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2003年6月12日発行
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          女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはぁと』第82号

  ***   ***    6月6日、有事法制が参院を通過しました。今回は
 *****v*****  どの議員もこのことが一番気になっているようで、
  *********  原稿にはそれぞれの切実な思いが書かれています。
   *******    社民党の福島議員・山口議員、共産党の吉川議員は
     ***    「有事法制」のこわさを訴えています。また岡崎議員は、
      *     民主党が賛成にまわった理由を説明してくれました。

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  目次
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■ 「日本が再び危険な軍事国家に!! 新国家総動員法が登場」
   山口わか子(衆議院議員・社民党・北陸信越)

■  「有事法制成立に思う」
   吉川春子(衆議院議員・共産党・比例)

■  「憲法に真正面から挑戦する有事立法は、立憲主義への挑戦」
   福島瑞穂(参議院議員・社民党・比例)

■  「武力攻撃事態対処関連3法案の成立、今後の課題」
   岡崎トミ子(参議院議員・民主党・宮城)

■ 編集後記

■ 「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧

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 「日本が再び危険な軍事国家に!! 新国家総動員法が登場」
             山口わか子(衆議院議員・社民党・北陸信越)
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●物言わぬ9割の国会議員が賛成した有事法案成立

 とうとう21世紀の初頭、全世界が平和を願ううねりの中で、イラクがアメ
リカの理由なき専制攻撃で多くの子どもや女性が虐殺されたその時に、日本
政府は、戦争ができる国として、アメリカの言うなりに戦争に協力する法律
が成立してしまいました。多くの国民は、戦争に狩り出されるであろう若者
の姿とあのイラク攻撃で犠牲になった無残な姿が二重に見え、言葉を失った
のではないでしょうか。

●マスコミの世論操作で危機意識を煽る

 あの9.11同時多発テロ以来、テロは世界中どこでも起こると煽り、9.17
ピョンヤン宣言での北朝鮮拉致問題以降、核問題を含め「北朝鮮脅威論」が
マスコミに登場しない日が無いくらい異常な雰囲気をつくりだしました。こ
こぞとばかり、「備えありば憂いなし」と『北朝鮮』を有事法制の口実に使っ
たのです。

 しかし、ちょっと考えれば「北朝鮮の脅威論」はほとんど実現性が無いこ
とは、日米の軍事専門家も、政府当局も一部のマスコミも知っています。な
んと言っても日本の自衛隊の軍事力は、北朝鮮の比ではありません。勿論核
を使うということは、どちらの国も滅びてしまうことですから、絶対に核を
使用しないような政治・外交の努力で、話し合いを通じてしか解決の道は無
いことぐらい被爆の経験がある国民はわかっていることです。

●戦争と犯罪をゴチャ混ぜにするいい加減さ

「拉致はテロ」「ゲリラや不審船」と言った脅威論に対しては、国家犯罪で
すから、戦争によって対処すべきではなく、警察や海上保安庁が行うことな
のです。

 村山富市元総理も「有事の際の対応を考えるのは国の責任であることは当
然だ。テロや災害への備えは必要、自然災害は天災だが、戦争は人災だ。人
災は未然に防ぐことができる。冷戦構造が崩壊し、世界は国連を中心に共生
する社会をめざしている時になぜ有事法制を整備するのか。日本がこれまで
とは違う方向に進もうとしている印象を周辺諸国に与えてしまうのではない
か」「日米韓に中国、ロシアと連携している限り、北朝鮮が戦争を起こすこ
とはありえない。今は必要以上に北朝鮮の脅威が宣伝されすぎている。それ
で国民世論がつくられているから危ない。周辺諸国と連携してその恐れを取
り除く外交努力に最善を尽くして未然に防止することが大事だ」と言ってい
ますが、その通りだと思います。

●修正案の問題

 民主党は、修正案として「基本的人権の保障」を最大のポイントにしたと
いうことですが、考えてみれば憲法が保障していることをわざわざ下位の法
律に加える意味がよくわかりません。苦心の末「自由と権利の制限は必要最
小限」に、「基本的人権に関する規定は最大限に尊重」という文言をつなげ
ることで双方が了承したそうです。また、指定公共機関について、「報道・
表現の自由を侵すことがあってはならない」と付帯決議に盛られましたが、
いずれもどれだけ制限するかは政府の権限に委ねられていますから、どう考
えても昨年あれほど4野党で反対した理由さえも理解できません。

●法案成立でノリノリの小泉内閣は軍事行動へと暴走?

