめている子は、絶対いじめをやめないよ。調子に乗るだけだよ。いじめっこは、本当に「君のことが嫌い」だからいじめているわけではなくて、部活や勉強、家のことのストレスをスッキリさせているだけだったりするんだよ。

だから、「いやだから、やめて」って、大声で堂々と言ってほしい。君はなんにも悪くないのだから、おとなしくしていることはないんだよ。
  もし言えなかったら、周りの誰かに話してほしい。親も先生も忙しそうなら、学校の相談室とか、いじめの相談窓口があるよ。(いじめの相談窓口は、前回の第32回にも書いたから、見てね)もちろん、私にメールをくれたら、必ず目を通します。

ゲームは主人公が死んでも、リセットで生き返るよね。でも、人の命は一度消すと、リセットできないよ。
  人間ね、生きていれば、いいことが必ずあるよ。死んだら、いいことにも巡り会えないよ。君が将来出会うはずの、かわいい彼女やかっこいい彼氏にも会えなくなるよ。

私も、今まで生きてきて、いやなこともつらいこともたくさんあったよ。私、周りの子と比べて、大人びていたりしたからね、友達が少なくてつらい時もあったよ。でもね、今までで、「生きてて良かった!」そう思えることもたくさんあったよ。

周りの人と違うところがある?それは、大人になると、大きくて強い「個性」っていう武器になるよ。君を助けてくれるものになるはずだよ。だから、人と違う自分を、責めないでほしい。

人はすべて、この世に、「ミッション」(使命)を持って生まれてくるんだよ。君にも必ず、できるミッションがある。いじめられたことがきっかけで、それが見つかるかもしれない。この世で、ちゃんと君のミッションをきちんとやりとげてほしい。

君が死んでも、いじめている子は喜ぶだけ。だから、まずは「いじめないでほしい」って、誰かに言って下さい。


いじめをしているみんなへ

君はどういうつもりで、他の人をからかっているの。いじめは楽しい?親に怒られたこと、親のもめごと、部活で先生にしかられたことがスッキリするかな。だから誰かを攻撃するのかな。

でもね、知ってほしい。「人にした悪いことは、めぐりめぐって必ず自分のもとに返ってくる」っていうことを。君が今していることは、必ず生きているうちに、君のもとに何倍もの仕返しになって戻ってくるよ。君が大人になって、仕事場でいじめられるかもしれないし、誰かに、心が傷つけられるようなことを毎日言われ続けることになると思うよ。

「いじめはしょうがない」っていう人がいる。なんでしょうがないの?相手が弱いから?これだけは言っておくよ。
「弱いものを攻撃する人は、人間として最低の存在である」

君は、いじめをしている時、自分が最低だっていうことを、周りに証明しているんだよ。「自分が最低」なんていう証明は、君にとって何のプラスにもならないよ。君は、誰かに「最低だね」って言われても、何の反論もできないよ。このことを知っておくんだね。


保護者の皆さんへイメージ

現代は、少子化でクラス替えのないままの進級、「クラス内で順番に誰かをいじめていく」など、平穏でない状態で子どもたちが毎日を過ごすことも珍しくありません。
  保護者は、お子さんの「かけがえのない味方」です。いじめに限りませんが、「お子さんの様子を全身全霊で受け止める」という姿勢は、常に忘れないでいただきたいです。そういう親御さんの家庭の子どもは、必ず、直接ではなくても、苦しい時は何らかのサインを発します。

また、お子さんが恐喝されている場合、保護者のお財布からお金が消えたり、金銭の保管場所からお金が減っていたりします。逆に、恐喝している場合、与えているお小遣いを上回る金額のものを簡単に買ってきたり、生活が派手になったりします。

お子さんの様子を、全身全霊で受け止めていると、このようなちょっとした変化に気づかれるのではないでしょうか。これは、母親が仕事をしている、などの事情に左右されるものではありません。

お子さんが「今日は休みたい」と言う時には、休ませて様子を見て下さい。(第1回連載をご参照願います)学校関係者の私がこういうのもおかしいかもしれませんが、無理に、お子さんを、つらい場所に行かせる必要はありません。

ただ、放置しても絶対に改善することはないので、必ず学校に相談し、対策を取られて下さい。(第12回・22回連載をご参照願います)

子育てをしていると、嵐のような時期はどんな子どもにも必ずあるものです。その時にお子さんをしっかり守りつつ、「どうするのがベストなのか」プロの手を借りながら進んで行かれて下さい。
「明けない夜」はありません。必ず、まぶしい太陽が輝く時期が来ます。


教員の皆さんへ

教員が子どもをいじめる、など、信じられないケースが報道されています。また、「どの班にも入れてもらえず、修学旅行に行けなくなった」というケースも私は見聞きしたことがあります。

このようなことは、すべて、教員が、「他人と違う人を非難したり、仲間はずれという、対人関係でしてはいけないことを公認する」ことです。このようなことを大人が許せば、子どもは、「嫌いだったら公然と非難したり、仲間に入れなくても許される」と思って、大人になることになります。つまり、「社会通念に欠けた大人の予備軍」を生み出している、ということになります。

そのような行為、また、他の形でも、いじめの話を見聞きしたら、周りの教員、上司、カウンセラーなどに相談しなくてはなりません。そして、子どもたちには「いじめは人間として最低である」と、さまざまな形を通して訴え続けていく必要があります。
  いじめの匂いに気づきながら、放置するのは、社会通念のない大人を生み、社会全体をだめにするかもしれません。そのことを肝に銘じたいものです。

2006.11.21 掲載

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