タカイキヨコ ★★★★☆
外国語を学ぶときの、話したい言葉がなかなか出てこないもどかしさ。でも言葉が思うようにならない分、伝えたい思いは強くなり、 ストレートになる。そして伝えられたときの喜び! 「イタリア語講座」の教室に流れるそんなぎこちなさや小さなときめきに象徴されるように、
不器用な大人たちの恋愛が等身大で描かれている(これぞドグマ作品の真髄!)。 等身大という意味では、人生を重ねる上で払いきれないさまざまな<喪失>と、それに向き合う彼らの姿もまた、
誰もが少なからず抱える心の傷に響いてくるのではないだろうか。それぞれが踏み出す小さな一歩が、かけがえのないものに思えてきて、 温かい気持ちに包まれながら、私はしばらく座席から立てなかった。 |
にしかわたく ★★★★☆
わ〜。ほんとに幸せにされちゃった! 「ドグマでラブコメかい!」と斜に構 えていた私が帰り道で思わずスキップですよ。スキップスキップらんらんらんで すよ。「好みの女性のタイプは?」と聞かれるといつも困るんですが、確実にこ
れはあるなーと思うのが「字の下手な女性」。私は星座も血液型もあんまり信じ ない人間ですが、変わった字を書く人は確実に本人も個性的です。私と同じ「字 フェチ」の方(かなり少数派だと思いますが)、この映画見るとかなりキュンと
来まっせ。 |
中沢志乃 ★★★★
ナイス・エンディング! ちょっとした、でも大切な一言で終わるさりげない 「おしまい」に、無駄にお金をかけないけど可愛らしいクレジット。 こだわり映画製作集団「ドグマ95」の作品だけあり、映画や人間への丁寧な愛情もじんわり
と伝わってきた。 効果音や音楽がなくても演技ひとつで笑い、泣き…。アル中の 母親に離婚した父親等の問題を持つ男女が“イタリア語”で繋がる…という、 北欧デンマークの世相を反映したほのぼの、にっこり、でも突っ込みどころも満載のストーリー。
ペットボトルでなく、今でも紙パック飲料を持ち歩くデンマークの素朴さにも注目です! |
波多野えり子 ★★★
さまざまな悩みを持ち不器用に生きる6人の男女が、市役所主催の初級イタリア語講座に通うことをきっかけにポジティブな自分を見つけるまで。 ドグマ・ルールの適用は本作において、何かに悩んでいる人のありのままの姿をうまく映し出しているかも。
ルックスも中身も決してパーフェクトではない登場人物たちに、親近感が持てたりする。 何だか、友達の知り合いの誰かの恋の話を聞かせてもらったような感じ。みんないろいろあるもんだよね、と思っちゃいました。 |