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         女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはぁと』第87号

  ***   ***     最近、国会議員の「失言」が目につきます。自民党の
 *****v*****  太田誠一元総務庁長官は「集団レイプする人はまだ元気
  *********    があるからいい」。森喜朗前首相は「子どもを1人もつく
   *******  らない女性の面倒を税金でみなさいというのはおかしい」。
   ***    鴻池祥肇改革特区担当相は、長崎市幼児誘拐殺人事件
      *  について「親を市中引き回しのうえ打ち首に」。どの発言も、
     女性に大きく関わるもの。今回はこの話題が中心です。

◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  目次
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆
■  「こんな国会を変えたい」
       福島瑞穂(参議院議員・社民党・比例)

■  「子どもの犯罪と、自民党幹部の発言について」
       小宮山洋子(衆議院議員・民主党・東京)

■  編集後記

■  「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧

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 「こんな国会を変えたい」
                     福島瑞穂(参議院議員・社民党・比例)
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 国会は、古いところです。野次や成立する法律を見ていてとんでもないと
ころだと思っていたけれど、これはなんとかしなくてはと心から思うように
なりました。

 日本の社会に問題があることは確かだけれど、国会は一般の(?)社会よ
りも何十年も遅れています。

 参議院の事務局のなかでセクシュアル・ハラスメントが起きました。それ
について今後職員の研修をきちんとやって欲しい、相談窓口を充実して欲し
いと超党派の参議院の女性議員で議長、副議長、事務総長に申し入れをしま
した。その後、筆坂議員がセクシュアル・ハラスメントを理由に議員を辞職
したので、本当に驚きました。

 わたしは、議員になる前にセクシュアル・ハラスメントの裁判を担当し、
企業の研修などもやってきました。企業のなかにはうーんとひどいところも
研修やっても全く現場は変わらないところもあるけれど、やはりこの10年
間の取り組みは大きかったと思います。ガイドラインを作ったり、相談窓口
を作ったり。それに比べて国会、特に国会議員は、もちろん研修を受けない
し、権力者で誰もとめられないということもあるのか、何十年と変わらず、
陥没しているという感じです。

 国会議員に対する研修などはなんらかの形で必要なのではないでしょうか。
 今、国家公務員のセクシュアル・ハラスメントを防止するための法律を作
ろうと案を考えています。
 そして、その後、太田発言、森発言、福田発言と続きます。

 その後、暴言という点では、鴻池発言、江藤発言もあります。「親は市中
引き回しの上、打ち首」というのは江戸時代よりもひどいです。

 太田発言、福田発言は強姦をされた被害についての理解が全くありません。
たくさんのメールを特に女性からもらいましたが、なかに何人か過去に強姦
された経験を持つ人からもありました。親にも話せず、誰にも言えず、結婚
をしなかったというものも何通かありました。

 「元気がある」というのは全く理解できません。「殺人できる元気があっ
ていい」「強盗できる元気があっていい」とは言いません。強姦については、
かつてある文化人の人が「強姦できる体力を」と言いました。強姦について、
男の元気、体力が言われるというのは、やっぱり強姦がすさまじい人権侵害
であり、被害者にとっては大変なことなのだとはまだまだ理解されていない
ということをあらわしているのではないでしょうか。

 そして、「子どもを沢山作った女性が、将来国がご苦労様でしたといって、
面倒を見るのが本来の福祉です。ところが、子どもを一人も作らない女性が、
好き勝手、と言っちゃなんだけど、自由を謳歌して、楽しんで、
年とって・・・・・・税金で面倒見なさいというのは、本当におかしいです
よ」という発言も本当にひどいです。

 これについてもたくさんメールをもらいました。
 一生懸命働いて税金を納めているのにひどいというメールも多かったし、
結婚して、子どもが欲しいけれども恵まれないという切々としたものも何通
もありました。
 子どもも持ちたくても持てない人もいれば、それぞれの人生はその人のも
のです。

 子どもを産まない、産めない女性は、社会の役にたたないと、税金で面倒
見る必要がないというのは、女性の役割を、子どもを産み、育てることに限
定するものです。また、すべての国民に公平であるべき福祉の理念を非常に
ねじ曲げています。

 ナチス・ドイツの頃の写真集などを良く見ます。
 女性解放運動が弾圧され、母性主義がもてはやされます。戦争中こそ、戦
争に向かうときこそ、産めよ、増やせよが奨励されます。
 産めよ、増やせよが奨励されるときは、まさに危険なときです。

 平和と平等は手を携えてやってくると言われていますが、今は、逆に、戦
争と差別は手を携えてやってくる時代になっているのではないでしょうか。
 女性差別発言の根の深さをきちんと批判していく必要があると考えていま
す。

 ぜひみなさんの意見をお聞かせ下さい。


■◇■==============================================================
 「子どもの犯罪と、自民党幹部の発言について」
                    小宮山洋子(衆議院議員・民主党・東京)
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<子どもの犯罪をめぐっては、国民全体で真剣に考える必要があります>

