高井清子 ★★☆
公開前に本作の『公式ガイドブック』の翻訳を手伝ったこともあり、ユニークな新キャラクターの面々がどんな個性を披露するのか楽しみにしていたのに…。いい駒は揃っているのに、まったくの消化不良という感じ。そもそも前作からの話の流れや登場人物の関係性がわかりづらいし、それぞれの個性を生かしたエピソードも少ない。2作目で魅せられたアクションも今回は単調。チョウ・ユンファがあっさり死んだ時には、彼は必要だったのか疑問に思ってしまった(笑)。たしか本シリーズの2作目と3作目はスターのスケジュール確保のため、同時に撮影していたはず。2作目で精根尽きてしまったかも…。あるいは2作目が大好きだった分、私の期待が高すぎたかな。 |
団長 ★★★☆
それなりに楽しめましたが、期待してたほどではなかったです。展開が二転三転して少々わかりにくい感があり、ジャック・スパロウが中心ではないところにも違和感を覚えました。実は、僕はパート1を見ないで、2から見始めたのですが、特にストレスは感じませんでした。が、今作で初めて見た方や子供は作品世界に入り込むのは難しいかと思われます。それにしても、このエンディング、パート4に続いてもおかしくないような… 本当に完結なのか、ちょっと見ものです(笑) |
悠木なつる ★★★
中盤までは、全く別の映画を観ているかのような違和感を覚えた。あるいは、本作と前作『デッドマンズ・チェスト』の間には、じつはもう1作あって、それを見逃してしまったのでは!? という錯覚に陥った。シリーズが人気の秘訣は、スター俳優が顔を揃えていることは勿論、冒険活劇や全編にちりばめられた遊び心にある。でも、本作は何を描きたかったのかが見えて来ない。“完結編”を意識しすぎたせいだろうか、作品の持ち味である軽妙なリズムが抑えられてしまったのが残念。また、キャラクターの心理描写も、まるで幾つかのシーンが抜け落ちているのではないかというぎこちなさが残り、感情移入するのが難しかった。 |
はたのえりこ ★★★★
祝トリロジー完結!半世紀後にも語り継がれる一本になるかは定かではないが、久しぶりの正統派ハリウッド大作だった。増殖するジャック・スパロウを見て「チャーリーとチョコレート工場」のウンパルンパを思い出したのは、きっと私だけではないはず。ハラハラさせる所、盛り上げる所、綿密に作りこまれた本作は、最近ではすっかり減ってしまった老若男女が平等に楽しめる作品だ。船上バトルシーンも爽快。そして、この作品のもう一つの魅力はいぶし銀の男優陣の力による。ジェフリー・ラッシュにビル・ナイ、チョウ・ユンファにキース・リチャーズ、平均年齢約57歳。ジョニー、オーランドとはまた違った渋さに酔うべし。 |