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2002年7月11日発行(毎週木曜日配信)
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          女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはぁと』第34号

  ***   ***  「国会」は「立法府」と言われているように、「法律」を
 *****v*****  作るのが大事なお仕事です。今回は、ヴィーナス議員に
 ***********  「いま一番作りたい法律」について聞いてみました。
  *********  世間で話題になっているのは「郵政法案」「有事法案」、
   *******  あるいは、「個人情報保護法案」「人権擁護法案」といった
     ***  いわゆるメディア規制法などですが、日の当たらないところで
      *  たくさんの法律が産声を上げようと待機しているんですね。


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  目次
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■私がいま、実現したい法律
  井上美代 (参議院議員・共産党)
  岡崎トミ子(参議院議員・民主党)

■私のプライベート
  水島広子(衆議院議員・民主党)

■ 「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧

■ 編集後記


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 「私がいま、実現したい法律」
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日本の場合、法律の約8割は「閣僚」によって作られたもの(閣僚立法)だ
そうです。「国会議員」によって作られた法律(議員立法)はたった2割。
この議員立法(議員が発議するものと、委員会が提出するものがある)が成
立するまでには、たくさんのハードルがあります。

まず、法制局という法律づくりの専門家集団の審査を受け、法案を具体的な
法文にします。審査を通過しても、衆議院では予算関連法案で50人、非予
算関連で20人、参議院では予算関連法案で20人、非予算関連で10人以
上の賛同者がないと提出できません。
さらに、なんとか提出できても、国会で過半数の賛成を得なければ、成立し
ないのです。相当な根回しをしないと、法案成立は難しそうですね。

※にわか勉強なので、事実関係に間違いがあれば、ご指摘ください。

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 「乳幼児医療費無料化法案」の審議・成立をめざします
             井上美代 (参議院議員・共産党・東京)
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 いま実現したい法律は、2002年5月30日に国会に提出した議員立法、
乳幼児医療費無料化法案です(正式名称は、乳幼児医療費の支給に関する法
律案)。

 この法案は、小学校就学前の子ども(乳幼児)の医療費の窓口負担分を無
料とするもので、医療機関や保険機関への支給にかかる費用は、国が2分の
1、都道府県と市町村が各4分の1ずつ負担するというものです。所得の制
限の条項はなく、文字通り、全ての乳幼児を対象にした医療費無料化制度を
国の制度としてつくるということです。

子どもの健やかな成長を国が直接応援し、安心して子育てのできる社会を築
く一歩として、ぜひとも審議・成立をと、他の党のみなさんにも協力をよび
かけているところです。

 少子化が社会問題となり、子育て支援施策がとりくまれるなかで、子ども
を対象とした医療費補助制度は、なんらかの形で全ての自治体が行うように
なりました。ところが国は、これを応援するどころか、「財政にゆとりがあ
るから補助しているのだ」という理由で交付金を減額するという「ペナル
ティ」を課し、自治体の財政を圧迫しているのが現状です。

 そのため、地方議会からは、国の制度として乳幼児医療費助成制度を創設
してほしいとの意見書が多数あげられ(意見書採択自治体は、1997年4
月1日〜2002年1月31日で36都道府県、1214自治体)、5月
28日には全国市議会議長会も国への要望書として可決しています。

 私が、乳幼児医療費無料化運動にとりくみはじめたのは1968年です。
新日本婦人の会の一員として自治体への要望、国会への請願署名にも取り組
みました。1974年に「乳幼児医療費無料化の請願」が初めて国会で採択
されたときの感動!