 長崎市で4歳の男の子が殺害された事件で補導されたのが、12歳の中学
生だったことには、ほんとうに、どうしたらいいのか思案にくれてしまいま
す。

 すぐに厳罰化をとメディアもあおっているようで気になります。神戸市で
の事件をきっかけに、大議論の末、少年法が改正されて14歳まで刑事責任
年齢が引き下げられましたが、今回の事件によって、イギリスでは10歳か
ら刑事責任を問うといった例をひいて、厳罰化を求める論調が強くなってい
ます。

 私は、罰を厳しくすれば、こうした犯罪が減るとは思えません。もっと、
その前にできることがあるし、しなければいけないと考えます。おとなたち
は、子どもたちの悩みや心の闇に寄り添っているのでしょうか。

 子どもたちに電話で相談にのる民間のしくみにチャイルドラインがありま
す。その議員連盟に参加していまして、先日、チャイルドラインの代表の方々
から、今年の5月に1週間、フリーダイアルで電話できるようにしたら、全
国で7万8千件余りのアクセスが子どもたちからあったけれど、ボランティ
アの人たちが受けているので、そのうちの1万5千件しか受けられなかった
と報告がありました。これだけ、子どもたちは、聞いてもらいたいことをもっ
ているのです。

 また、現在、児童虐待防止法の見直しの作業をしていますが、少年院での
綿密な調査の結果、入っている子どもたちの7割が虐待を受けたり、家庭内
での暴力(DV)を見て育っていることがわかりました。すぐに答えが出る
問題ではありませんが、国会ではもとより、国民全体で、真剣に考えていき
たいと思います。

<自民党幹部の、次々に起きている、ひどい発言は許せません>

 長崎のこの事件について、政府の青少年育成推進本部副本部長の鴻池防災
担当大臣は厳罰化を主張し「加害者の親は市中引き回しのうえ、打ち首にす
ればいい」という発言をしています。今回、青少年問題担当になり、今週私
が質問をする予定になっていますが、まとまりかけている「青少年育成大綱」
に待ったをかけ、どうしても出すなら副本部長を辞める、厳罰化のための検
討会を立ち上げろと言っているようです。不適任ではないか、追及します。

 太田元総務庁長官の「集団レイプする人はまだ元気があるからいい」とい
う発言や、森元総理の「子どもをつくらない女性が年とって、税金で面倒を
みなさいというのはおかしい」という発言など、人権感覚のない発言が続き
ひどいものだと思います。両者とも公開の討論会の場での発言ですが、その
場にいて反論しない同党の女性議員にも疑問を感じます。女性議員有志で強
く抗議しました。こういう発言が、子どもたちにも影響しているのではない
でしょうか。


◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  編集後記                ロゼッタストーン・弘中百合子
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆
 国会議員の失言に関しては、読者のみなさんからも、たくさんの意見を
いただきました。責任ある立場の人が、なぜこんな発言をするのだろうと、
素朴に疑問を感じます。

 国民の政治家への信頼度が低いのは、政治家の言葉があまりにも軽いから
かもしれません。自分の発言に責任をもてない政治家を、どうやって信用す
ればよいのでしょう。

 永田町の感覚が、早く一般社会の常識に近づくように、ヴィーナス議員
たちには頑張ってもらいたいと思います。

 ご意見、ご質問はvheart@rosetta.jpまでお願いします。

※お手数ですが、お寄せいただくご意見に
     1)「掲載可」か「掲載不可」か

 掲載してもよい方は
     2)「匿名希望」か「実名可」か
     3)「事前連絡必要」か「事前連絡不必要」か

をお書き添えいただけると、大変助かります。なにも記載がないものを紹介
する場合は、要旨だけを匿名でご紹介する形にしたいと思います。


◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆
 「ヴィーナスはぁと」に参加してくださったのは、次の15名(敬称略)の
方々です。

 ◇衆議院
  川田悦子  (無所属・東京)   小宮山洋子(民主党・東京)
  瀬古由起子(共産党・東海)   武山百合子(自由党・北関東)
   水島広子  (民主党・栃木)   山内惠子  (社民党・北海道)
   山口わか子(社民党・北陸信越)

 ◇参議院
  有村治子  (自民党・比例)      井上美代  (共産党・東京)
  岡崎トミ子(民主党・宮城)     千葉景子  (民主党・神奈川)
   八田ひろ子(共産党・愛知)    広中和歌子(民主党・千葉)
    福島瑞穂  (社民党・比例)    吉川春子  (共産党・比例)

詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、ロゼッタストーン
WEBページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/
各議員のWebページにもリンクしています。

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■次号予告
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 次回の発行は、7月24日です。

 有村治子議員(自民党) 千葉景子議員(民主党)
 広中和歌子議員(民主党) 吉川春子議員(共産党)
 が登場する予定です。

 ※登場する議員の顔ぶれは、変更する場合もあります。ご了承ください。

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発行人・編集人:弘中百合子
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