第8回 アメリカの雪対策
今年に入って、初めて雪が降った。日本でもニュースでやっていたと思うが、アメリカの北東部は記録的な大雪に見舞われた。私のいるワシントンDCも大体一日で25センチくらい積もった。DC周辺のいくつかの街は停電になったりしたらしい。NYでは電車のレールに雪がつもり、5時間動けなかったらしい。
こう聞くと、アメリカの雪対策は悪いように思われるかもしれないが、そうでもない。今回はアメリカ人の災害に対する構えについて書きたいと思う。
最近、アメリカの災害、というと去年の夏に起こったハリケーンカトリーナだ。ハリケーンに対するアメリカの準備の無さは手に取って見るように明らかだった。フロリダに住む日本人留学生は、アメリカの家は吹き飛ばしてくださいと言わんばかりの所に建っていたりすると言っていた。確かにフロリダはハリケーンのよく通る場所だ。家が丘の上などに建っていたりしたら、相当危険である。日本ではあまり考えられないことだ。例えば、沖縄の人は台風が来る時は家から一歩も出ないと聞いた。大げさな表現かもしれないが、それほど注意していると言うことだろう。
しかし、アメリカの災害対策もそう悪いものではない。例えば、この間のような記録的な雪が降ったときのこと。次の日、まだ雪がちらつく中、もう普通の生活を私はしていた。高速道路、一般道、人が多く使用する歩道など、雪は既にどけられて、普通に使えるようになっていた。雪をどけた後には、凍らないように塩まで蒔かれてある。この対応の早さには驚いた。
多くの学校が1日休校になったりしていたが、それも1日で解け、3日後には何もなかったように皆生活している。ワシントンはそう多く雪の降る街ではない。それでも雪対策はばっちりと言ったようだ。
災害はなかなか予測が出来ない。だからこそ、それに対する準備、心構えがとても大切になってくる。おそらく、雪に対する準備も過去の失敗から学んだものだろう。去年のカトリーナでアメリカは何を学んだろうか。私は多くの犠牲者を出したこの災害が二度と起こらないことを祈るばかりだ。
2006.3.6 掲載
|