こうした草の根の運動が、まず自治体を動かして独自の助成制度がつくられ、
国会では、日本共産党が私たちの要望をうけとめて質問でとりあげていまし
た。

 私も、草の根の運動を国政に生かすため、98年に日本共産党の国会議員
となりました。翌年の予算編成の際には、子どもを連れたお母さんといっしょ
に、宮下厚生大臣(当時)に直接、「国の制度として確立を」と要望したこ
ともありました。

 子どもを目の前にすれば、誰しもが21世紀の担い手である子どもを大切
に思うのでしょう。大臣も思わず笑顔で、子どもをだっこして話しかけると
いう一こまもありました。

 子どもをみると私も思わず卵のようなほっぺたにほおずりしたくなってき
ます。「この21世紀ちゃんを大切に育てたい」という思いに駆られます。
ベビーカーでのパレード、赤ちゃんを連れての議員要請などなど、全国のお
母さんたちの元気のよい運動に励まされ、法案の成立に力をつくします。


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 「戦時性的強制被害者問題解決促進法案」の成立をめざして
           岡崎トミ子(参議院議員・民主党・宮城)
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●いよいよ来週から趣旨説明、委員会質疑

今国会では2つの法律づくりに力を入れてきました。

ひとつは、このメルマガですでにご紹介した「化学物質コントロール法案」
です。市民の皆さんと一緒にまとめた私達の原案を法制局の方にも見ていた
だいて、それをたたき台にして国会に提出できるかたちにまとめる作業に入っ
ています。

もうひとつは、いわゆる「従軍慰安婦」問題の解決に役立つことを目的とす
る「戦時性的強制被害者問題解決促進法案」です。先国会で既に提出してい
たこの法案を委員会で審議できるよう、努力を重ねてきました。

「戦時性的強制被害者問題解決促進法案」が解決を目指す「従軍慰安婦問題」
は、日本軍が少なくとも8万人から20万人と言われる多数のアジアの女性たち
を「性奴隷」にして癒されることのない傷を心と体に負わせた問題です。

無理やりに集められて、繰り返し日本兵らの相手をさせられた被害者の皆さ
んは自らの体験を、「口にしては家族の不名誉」などとそれぞれの胸に閉じ
込め、戦後ずっと心の傷を深めてきました。

やっと1970年代以降声をあげる被害者たちが少しずつ現れ、誹謗と中傷
に耐えながら訴え始めたことでこの問題が広く知られるようになったのです。
ところが日本政府は「戦後補償の問題はサンフランシスコ条約や二国間条約
ですでに解決済み」という態度を崩さず、被害者たちに公式に謝罪し、国の
責任で彼女たちに補償することを拒みつづけています。

とても政府任せでは彼女たちへの責任を果たすことができないという思いで、
私たち野党3党(民主党、共産党、社民党)は日本政府の公式謝罪と個人補
償を可能にする法案を提出したのです。

 今度の「戦時性的強制被害者問題解決促進法案」が提出されて参議院の内
閣委員会に付託されたのは先国会のことでした。いよいよ今国会で審議がで
きると張り切っていましたが、与党の理解が得られず、大変な努力を要しま
した。
 市民の皆さんと集会を開いたり、またわざわざ韓国と台湾から飛んでこら
れた被害者の方たちと参議院議長や与野党の関係者に訴えたりといろいろな
かたちで働きかけ、また野党の理事にも努力を重ねていただいた末に、つい
に来週18日に法案の趣旨説明、23日には委員会質疑が実現することにな
りました。

先月、日韓共催でサッカーのワールドカップが行なわれましたが、韓国の国
会で最初に「慰安婦」について質問したのが韓国サッカー協会会長でワール
ドカップ韓国側組織委員長を努めた国会議員の鄭夢準氏です。

彼は戦後初めての日韓共同の国際的なイベントを成功させることで、両国の
関係を親密にし、友好関係を回復したいという思いを胸に奔走してこられま
した。私たちは彼らの努力に対しても応えなくてはならないと思います。

日本が筆舌に尽くしがたい苦痛を与えた被害者は高齢で、私たちに残された
時間は多くありません。国内外の女性の名誉と尊厳を守り、平和と人権の尊
重される社会をつくるために充実した質疑ができるよう、委員会質疑までの
あと10日余り、精一杯努力します。ぜひ注目してください。


