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バックナンバー Vol.18

ミスティックリバー
シービスケット
25時

第25回ヨコハマ映画祭レポート ■ ■ ■
ちょうど2月1日に開通したみなとみらい線に乗って、 会場である関内ホールに行ってみました。開場時間の午前10時半にはもう長蛇の列で、座席はほぼ満席。 そんな熱気溢れる雰囲気の中、「さよなら、クロ」の上映後、授賞式が行われ、特に観客からの声援とフラッシュがすごかったのが 「さよなら、クロ」「ドラゴンヘッド」で主演男優賞をとった妻夫木聡。母親が会場に来ていたらしくちょっ と照れていました。そしてなによりも嬉しかったのは「ヴァイブレータ」が作品賞・監督賞(廣木隆一)・脚本賞(荒井晴彦)・ 主演女優賞(寺島しのぶ)・助演男優賞(大森南朋)の五冠に輝いたことです。そして「蛇イチゴ」「ヴァイブレータ」を鑑賞後、帰途へ。 映画ファンが作った映画ファンのための熱い映画祭にまた来年参加したいと思いました。
ところで、妻夫木聡は「ジョゼと虎と魚たち」「きょうのできごと」が2004年度 の対象となるので、主演男優賞V2もありそうですね。(カザビー)
=1点、=0.5点。最高得点=5点
ミスティックリバー

監督:クリント・イーストウッド
出演:ショーン・ペン、ティム・ロビンス

Kozo      
★★★★
んーーいいっス。いい映画観たなぁ、と言いつつ煙草をのみたい気分(煙草は吸わないのだが)。 クリント・イーストウッドの映画は本人の言うとおりハリウッド的ではない。純粋に映画をつくるのだ。 ストーリーに少し無理がある部分があったがショーン・ペン、ティム・ロビンス、ケビン・ベーコンの演技を見ているだけで至高の時間を味わえた。 この3人、年をとるごとにカッコよくなりますね。よかったッス。
カザビー    ★★★☆
久しぶりに怖い映画を観た。どんなにあがいても逃れることのできない蟻地獄の ようなストーリー展開にハラハラドキドキ。けれどもスクリーンから目をそらすことができない。 運命に翻弄される男達を演じるのはショーン・ペン、ティム・ロビンス、ケビン・ベーコンの3人。
彼らの顔のシワ具合が人生の年輪を感じさせて、映画のいいスパイスになっている。 そして「ラブアクチュアリー」に出ていたローラ・リニーがショーン・ペンの妻役として出演しているのも見逃せない。人間の冷たくて暗い部分を見事に描き出した作品。
にしかわたく  ★★
監督がイーストウッドでこのキャストだもん、当然期待しましたよ。しかし、いくらなんでもお話作りすぎ! 脚本「LAコンフィデンシャル」の人なのに。どうしたんだ。ショーン・ペンの熱演がもったいない。もちろんオスカーは無理でしょう。 明るいバカ映画は許すけど、暗くてつまんない映画は救いようがないぞー。今月の「出直してらっしゃいムービー」でした。
小松玲子   ★☆
正しい人間が報われない、後味の悪い映画。それをリアリティというにしても、所詮はハリウッドの娯楽映画の手法で撮っているので、 ヨーロッパ映画風の芸術映画にもなっていない。不良少年がそのまま不良親父になったショーン・ペンはともかく、 ティム・ロビンスの変貌振りには驚いた。これが『さよならゲーム』で『プレタポルテ』で、 引き締まったオールヌードを惜しげもなくさらしてたあのティム様??!!そのティム様が、天使のように心優しい“さえない中年男”を演じきっていた。 かつて女性たちを魅了した190cmの長身が、今回は単なるデクノボーに。演じきっているという意味ではやっぱりステキで、 ラストの哀歓忍ばせたシーンなど、どっか庇ってやりたくなるような魅力をふりまいていた。その意味では、腹は出てても白髪でも背中曲がってても、 セクシーさは健在!ティム様をみるためだけなら十分見ごたえあり。


シービスケット

監督:ゲイリー・ロス
出演:トビー・マグワイア、ジェフ・ブリッジス

中沢志乃    
★★★★
  JRAと日本中の競馬ファンが泣いて喜ぶ映画。美しい馬を描いた映画はあれども美しい競馬を描いた映画は珍しい。 この映画は実話に基づき、類稀な才能を持つ騎手と勝つために生まれてきた馬、そして老練の調教師を愛情あふれる馬主がまとめつつ、 逆境の中、レースを勝ち抜いていく様を描く。レースにかけるそれぞれの想いが見る者に伝わり、 何と言ってもレース・シーンでは馬券を買った時さながらの興奮の中、一瞬たりともスクリーンから目が離せない!真っ暗闇の中を馬で走る時、 騎手は馬を信頼することを知る…信じることの美しさを演技派トビー・マグワイアが演じた本作は、競馬ファンでなくても一見の価値あり。
増田統     ★★★★
馬の躍動が、すべての原動力だ。脚本家としても才気あふれる監督ゲイリー・ロスは、事実を基にした厖大な原作を、 世が世なら異なる人生を歩んでいただろう3人の男の過酷な運命の交錯にテーマを絞り込んだ。西部の富豪は若き騎手を亡き息子のごとき慮り、 騎手はこれまで縁のなかった恩師像を調教師の中に見る。そして、調教師が新たな人生を賭ける一頭の馬シービスケット。 サラブレットの血筋を受け継ぎながら、体躯のハンディゆえ軽んじられたこの馬の迸る反抗心こそが、 これまで頑なだった3人の男の心に人間らしい命の息吹きを注ぎ込む。「怪我をしたからと言って、殺すことはない」。 この調教師の言葉は、生きとし生けるものに等しく注ぐ命の尊厳だ。その生命の環が、時に人を癒すのだ。その精神は、 『さよなら、クロ』にも共通する優れた人間性である。
Kozo     ★★☆
アメリカにいる友人から「いい映画だ!俺は泣いた」と言われ、かなり期待して見に行ったが、 まぁよく出来た娯楽映画だった(だいたい友人の「泣いた」は信用できん)。なんかアッサリ醤油豚骨スープって感じでインパクトにかけた。 もしかしたら僕自身がこの手のスポ根的なモノに感情移入できなくなっているのかもしれない。どっか覚めた目で見てしまった。 人生、感動だ!という人にはお勧めかもしれない。