 衆議院では残る会期をめぐり、イラク復興支援法や、PKO協力法改正で自衛
隊派兵の拡大を図りたいと延長を企んでいます。有事法制が発動されるとど
うなるか、当然戦争を始めるときになります。日本は憲法9条で「国権の発動
たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使」を「永久に放棄する」と宣言
しています。戦争することを想定した有事法制は、憲法違反の法律であり、
とても許せる内容ではありません。

 有事法制とは、有事という緊急事態が起こったときに国民の命を守るため
の法律だと政府も与党も言いつづけてきました。いったいどう国民の命を守
るというのでしょう。また、わが国が武力攻撃を受けたときの「わが国」と
は、インド洋へ出向いている自衛隊の給油艦が攻撃を受ければこれも「わが
国」であり、復興支援でアフガニスタンやパキスタンへいっているときに攻
撃を受ければそれも「わが国」というのですから、世界のどこでもわが国が
武力攻撃を受けたときか、攻撃されていなくても予測されれば有事法制が動
き出すのです。しかも緊急の必要がある場合は、国会は事後承認でもという
国会無視も甚だしい法律です。

●国会を無視し国民の知らない間に戦争準備にひた走る防衛庁

 あの恐ろしい「第2の対人地雷」といわれるクラスター爆弾を自衛隊が何と
148億円も購入していたことがわかり大騒ぎになりました。防衛庁は予算書な
どで購入を明らかにしていなかったため6年間も購入しつづけたというのです
から呆れてしまいます。日本の自衛隊では全く使えない憲法違反の爆弾をい
くらアメリカの命令とはいえあまりにも常識が無い、自衛隊の暴走といえま
す。

 国民が不況で苦しんでいるときに、国の予算の半分は借金の返済だという
のに、防衛庁の予算はほとんど削減されないばかりか予備費まで手をつけて
います。

 イージス艦をまだ購入する計画だそうですが、一隻1400億円もします。失
業して苦しんでいる人達やホームレス、子育てに悩む母子家庭の人たちにこ
れだけのお金があれば十分に生きる希望が湧くのに、平和と正義のためとい
うなら無駄な予算を徹底して削るべきではないでしょうか。


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 「有事法制成立に思う」
                吉川春子(衆議院議員・共産党・比例)
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 6月6日金曜日、有事法制が参議院本会議で反対32票、賛成202票の
圧倒的多数で可決成立しました。記名投票もせず押しボタンであっさり決着
しました。92年に自衛隊を海外派遣するPKO法が成立したときは参議院
では徹夜の特別委員会と本会議は5泊6日の1回13時間の牛歩戦術を何回
も繰り返したあげくの成立だったことを思うと昔日の感があります。この
10年国民の意識が激変したのでしょうか。

「有事法制に反対する共産党は時代遅れだ」とのメールが私の所に届きまし
た。「あなたは戦争準備の法律に100%の議員が賛成する国会を希望しま
すか?戦前のように……。」米軍の戦争に日本が協力できるようにする。そ
して、民間企業協力を依頼し、地方自治体に協力を求め、国民の基本的人権
が大幅に制約される。そんなことが現実になるなんて、それに反対する国民
の声よりは、支持する方が多いなんて、「ほんとかしら?」と思います。

 ノムヒョン韓国大統領の演説を昨6月9日、国会で聴きました。「日本は
一時期帝国主義の道をとったことで韓国はじめアジア諸国に大きな苦痛を与
えたこともあった」
「日本はまだ過去の問題で宿題を全部済ませていない」抑えた調子ながら日
本侵略戦争を批判しました。

 今回の訪日について韓国メディアや国会では屈辱外交の批判が大きいとの
こと。ソウル街角のテレビのインタビューも「韓国大統領の訪日にあわせて
何故有事法制成立なの?」等と批判が噴出していました。

 ノムヒョン大統領は北朝鮮問題でも小泉総理の強い発言に当惑し「韓国は
対話重視」と強調しました。おりしも北朝鮮のマンビョンボン号の日本来航
中止のニュースが伝わりました。「別に驚きもしないし、さりとて日本側が
困ることは何もない(日経6.10.社説)」と言う論調が多い中「修学旅行中止
で悲しい」との在日の生徒の声はかき消されています。窮鼠猫をかむ、とい
う事態になってほしくないと私は願います。

 麻生太郎自民党政調会長の日本支配下での朝鮮の「創氏改名」について「満
州で仕事がしにくかったから名字をくれと言ったのがそもそもの始まり」と
説明し、韓国から大きな批判があがっています。ここには植民地支配の反省
もみじんも感じられません。あまりにも傲慢な最近の政府の姿勢、アジアの
友人がない日本という批判を裏付けています。

