第21回 年金って何?
一口に年金というけれども、いったい年金って何なんでしょう。
昔は、お父さんやお母さんの面倒を子供がみていました。ところが、核家族化が進み親と同居しなくなったので、親の面倒がみれなくなりました。そこで、親の面倒をみる代わりに、現金を親に仕送りする事により親の生活を支えたわけです。
しかし、子だくさんの方はいいですけど、お子さんがいない方やお子さんが少ない方は親に仕送りができません。つまり、同じ高齢者でも、お子さんの人数や、お子さんの経済状態により、高齢者の方の生活が大きく変わります。
この仕送りの制度を、個人に任せるのではなく、国として一括で行おうというのが年金です。 仕送りの個人差を無くし、老後に安定した生活を送れるように年金は設計されています。
年金には大きく分けて2つあります。
- 生活の基本的な部分を支える国民年金
- 生活水準に合わせて支給される厚生年金
国民年金は生活の基本的な部分を支える為の年金ですから、国民年金保険料を払った月数に応じて年金額が決まります。
厚生年金は現役時代の生活水準に応じて老後生活を送れるように、現役時代のお給料や賞与に応じて年金額が決まります。
公的年金は、基本的には国が行う仕送りですから、現在支払っている保険料は現在受給している方の年金として支給されます。
両年金とも、払った保険料を積み立てて、将来積み立てた保険料を取り崩して年金を支払われるイメージがありますが、保険料を積み立ててそこから年金を支給する場合は、積み立てた年金を全て支給した後は支給額は0円になります。
民間の年金でしたら、年金額0円となっても問題ありませんが、公的年金では0円と言うわけにはいきません。そこで、公的年金は積み立て方式ではなく仕送り方式(賦課方式といいます)を導入しているわけです。
そして、最も大切な事は、年金は仕送りですから、年金だけでは贅沢はできません。贅沢ができるほどの年金額を支給しようと思えば、その分だけ保険料が高くなります。つまり、現役世代の方の生活が苦しくなります。
老後生活と現役世代の生活のバランスがとれるように、保険料を給付額が決まるわけです。
つづきは来年でーす。
2015.12.21 掲載
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