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第20回 厚生年金と共済年金が統合。何が変わるの?-PART2-


厚生年金保険と共済年金が統合された。

という事は・・・65歳未満で、60歳まで公務員で60歳から民間企業に就職して働いている人は、特別支給の退職共済年金を受給しながら、厚生年金保険に加入していました。 受給している年金と加入している年金が別の年金となりますので、在職中であっても、殆ど支給停止になりませんでした。

ところが、平成27年10月1日に共済年金と厚生年金保険が統合されると、特別支給の老齢厚生年金を受給中の人が厚生年金保険に加入している事になります。

つまり、民間と同じ支給停止がかかる事になります。

具体的には・・・・・・・ややこしい計算式があるのですが、説明が面倒くさいので省略して(^^;

ほとんどの人は

お給料+(昨年のボーナス÷12)+年金の1カ月分

の合計が28万円を超える場合は、超えた額の2分の1が支給停止となります。

例えば、下記の【パターン(1)】の場合、

【パターン(1)】
 お給料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20万円
 昨年のボーナス30万円(15万円×2回)・・・・2万5千円
 年金の1カ月分・・・・・・・・・・・・・・・・・・10万円

上記の内訳(お給料20万円)の人なら合計は、

200,000円+25,000円+100,000円=325,000円

28万円を超えた額は

325,000円−280,000円=45,000円

超えた額の半額が支給停止になりますので

45,000円÷2=22,500円(支給停止額)

この額が支給停止になります。そして年金額は以下の計算通り、77,500円になります。

100,000円−22,500円=77,500円(年金額)

次に、もしお給料が10万円増えると年金は5万円減る事になります。

【パターン(2)】
 お給料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30万円
 昨年のボーナス30万円・・・・・・・・・・・・・2万5千円
 年金の1カ月分・・・・・・・・・・・・・・・・・・10万円

合計は、

300,000円+25,000円+100,000円=425,000円

28万円を超えた額は

425,000円−280,000円=145,000円

半額は

145,000円÷2=72,500円(支給停止額)

年金の支給額は

100,000円−72,500円=27,500円(年金額)

(1)と比べて(2)の方が5万円、支給停止額が増えました。

この計算式が、元共済組合で現在厚生年金の人には適用されなかったのですが、平成27年10月1日から適用される事になりました。これから受給権が発生する人はもちろん、現在受給中の人にも適用されます。

(1)の場合なら年金が月額で22,500円減ります。
(2)の場合なら年金が月額で72,500円減ります。

げろげろーーーーー
  急にそんな事言われたら真っ青になりますね。

しかも、1カ月だけではなく、65歳になるまでずっーーーーとですから、大変です。

まぁ、民間はそれでやってるンやから、民間にあわせて止めたらええヤンという意見もありますが、いくら何でもやり過ぎだろうという事で、激変緩和措置があります。

【パターン(3)/適用される緩和措置】
 あ)年金と給料の合計額の10%を支給停止額の上限とする
 い)年金と給料の合計額から35万円を引いた額を支給停止額の上限とする

この3つのパターンで計算して、支給停止額が一番低い額を支給停止額とします。支給停止の上限が決まっていますので少し安心ですね。

しかし、この上限額は既に年金を受給している人(平成27年9月30日以前に受給権が発生している人)に適用されます。平成27年10月1日以降に受給権が発生する人には適用されません。

つまり、同じ学年で同じ経歴で同じ給料であっても。受給権発生は誕生日の前日ですので、10月1日生まれ(9月30日に受給権発生)と10月2日生まれ(10月1日に受給権発生)で支給停止額が変わります。

同じ学年なのに不公平ですが、どこかで線を引かないと法律改正はできませんので、仕方がないと思ってください。

現在公務員で共済年金から厚生年金保険に切り替わった人は今後の人生設計が変わりますので注意してください。


2015.11.10 掲載

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