 憲法9条を守り、武器輸出3原則や、非核3原則を国是として平和に努力
してきた日本を守り抜くことが必要です。有事法制を発動させない日本を!
あなたと一緒に力を合わせます。


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 「憲法に真正面から挑戦する有事立法は、立憲主義への挑戦」
                福島瑞穂(参議院議員・社民党・比例)
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 今日、2003年6月6日は、本当にひどい怒りを感ずる日でした。参議院の
本会議で、有事立法3法案が可決されたからです。「有事」とは戦争のこと
です。他の何ものでもない戦争のことです。戦争のための法律が国会で成立
したことに本当に怒りを感じています。

 有事立法は、平和憲法に真っ向から反しています。憲法に真正面から挑戦
する有事立法は、立憲主義への挑戦です。有事立法3法案は、戦争への「備
え」のためのものではなく「戦争をする」ためのものです。

 参議院の特別委員会で2回質問に立ちました。
 「米軍が日本の米軍基地からある国に向かって武力行使に飛び立った。相
手方は、日本の米軍基地への攻撃の準備を始めた。これは『武力攻撃予測事
態』か『周辺事態』か」と質問をしました。

「『武力攻撃予測事態』となることもあれば、『周辺事態』となることもあ
る」というのが答弁です。アメリカがイラクや北朝鮮、あるいは他の国への
武力攻撃をするときに、「武力攻撃事態」となるということです。

 この十数年間には、大きく2つの流れがあります。1つの大きな流れは、
アメリカとの武力攻撃を実効性のあるものとする動きです。1995年のナイレ
ポート、日米ガイドライン、1999年の周辺事態法、そして、日本にアメリカ
と一緒に戦争ができるように集団的自衛権を求めるアーミテージ報告などで
す。

 この10年間は、アメリカと日本がどうやって一緒に戦争をするか、もっ
と言うと、アメリカの行う戦争をどうやって日本が支援をしていくのか、と
いうことがどんどんどんどん強まった10年でした。イラク戦争がそうですが
(あれほど大量破壊兵器がある、だから、戦争をするのだと言っていたのに、
現在まで何も出てきていない)、アメリカの行う国際法違反の違法な戦争を、
日本全体が支援していくものとなっていきます。

 2つ目の大きな流れは、どうやって自衛隊を海外へ派遣するかということ
です。PKO法、PKF法、周辺事態法、テロ特措法……と続いています。
そして、これからイラク復興支援法が議論される可能性が高くなっています。

 これは顕著な例ですが、「自衛隊は行って一体何をするの?」と思います。
イラクやイラクの国民から要請があるわけではまったくありません。道路や
橋を作るのであれば、土木建築の人を送るのがベストです。もちはもち屋。
アメリカがイラクを攻撃する前から「日本は復興支援に自衛隊を派遣すべき
だ」というおかしい発言が政治家から出ていました。とにかく「はじめに自
衛隊派遣ありき」で、本当におかしいと思います。

 戦争法規は「戦時」だけではありません。「平時」のときの基本的人権の
制限、監視、管理、排除、戦争に動員させるための訓練、準備……が進みま
す。

 今日、心神喪失者処遇法案も可決されました。他害行為を行った人は、精
神科医と裁判官の判断で、「同種行為を行う可能性がある」とされれば、無
期限に国立病院に収容できます。「保安処分」です。将来の「恐れ」「危険」
ということで、強制隔離されます。

 有事立法3法について、国会の答弁でも避難訓練などを行うことが言われ
ています。「当たり前」の風景、「日常生活」が変わっていきます。保管命
令義務違反は、6ヶ月以下の懲役となります。「戦争に協力するのか、懲役刑
になるのか、2者択一になってしまう」と国会で質問をしました。その時、
「日本人か、それで」と与党から野次が飛びました。

 議論をしているときに「それで日本人か」と言われているのであれば、成
立をしたら、1人ひとりの国民・市民への圧迫が強まるのではないかと本当
に心配します。法律案が可決されても作動しないよう監視していく必要があ
ります。

 また、これから100以上の有事立法関連法がでてくると言われています。
有事立法の廃止、今後、「いらない」という運動の取り組みを本当にやって
いきたいと思っています。ぜひよろしくお願いします。一緒に考えてくださ
い。