25時

監督:スパイク・リー
出演:エドワード・ノートン、フィリップ・シーモア・ホフマン

Kozo    
★★★★
スパイク・リー久々の日本公開作。全体的に抑えられたトーンが好印象で9・11後のニューヨーカーの心理と重ねて見ることが出来た。 描かれている人物や脚本家(原作も)同年代ということもあって、各登場人物に無理なく感情移入でき、 なんか一人で見る映画(実際、一人で見たのだが、、、)だと思った。 今回、めずらしく主役が白人だがこれは人種を超えた問題だということだろうか?それともスパイク・リーが成長した証なのだろうか。いい映画です。
タカイキヨコ   ★★★☆
24時間後に待っている地獄のような監獄生活。それを前に揺れ動く主人公モンティの逡巡が友人・父親・恋人の心にもさざ波を立てる。 明日を決められることも恐怖なら、明日をも知れぬのもまた恐怖。グラウンド・ゼロを照らす青白い光は、そんな未来の重さをひしひしと伝えてくる。 と同時に、そのように人と波を共有しながらともに揺れ、ときには離れる都会の片隅に生きる者の日々の営みが愛おしく思えてきた。 本来なら自業自得だとあまり同情したくない男だが、冒頭の犬のシーンでやられてしまった。スパイク・リーに脱帽。
イラストコトー日誌
昨年のベスト5/外国映画 (1)トーク・トゥ・ハー(2)過去のない男(3)ボウリング・フォー・コロンバイン (4)猟奇的な彼女(5)24アワー・パーティ・ピープル
日本映画 (1)ジョゼと虎と魚たち(2)アイデン&ティティ(3)ぼくんち(4)ヴァイブレータ (5)ゲロッパ! (古東久人)
著者プロフィール

カザビー :  1978年生まれ。映画とお笑いをこよなく愛するOL。好きな監督は周防正行、矢口史靖、SABU、ペドロ・アルモドバル、セドリック・クラピッシュなど。今年、嬉しかった出来事は矢口監督からサインをもらったことと、田口トモロヲ監督「アイデン&ティティ」のエキストラに参加したことです。

Kozo :  1970年、鹿児島生まれ。故·我王銀次主宰の劇団「大阪バトルロイヤル」で俳優として映画、TVに出演。 L.A.C.C.映画科卒業後C.S.U.L.B.に編入しスピルバーグと一緒に卒業。現在は林海象監督と”Cinema Showcase”を主宰し毎月、短編映画を上映中。

にしかわたく :  漫画とイラスト描いて暮らしてます。映画好きが高じて現在『季刊ロゼッターストーン』に「でんぐり映画館」連載中。 映画とコーラとポップコーンがあれば基本的に幸せ。「飲食禁止のスノッブ映画館を打倒する会」主宰(嘘)。

小松玲子 :  1970年生まれ。雑誌・新聞を中心にフリーライターとして活動中。わが心のベストシネマは『さらば我が愛〜覇王別姫』。作家になったら、ああゆう愛憎ものが書けるようになりたい。売れっ子ライター目指して、現在まだ夢の途中。

中沢志乃 :  1972年5月8日、スイス生まれ。小学校時代に映画好きになり友達と劇を作る。一時は別の道を目指すもやはり映画関係の道へ。 5年間、字幕制作に携わった後、2002年4月、映像翻訳者として独立。夢はもちろん世界一の映像翻訳者です。

増田統 : 1967年、大阪市生まれ。高校時から映画に嵌り、大学入学と同時に上京。卒業後は、 映画雑誌「FLIX」編集部を経て、’97年よりフリーに。 フランス映画をこよなく愛するが、最近はアジア映画に浮気心を刺激されている。

タカイキヨコ :  1966年、愛媛生まれ。6年前に脱サラし、映画を中心としたエンタテインメント関連のフリーの翻訳者に。泣けて語れる映画が大好き。

古東久人 :  1959年生まれ。某出版社勤務。キューブリックで映画に目覚め、1980年代にキネ旬常連投稿から映画ライターへ。 「キネマ旬報」「フリックス」などの映画雑誌に執筆。編著は「相米慎二・映画の断章」(芳賀書店)。 生涯のベスト1はブニュエルの「皆殺しの天使」と長谷川和彦の「太陽を盗んだ男」。「皆殺しの天使」のDVDをぜひ出して欲しい!

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