第10回 究極の選択
「若く見える」ということは、女性にとって喜ばしいことのはず。しかし私は、それによってあまりいい思いをしたことがない。というか、むしろヒドイ目にあっている気さえする。
ある日、駐禁を切られて警官に免許証を提示した時のこと。怪訝そうにマジマジ見られた後、生年月日だけを確認された。それも何度も何度もだ。私は状況が把握できないまま、ノーテンキに聞かれる回数だけ真面目に答えていたのだが、しばらくしてその免許証が他の人のものではないかと疑われていることに気がつき愕然とした。
またある日、病院で診察を受けようと保険証を提出して待合室にいた時のこと。いきなり事務局の人が現れたかと思ったら、すごい勢いで「記載に間違いはございませんか?本当にご自分の保険証ですか?」と詰問された。
これらの話を友人にしたら、「羨ましい話だわ。自慢しているの?」と、冷たく突き放されてしまった。でも私は、よりによって警察や、周りに大勢人がいる病院で疑われた時、心底恐怖だった。あまりに真剣に問い詰められ、このまま捕まってしまうのではないかと思ったほどだ。
そう言えば・・・25歳の時に新宿で補導されたこともあったっけ・・・。「学校は?」と聞かれ、「えっ?学校!?なんで交番でいきなり最終学歴を聞かれるの??」と、自分が置かれた立場が全く理解できなかった。
見かけによって年齢が決まるわけでもなく、「若く見えても44歳に変わりはないんだから別にいいことないよね〜。」なんてグチグチ言っていたら、事務所のMちゃんに、「そんなことないですよ。実際の年齢がいってたとしても、若く見えることはいいことですよ。じゃーめぐちゃんは、20歳に見える40歳と40歳に見える20歳だったらどっちがいいですか?」と聞かれた。
う、うう・・・ん・・・。究極の選択だ・・・。
2005.9.10 掲載
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