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 「武力攻撃事態対処関連3法案の成立、今後の課題」
               岡崎トミ子(参議院議員・民主党・宮城)
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「私ども民主党は、イラク攻撃については国際法の正義というものに照らし
合わせてアメリカ、問題あるんじゃないかと、そういうことで反対を声高に
申し上げてまいりました。国際協調、力の支配から法の支配へとこの戦後の
世界の国際政治を持っていくために、同盟国である日本がもっと声を上げて、
アメリカの無法なあるいは法律的に疑義のある戦争に対してしっかり物を言っ
ていくと。そういう姿勢を示すということが、私は、アメリカの戦争に巻き
込まれるんじゃないかという疑念を払拭する大きな役割を果たすと思います
し、そういった努力をしっかり行っていくべきだというふうに思います」

 これは、民主党の前原誠司議員が、武力攻撃事態対処関連3法案の審議の際、
参議院の特別委員会での答弁の中で発言した言葉です。民主党がこの3法案の
審議に臨んだ姿勢の重要な一面を現した発言だと思います。

 民主党はこれらの法案を修正して賛成しました。日本の政治において最も
大きな争点のひとつとなってきた「有事法制」に賛成して成立させたことに
多くのご批判もいただきました。どういう理由で民主党が賛成をするにいたっ
たか、賛成したことによって抱えた責任を私がどのように直視しているか、
お伝えしたいと思います。

 民主党は、5年前の結党の時から、シビリアン・コントロールや基本的人権
を侵害しないことを原則として緊急事態に対応するための関連法制を整備す
ることを決定していました。「有事」だけでなく、天災、人災を含め、普通
の対応では国民の生命・身体、財産を守ることが難しい事態がおこったとき
に超法規的な措置に訴えることを防ぐためにあらかじめルールを明確化して
おくべきだという発想です。

 昨年政府が有事法制3法案を出したとき、民主党は厳しく問題点を指摘し、
法案の出しなおしを政府に求めました。その際、政府案に反対する理由を明
らかにするため党内で議論をし、問題点を10項目に整理して訴えました。例
えば自衛隊の活動を円滑化することが中心で国民の保護や基本的人権の尊重
についての視点が弱いこと、国会によるコントロールが弱いことなど、多く
の問題点が指摘されました。

 この政府案はその後継続審議となり、今国会の冒頭で、まず与党による修
正がされました。あらためて衆議院での質疑が始まると、民主党は自らの立
場を明らかにし、民主党ならばどうするかを示すために、これまでの議論の
蓄積の上にたって対案づくりの作業を行いました。最後は2週間、ほぼ毎日国
会議員が集まってときに激しい議論を繰り返し、対案をまとめあげました。
最終的にこの議論の成果をもって菅直人代表が与党党首らとの会談に臨み、
いくつかの重要な修正をかちとることができ、それならば、ということで修
正、賛成という決断をしたのでした。

 これくらいの修正で有事法案の成立に手を貸すとは何事かという厳しいご
意見もいただきました。しかし基本的人権の尊重、国会の議決により対処措
置を終了させる手続きを追加するシビリアン・コントロールの強化、国民保
護法制の整備といった点で政府から勝ち取った譲歩がもつ可能性は小さくな
く、反対を貫いて政府・与党案をそのまま成立させるよりも、この譲歩を生
かし今後につなげていくことが重要だと、私自身も納得しました。

 多くの方が心配されるとおり、今回勝ち取った修正、政府側の譲歩だけで
は安心はできません。例えば基本法を制定すべきという民主党の主張につい
ても、与党との合意文書には「緊急事態にかかる基本的な法制について政党
間で真摯に検討し、その結果に基づき速やかに必要な措置をとること」とだ
けされて、どのようなものとして基本法制定が検討されるのかは合意文書そ
のものからは明らかになっていません。

 民主党の提案した基本法制は、今回整備される法制度が、あくまで緊急事
態のひとつとしての武力攻撃事態が発生した場合の「危機管理のしくみ」を
あらかじめつくるものであって、それ以上の軍事的に積極的な意味を持たな
いことを内外に明らかにし、とくにこれを運用する政府自身に「釘をさす」
意味も持つものと考えています。さらには、日本の安全を確保するための国
際協力など、いわゆる「有事法制」を使わなくてもよくするための規定が盛
り込まれていて、こうした点が決定的に重要なのです。

 また、基本的人権の尊重も、それが文言で謳われるだけではまったく意味
がなく、具体的にどのような基本的人権を尊重するかを明らかにした上で、
それを担保するしくみをきちんと整備しなくてはなりません。これらの点に
ついては、私もこの法案の審議をした特別委員会の委員として修正案を提案
した与野党の議員、政府に質問をし、民主党の主張をベースにして今後の作
業を進める意思を確認いたしました。

