第21回 親のせい!?
40の手習いで始めた漂着物アートにはまり、作品作りはもとより、アートスクールまで始めてしまった私だが、年甲斐もなく無鉄砲な人は意外といるもので、最近そんな仲間と共に「the 5th season」という異業種アーティストユニットを組んで活動している。
「そんな仲間」のひとりはアーティスト川島佑介。彼はなんと昨年、45才でメジャーデビューを果たした。そしてもうひとりは家具職人いとうあきとし。彼は30代も終わりの頃、突然サラリーマンに別れを告げ、職業訓練校に通った後、家具工房JUCONを立ち上げた。彼は無類の音楽好きで「音楽のような家具」と銘打ち、魂を込めたソウルフルな作品を作り続けている。
そんな彼の工房(山梨県道志村)を、うちの「子供社長」と共に訪ねた。工房の話は以前から聞いていたが、実際見てびっくり!まるで別荘だ。外観もオシャレだが、2階部分は彼の手作り家具でレイアウトされているため、代官山にでもありそうな、ハイセンスなカフェのよう。
しかしこの驚きは序章に過ぎなかった。下の工房に足を踏み入れたとたん、「えーーーっ!?」って感じ。なんと巨大マシーンが所狭しと陳列。私はてっきりノコギリでギーコギーコと木を切りながら家具を作っていると思っていたのであんぐり。
そして一緒にいた社長は思わず「これって一台いくらぐらいするの!?」と質問。それに対し、「中古で買ったから少し安かったですけど、新品で買えば100万円ぐらいですかね。」との回答。そんなものが1台、2台、3台…!!その上、その別荘のような工房も賃貸ではなく買ったという。
その話を聞いて社長が、「それって、アーティストになりたいな〜って思いたった人が、いきなりスタジオと楽器を買い揃えちゃうようなもの!?破天荒にもほどがある!」と目を白黒させた。そうとう破天荒なうちの社長にそう言わしめたいとうくんは、かなり本物(?)だ。
しかし以前、「なんだかんだ言っても、だんだん親に似てくるよね」という話をしていた時にいとうくんが、「そうそう、うちは親も金が無いからオレも金が無い」と言っていたけど、金が無いのは親のせいではなく、明らかにアナタ「買い過ぎ」ですよーっ!
2006.3.1 掲載
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