団長 ★★★★★
感動で席を立てなくなりました。人生の酸いも甘いも、人間の弱さも素晴らしさも、すべて詰まっています。キャストも輝いてますし、歌も最高にいいです。これほど感情にストレートに訴えかける楽曲揃いの映画は今までなかったと思います。アカデミー賞うんぬんの話題性でも、ビヨンセの美しさに惹かれるでも何でもいいので、ぜひとも見ていただきたいです。願わくば、家でDVDではなく、劇場で! 歌の迫力が断然違います! |
南木顕生 ★★★★★
あまりの出来のよさに驚いた。面白さに圧倒された。今年に入ってから見たハリウッド作品の中ではダントツだ。『ディパーテッド』は言うに及ばず『硫黄島』よりもイイと思った。
歌ってスゴイ。台詞なんかよりもはるかに力を感じる。歌の凄みをちゃんと画面に定着させてるプロの仕事に、あらためて映画本来が持ってる力を見せ付けられました。この音響の素晴らしさは絶対映画館でなきゃ味わえないからDVDなんか待ってる場合ではないと思う。 実質主演のジェニファー・ハドソン。どうみても珍獣にしか見えないんだけど、この歌唱力!表現力!オスカー受賞も納得です。歌は女神、ルックスは珍獣。このアンバランスがなければ物語が成立しないわけで、よくぞ見つけてきたなと感心感心。彼女がいるからビョンセの美しさもさらに引き立つわけで、まさにナイスサポーティングアクトといえるでしょう。
『シカゴ』(脚色はビル・コンドン)も嫌いじゃなかったけど、コレはさらに出来がいい。ハナシはショービズ界を戯画化した「シカゴ」よりもリアルでシビア。白人と黒人の文化がはっきりと色分けされていた時代、公民権運動も背景にきっちり入れつつ、ブラックミュージックが今みたいに当たり前のように受け入れられる歴史がきっちり描かれている。それをお勉強の押し付けではなく見事にエンターテーメントしてるのだ。
しかしビル・コンドンって才人だなァ。『ゴッド・アンド・モンスター』も好きだったけど本領はこっちなのね。未見の『愛についてのキンゼイリポート』も見なくっちゃ。この脚色の巧みさと語り口の見事さ。ケレンもイチイチ決まるしダレ場が一切ないんだもん。こういう仕事こそ評価しなくちゃいけないよ。作品賞だけでなく監督賞も脚色賞もノミネートされてないんだっけ。なんだかどんどんダメになってきたなアカデミー賞って。 |
野川雅子 ★★★★
歌手を目指す3人が夢をつかむアメリカンドリームの物語。オープニングから引き込まれそうな音楽と共に映画は始まります。ノリノリなメロディーとパワフルな歌声に劇場の観客が一つになっているような気がしました。この作品は、ジェニファー・ハドソン演じるエフィーのためのものと言っても過言ではありません。エフィーの歌声は、魂からの声って、こういうことを言うんだなぁと感じる程、ダイナミックで迫力があり、聴き惚れてしまいました。いろいろな困難を乗り越えて、最後に夢をつかむストーリーは、とっても夢があったけれど、私にとって、この映画はストーリーよりも、やっぱり音楽。映画を観た後はCDが欲しくなってしまうはずですよ! |
重本絵実 ★★★☆
『シカゴ』はレニー・ゼルヴィガーやキャサリン・ゼタ・ジョーンズが吹き替え無しに歌ったり踊ったりしたことばかりがクローズアップされたが、ミュージカルの評価はそんなところで決まるものではない。細かいカットの繋ぎで役者の歌や踊りを心ゆくまで見せる王道のミュージカル映画が消えようとしている今、『ドリームガールズ』が救世主となるかは不明だが、ジェニファー・ハドソンの歌声はハリウッドミュージカルの再生に息吹を与えたと私は解釈したい。ハリウッドはこういう娯楽映画を大事にしていくべきで、オスカーの作品賞に本作をノミネートせずに『ディパーテッド』に最優秀賞を与えてしまうアカデミー会員の見識を私は疑っている。 |