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第22回 伝説のチャーハン


先日、the 5th seasonの仲間、いとうくんの工房がある道志村を訪ねて以来、名産のクレソンにハマり、オリジナルクレソンメニュー開発に燃えた。取りあえずクレソンパスタに挑戦。味見は道志っ子 (?) いとうくんにお願いした。

その日から、ギャラリーカフェを一緒にやっていたいとうくんのまかないは、私が作るクレソンパスタになった。クレソンと茄子のトマトソースパスタ、クレソンとひよこ豆のクリームソースパスタ、クレソンと納豆の和風パスタなどなど。

いとうくんの反応はと言うと・・・一口食べるごとにじっとパスタを見ては考え込んでいる様子。残さず食べてはくれているので不味くはないのかなと思いながらも、何か不自然な反応が気になっていた。 そして3〜4日経った頃、いとうくんがやっと口を開いて言った言葉は、「めぐさん、普通に美味しくてつまらないですよ。伝説のチャーハンみたいなものを期待していたのに」

伝説のチャーハン…。それは今から6〜7年前。仕事が終わって疲れきっていたにも関わらず、社長が車で家まで送ってくれた。「申し訳ないなぁ」と思っていたら社長が、「お腹が空いたな〜。チャーハンが食べたいな〜」と言うので、これはご恩替えしをしようとチャーハンをご馳走することにした。

冷蔵庫にある材料で何とか間に合い、一生懸命作って20分程で完成。満面の笑みで「どうぞ!」と社長にお出しした。ところが社長は、一口食べて宙を見つめたかと思ったらいきなりレンゲを置いて、「ごめん。どこかでラーメン食べて帰ります』と言って、トットと出て行ってしまった。残された私はしばしボーゼン…。

その話を知った周囲の人たちの中では、「チャーハンというものを、そこまで不味く作れるものなのか!?どんな味なのか一度食べてみたい。」と話題になったものだった。 いとうくんはその話を聞いていて、今まで食べたこともない、伝説のチャーハンのような味の料理が出てくることを、心を躍らせて待ち望んでいたのだった。

「普通に美味しくてつまらない…」私は彼の期待に応えられなかったことを、喜ぶべきなのか悲しむべきなのか・・・。

イラスト

2005.3.10 掲載

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