 民主党の修正でいい法律ができた、と大喜びしているわけではありません。
民主党の修正で打ち込んだくさびによって、よりよいものになる可能性がで
きたと思っています。民主党の修正が意味のあるものだったと言えるために
は、なんとしてもきちんとした基本法制や国民保護法制をつくって、具体的
な成果を担保する必要があります。

 しかし何より大切なのは、この法律を使われない法律にしなくてはならな
いということです。これには二つの側面があります。ひとつは、そもそも近
隣諸国などとのあいだに、緊張状態が発生しないようにすること。内容とし
ては予防外交もあれば、日本が信頼される国家になるといったこともありま
す。また、他の地域の国の政策で、この地域に緊張が持ち込まれるなどといっ
たことも発生しないようにしなくてはなりません。

 もうひとつは、事態定義が依然あいまいであるため、日本に対する武力攻
撃が本当は迫っていないのに、不要な事態認定が行われてかえって戦争の危
険を高めるようなことが許されないということを、常に政府に認識させつづ
ける必要があります。

 平和を実現するために、そして日本、日本政府に対する国内外の不安を払
拭するためには武力ではなく、国際協調とルールによって世界の安定と秩序
を守るしくみづくりに日本は全力を尽くさなくてはなりません。修正案を提
示し、賛成した者として大きな責任を負ったことを自覚しています。そして
市民の皆さんとともに、平和憲法の理念に基づいて新しい世界の実現に力を
尽くしていきたいと考えています。

(※民主党の緊急事態法制関連資料については、どうぞ民主党のホームページ
をご覧になってください: http://www.dpj.or.jp)


◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  編集後記              ロゼッタストーン・弘中百合子
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆
 「有事法制」に関して、国民の反応は驚くほど無関心でした。「ヴィーナ
スはぁと」や「未来総理」でも、「有事法制」についての読者の意見はとて
も少なく、こんなに重要な法案がなぜ「国民的論議」にならないのだろうと
不思議な気がします。

 マキコ・ムネオ騒動の頃には、毎日毎日国会のようすをメディアが取り上
げ、国民も政治の行方に強い関心を持っていました。あれからそんなに時間
がたったわけでもないのに、なぜ「国会」は国民に無視されているのでしょ
う。

 「9.11のテロや、拉致問題をきっかけに、国民が急速に保守化した」と指
摘する声もあります。あなた自身はどうですか? 国の防衛についての考え
方に変化があったでしょうか。

 ヴィーナス議員たちの危機感と、国民の意識の間に、なんだか距離がある
ような気がします。「有事法制」についてどう思っているのか、どうぞご意
見を聞かせてください。

 ご意見、ご質問はvheart@rosetta.jpまでお願いします。

※お手数ですが、お寄せいただくご意見に
   1)「掲載可」か「掲載不可」か

 掲載してもよい方は
   2)「匿名希望」か「実名可」か
   3)「事前連絡必要」か「事前連絡不必要」か

をお書き添えいただけると、大変助かります。なにも記載がないものを紹介
する場合は、要旨だけを匿名でご紹介する形にしたいと思います。



◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆
 「ヴィーナスはぁと」に参加してくださったのは、次の15名(敬称略)の
方々です。

 ◇衆議院
  川田悦子 (無所属・東京)    小宮山洋子(民主党・東京)
  瀬古由起子(共産党・東海)   武山百合子(自由党・北関東)
  水島広子 (民主党・栃木)    山内惠子 (社民党・北海道)
  山口わか子(社民党・北陸信越)

 ◇参議院
  有村治子 (自民党・比例)    井上美代 (共産党・東京)
  岡崎トミ子(民主党・宮城)    千葉景子 (民主党・神奈川)
  八田ひろ子(共産党・愛知)    広中和歌子(民主党・千葉)
  福島瑞穂 (社民党・比例)    吉川春子 (共産党・比例)

詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、ロゼッタストーン
WEBページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/
各議員のWebページにもリンクしています。

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■次号予告
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 次回の発行は、6月12日です。

 井上美代議員(共産党) 山口わか子議員(社民党)、
 岡崎トミ子議員(民主党)が登場する予定です。

 ※登場する議員の顔ぶれは、変更する場合もあります。ご了承ください。

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〒171-0021 東京都豊島区西池袋5−27−9−101 株式会社ロゼッタストーン
発行人・編集人:弘中百合子
Copyright(C) ロゼッタストーン 許可無く転載することを禁じます

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