2006年4月、新宿と吉祥寺のミニシアターで開催された「チェコアニメ映画祭2006」。1950年代後半から2000年に至るまでの秀作を一挙上映、アニメファンならずとも見逃せない企画でした。
私は日本のアニメが好きじゃないんですよ。だって日本のアニメって、ゲームなどもそうですが、絵がものすごく美しくて細かくてリアル。でも「絵」って、あくまでひとの心象風景の表現でしょう。リアリティを追求しているつもりでも、結局は個人の心象風景の表現でしかない。他人の心象風景をそんなに克明に克明に描写されても、「クドイ」だけなんですけど。私的には。
さて話は変わって、チェコアニメの面白さは、極端にデフォルメされた、リアルの対極にある「絵」と、アイロニーにあふれたストーリーにあると思います。チェコはずっと「表現の自由」が規制されていた国。こういう国では、ハッキリものを言うとコワイことになってしまうので、何かに託して表現しているため一見わかりづらい。この“わかりづらい部分”を、頭でなくココロで感じるのが、楽しみ方のポイント?
と、ちょっと小難しいことを言いましたが、動物の絵とか、人形の実写アニメとか、「デフォルメ」の表現がとっても可愛いらしく、独特の芸術性にあふれ、見ているだけでもとっても楽しい。子どもの頃見た絵本をそのまま動かしたみたいな懐かしい味わい。そして、その可愛さの中に隠れる意外な奥深さがイイのです。
(小松玲子)
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