波多野えり子 ★★★★★
オープニングで流れるテーマ曲"The Blower's Daughter"で一気にストーリーの世界へ引き込まれた。作家、フォトグラファー、医者、ストリッパー…美男美女が勢揃いし、4人の会話だけでテンポよく進行していくが、"Hello,
stranger"、"Where is Love?"など、どことなくシェイクスピアを思い出させる台詞がとても印象深い。現代ロンドンに自然と溶け込んでいた。どの人物にも共感できなかったけど、洗練された脚本と演出でこの点数。そして、この物語の主役はオスカーにもノミネートされた助演の二人だった。「レオン」から10年以上。ナタリー・ポートマンは女優として努力し続けていますね。
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山本聡子 ★★★★
スピーディなテンポと時間の経過をカットした演出が面白かった。人間の最強の武器である言葉を吐き散らしながら人間の心と体の不安定さを描く。人の心はかくも危うきものなり。愛し合って一緒にいるはずの2人も、いつの間にかすれちがい、裏切り、嫉妬が生まれる。誠実さとか真実の愛などとは無縁な大人たち4人の人間模様は、奇麗事ばかりならべた純愛映画にはどうも馴染めないひねくれものの筆者にとっては、よりリアルで楽しめる映画だった。それにしてもジュード・ロウの役どころは、ちょっと調子がよすぎて腹が立ったけど。
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中沢志乃 ★★★☆
愛する人の全てを知っても愛し続けられるか、いや、全てを知らなくても信じきれるか。男は嫉妬深くて女は調子良く、そして、恋愛は全てタイミング。そんな恋愛の現状をうまくまとめた意欲作。打算的で何気に悶々としているキャリア・ウーマンと医者。直観的なストリッパーと作家。登場人物には誰にも今ひとつ共感できず、ステレオタイプ感も残ったが、淡々としているからこそリアルで真に迫った演技が○でした。 |
鍵山直子 ★★
ジュリアにジュード、オーウェンにナタリー。この豪華な顔ぶれからして、万人ウケのありふれたラブ・ストーリーに違いないと、軽い気持ちで観に行ったら、あら大変!4人の男女の嫉妬と打算、エゴにまみれたスクエア・ラブを、赤裸々な言葉の応酬で綴るマジな会話劇…じゃないですか。しかもセリフ量が橋田壽賀子並みに多くて、時々、遭難する始末。いっそ舞台にした方がいいんじゃないの?と思いながら見ていたら、憂うまでもなく舞台の映画化でした。そんなわけで、映画らしい映画を期待していた私には、ダイナミックな展開もなく、ロマンティックなシーンもないこの作品は、ちょっと物足りなかった。韓流を摂取しすぎて、何見ても薄味に感じてしまう…という噂もありますが。
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