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 「私のプライベート」
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 水島広子議員から、プライベートに関する原稿が届きました。水島議員は、
小さな子どもを2人抱えて議員活動をしています。しかも、選挙区は栃木な
ので、東京と栃木を行ったりきたり。あの細い体のどこに、これだけのパワー
が隠れているのでしょう。

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 「プライベートな時間は完全に子どもたちのもの」
           水島広子(衆議院議員・民主党・栃木)
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 4歳の娘と9ヶ月の息子がいますので、現在のところ、わずかなプライベー
ト時間は完全に子どもたちのものです。とは言っても、休日もなく、一緒に
どこかに遊びに行ったりするほどの時間はとれないので、家で一緒に遊んだ
り、一緒に食事を作ったり、一緒にお風呂に入ったり、といった程度です。

 子どもが寝ている時間は、仕事や家事をしなければならないので、自分自
身の時間はほとんどありません。

 もともと貧乏旅行が好きで、医学部卒業後は1年間世界を放浪したり、医
師になってからも休みを作ってはあちこち旅行していましたが、議員になっ
てからは全くできなくなりました。それが一番のストレスです。


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  「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧
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「ヴィーナスはぁと」に参加してくださったのは、次の16名の方々です。
詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、ロゼッタストーン
ホームページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/

 ◇衆議院
  川田悦子 (無所属・東京)  瀬古由起子(共産党・東海)
  武山百合子(自由党・北関東)  松島みどり(自民党・東京)
  水島広子 (民主党・栃木)  山内惠子 (社民党・北海道)
  山口わか子(社民党・北陸信越)

 ◇参議院
  有村治子 (自民党・比例)  井上美代 (共産党・東京)
  岡崎トミ子(民主党・宮城)  小宮山洋子(民主党・比例)
  千葉景子 (民主党・神奈川)  八田ひろ子(共産党・愛知)
  広中和歌子(民主党・千葉)  福島瑞穂 (社民党・比例)
  吉川春子 (共産党・比例)

                         計16名(敬称略)


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  編集後記
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 以前、小児科医を夫にもつ女性から、小児科医の過酷な労働状況を訴える
メールをいただきました。「乳幼児医療費無料化法案」だけでなく、小児科
医をフォローしてあげる政策もあるといいなあ、と個人的には思っています。

 9日に発売されたロゼッタストーン第10号のインタビューでは、吉川春子
議員も「従軍慰安婦」問題を憂いていました。見せていただいた慰安婦たち
の写真がとても生々しく、同じ女性としてやりきれない気持ちになりました。

 さて、みなさんは、今回のおふたりが訴えた法律に賛成ですか?反対です
か? ぜひ、ご意見をお聞かせください。

 前回の編集後記で、「広島と山形には女性の県議会議員がいない」という
ことを書いたら、早速、広島の女性から反応がありました。「女性議員を誕
生させる運動」を3年間続けてきて、来春、自ら無所属で県議会議員に立候
補する決意を固めたそうです。

 もしかすると、来春には、広島にも女性議員が誕生しているかもしれませ
ん。山形の女性も頑張ってくださいね。



                   (ロゼッタストーン・弘中百合子)

ご意見、ご質問はvheart@rosetta.jpまでお願いします。

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●子どもたちは何処へ行くの?ー未来に向けて考える「理想の教育」
有村治子議員、広中和歌子議員、吉川春子議員、山内惠子議員が登場!
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■次号予告
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 次回は次の方々が登場します。

 ◆武山百合子議員(自由党)
 ◆八田ひろ子議員(共産党)
 ◆福島瑞穂議員(社民党)
 ◆小宮山洋子議員(民主党)

※議員の顔ぶれは変更する場合もあります。ご了承ください。


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女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはぁと』
 編集長:ロゼッタストーン 弘中百合子
 発行 :株式会社ロゼッタストーン
     (〒171-0021 東京都豊島区西池袋5−27−9−101)
Copyright(C)ロゼッタストーン 許可無く転載することを禁じます
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