2002年8月15日発行(毎週木曜日配信)
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女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはぁと』第39号
*** *** 「ヴィーナスはぁと」の創刊が昨年の11月15日。ちょうど
*****v***** 9カ月が過ぎました。猛暑のせいか、このところ、みなさま
*********** から寄せられる意見が減少傾向にあります。
********* 逆にいえば、いま、ご意見をお寄せいただければ、ヴィーナ
******* ス議員たちの印象に残る可能性大。
*** 世間が夏のバカンスを楽しんでいるいまこそ、どうぞご意見を
* お寄せください。お待ちしています!
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目次
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■女性議員を増やすためのクォータ制について
小宮山洋子(参議院議員・民主党・比例)
■こんな法律をつくりたい
福島瑞穂 (参議院議員・社民党・比例)
■「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧
■編集後記
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女性のための制度は、近い将来、生まれるのか?
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今回、小宮山議員からは女性議員を増やすための「クォータ制」、福島議
員からは「夫婦別姓」など女性が望んでいる法律について、原稿が届きまし
た。女性がもっと快適に生きられる法律とはどんなものなのか、みなさまも
一緒に考えてみてください。
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女性議員を増やすためのクォータ制について
小宮山洋子(参議院議員・民主党・比例)
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私が26年勤めたNHKをやめて政治家になろうと決意した要因のひとつ
が、女性のアナウンサーとして初めての国会中継をしたときに、本会議場が、
あまりにドブネズミ色(男性のダークのスーツの色)だったということがあ
ります。
現在、衆参を合わせた女性議員の割合は、ちょうど10.0%(727人
中72人)です。衆議院は7.3%で、列国議会同盟の調査では、各国の第
一院に占める女性議員の数で117位という、不名誉な位置にあります。
少しずつですが増えてきていた女性議員の数が、昨年の参議院選挙で減っ
てしまいました。その理由は、比例代表を党が順位をつけるのではなく、全
国から多く名前を書いてもらった個人から順に当選するという非拘束式にし
てしまったからで、大きな組織や資金のない女性が当選しにくい制度のため
だと考えられます。
20世紀の終わりには、指導的な立場の女性の割合を3割にすると、
1985年のナイロビでの世界女性会議で約束しています。また、女性が参
政権をもった1946年の総選挙から55年もたっているのに、この状態で
す。何らかの対策が必要です。その切り札になるのがクォータ制だと思いま
す。
クォータ制(割当制)は、候補者のうち、一方の性が一定割合を下回らな
いようにする制度です。積極的是正措置(ポジティブアクション)の一種で、
過去社会的に受けてきた差別を積極的に解消するためのものです。
クォータ制によって、女性議員が増えている国がたくさんあります。法律
で定めている国のうちスウェーデンでは、40%のクォータにしていますの
で、国会議員の40%を女性議員が占めています
北欧の国は40%が多く、世界全体では、25〜50%のクォータがあり
ます。デンマークのように、40%が達成できて、クォータを廃止した国も
ありますが、一度できた流れは変わらず、30%台の後半を維持しています。
法律で定めている国より、政党が党の綱領などで定めている国が多くなって
います。
日本でも、各政党が、クォータを定めればよいと思います。NGOとして
は、そうした運動をしてきましたが、議員になっての実感は、日本の男性の
政治家は、その必要性をほんとうにわかっている人が少ないということです。
自分の既得権が侵されるので消極的なのです。
是非、みなさんと一緒に必要性を訴えていきたいと思っています。様々な
分野を男女で分け合うのは当然のことで、男性自身が働きすぎでない、より
よい人生を送ることにもつながるのですから。
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こんな法律をつくりたい
福島瑞穂 (参議院議員・社民党・比例)
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まずはともかく選択的夫婦別姓の導入を含めた民法改正である。議員立法
として、国会に提出している。民法改正法案は法務委員会で議論されるテー
マです。
わたしは、法務委員会の委員なので、とにかく法務委員会で審議入りがで
きるようにがんばっているところです。参議院の法務委員会の理事会で、民
法改正案の審議入りをするよう主張しつづけています。
法務省が、政府提案立法として、提出してくれることを今国会期待をした
のですが、法務大臣は、「議員立法として、がんばって欲しい」と発言。
うーん、がんばるっきゃない。
ところで、自民党のなかで、夫婦別姓も認められるようにしたいと考える
人たちから、次のような案も出てきました。まだ国会に提出はされていませ
んが、秋の臨時国会には提出されるかもしれません。
夫婦同姓なのだが、職業生活上の事情、祖先の祭祀の主宰(お墓や位牌を
引き継ぐということ)その他の理由により結婚後も各自の婚姻前の氏を称す
る必要がある場合において、家庭裁判所の許可を得れば、別姓にできるとい
うものです。
結婚届を出して、別姓にできる場合も出てくるのですから、一歩前進。
ただし、わざわざ家庭裁判所にいかなくてはならず、しかも条文になって
いるのは、お墓の承継と仕事の必要性。「この名前が好き」なんて理由では
家庭裁判所は許可をしないことになってしまう。心中複雑になってしまう。
また、野党の議員立法では既婚の人でも2年以内に手続きをすれば別姓にで
きるとしているのですが、自民党案にはそれがありません。つまり、既に結
婚している人は、離婚しない限り夫婦で別姓になれないのです。
みなさんは、このような案についてどう思われますか。ぜひご意見をお寄
せ下さい。よろしく!みんなの意見を聞きたい。
社民党の男女平等政策プロジェクトチームで、年金や税金についての世帯
単位を個人単位へということ(配偶者控除、配偶者特別控除の見直し、女性
の年金権の確立についてなど)、女性と健康についての立法、子どもへの支
援、単身親家庭への支援などについてまとめているところです。座長は、
田嶋陽子さんで張り切っています。わたしも頑張りたい。
児童虐待防止法の見直しプロジェクトも始まります。法律ができたときに、
3年後の見直しが盛り込まれており、改正法案の提出にむけてヒアリングな
どを行っていく予定です。
ドメスティック・バイオレンス防止法ができたけれど、各地での取り組み
は結構でこぼこがあり、1件も保護命令の申し立てのない県もあります。ド
メスティック・バイオレンス防止センターは、必ず1つの県に1つは置かな
くてはならないけれど、十分とはいいがたく、NG0への経済的援助もほん
とうに不充分です。今後、予算の獲得でもがんばらなくっちゃ。機密費にお
金を使うぐらいだったら、女のために使え!ドメスティック・バイオレンス
やドメスティック・バイオレンス防止法について、要望や意見のある人はど
うぞ。
政治とお金の問題について、いま野党は、公共事業を受注している企業か
らの政治献金の禁止を盛り込んだ議員立法を国会に提出しています。これが
通れば、ほんとうに変わります。
また、公共企業透明化法案を出したいといま検討中。それぞれの公共事業
が必要かどうか、なかみについて、場所の選定について、金額についてなど
など、透明化してチェックしていくことで、政策を変え、政治を変えていき
たいです。
来年3月と4月は統一自治体選挙。そして、一体いつ衆議院選挙があるか
どうかわかりません。本気でがんばる人を議会に送りたい、そのことによっ
て、国民一人ひとりが主人公ということを実現したい。どうかやる気のある
人はご一報を。よろしく!
秋の臨時国会では、公益開示法案(内部告発者保護法案)を提出予定。
夏に南アフリカのヨハネスブルクで開かれる国連の「持続可能な開発に関
する世界サミット」に出席し、またODAの現場も視察してきます。環境問
題について、いままで自然エネルギーを促進しようと議員連盟を作ってやっ
てきたが、世界中から集まるNGOから、刺激をいっぱい受け、それを国内
の立法などに生かしたい。
ところで、わたしは、外国に行くときは、エコノミークラスの、しかも格
安チケットでいくのだけれど、国会の委員会で海外視察に行くときはファー
ストクラスの定価で行く。高齢の議員がエコノミークラス症候群にかかり
(実際はロングフライト症候群と呼ばれ、クラスは関係ないらしいが)、万
が一亡くなってしまうと、国会議員連続殺人事件になってしまうかもしれな
いけれど、せめてビジネスクラスにするべきではないだろうか。
委員会の海外視察には、わたしも行って、その刺激が、ドメスティック・
バイオレンス防止法に結実したので、有益であると強調したいけれどね。
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「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧
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「ヴィーナスはぁと」に参加してくださったのは、次の16名の方々です。
詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、ロゼッタストーン
ホームページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/
◇衆議院
川田悦子 (無所属・東京) 瀬古由起子(共産党・東海)
武山百合子(自由党・北関東) 松島みどり(自民党・東京)
水島広子 (民主党・栃木) 山内惠子 (社民党・北海道)
山口わか子(社民党・北陸信越)
◇参議院
有村治子 (自民党・比例) 井上美代 (共産党・東京)
岡崎トミ子(民主党・宮城) 小宮山洋子(民主党・比例)
千葉景子 (民主党・神奈川) 八田ひろ子(共産党・愛知)
広中和歌子(民主党・千葉) 福島瑞穂 (社民党・比例)
吉川春子 (共産党・比例)
計16名(敬称略)
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編集後記
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小宮山議員が提案している「クォータ制」(※クォーター=25%とは違い
ます)については、ちょうどいま、ロゼッタストーンホームページ
(http://www.rosetta.jp)の
「ミニ世論」というコーナーで、意見を聞い
ているところです。
先日集計したところ、有効回答数322人中139人が「賛成」
(43%)、135人が「反対」(42%)、48人が「どちらともいえな
い」(15%)と、まさに賛否両論が拮抗していました。
賛成派は「女性議員が増えれば政治が変わる」「いまの政治家はロクでも
ないので、政治に慣れていない人のほうが信頼できる」という意見、反対派
は「枠を決めるのは、かえって男女不平等」「実力のない人に政治家になっ
てもらっても困る」「女性も同じ条件のなかで当選してほしい」という意見
が多かったようです。
「クォータ制」自体が、まだ世間の認知度が低いので、ここは、ぜひみな
さまの意見を聞きたいところ。「クォータ制」に賛成か反対か、どうぞご意
見をお寄せください。
福島議員が力を入れている「夫婦別姓」(選択的夫婦別姓制度)について
も、かつてロゼッタストーンでアンケートを取りましたが、これに関しては、
6割以上が賛成でした。
ただ、永田町のなかでは、まだ「賛成派」が少なく、与党と野党でも、ず
いぶん法案の中身が違っています。
福島議員も、「読者の意見が聞きたい!」そうなので、夫婦別姓について
も、ぜひ、ご意見をお寄せください。「夫婦別姓」は、自民党から共産党ま
で、女性議員が政党を超えて主張している案件なので、なんとか一歩前進で
きるよう、「ヴィーナスはぁと」でもお役に立てるといいなあと思っていま
す。
世の中の変化は、まず、ひとりひとりが自分の意見を主張するところから
始まります。なかなか実現しそうにないからと諦めないで、積極的に発言し
てくださいね。
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■次号予告
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次回は次の方々が登場します。
◆有村治子議員(自民党)
◆吉川春子議員(共産党)
◆千葉景子議員(民主党)
◆広中和歌子議員(民主党)
※議員の顔ぶれは変更する場合もあります。ご了承ください。
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女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはぁと』
編集長:ロゼッタストーン 弘中百合子
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