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武藤昌一のマイホーム相談

著者プロフィール
“マイホーム”は人生最大の買い物なのに、わからないことやトラブルがあっても、相談にのってくれる専門家は、あまり周りにいませんよね。
そこで、お助けマン登場!
家の新築、リフォーム、マンションの購入etc.……家に関する疑問・質問ならなんでも、一級建築士・武藤昌一氏が答えます!

「欧米では、持つべき友人は『医師・弁護士・建築家』と言われていますが、日本では『医師・弁護士・政治家』となっている現状がもどかしい限りです。私たちは自身の存在をもっとアピールして、頼りになる存在として、社会から認知していただかなければならないと思っています」(武藤昌一氏)

 

 

現在Aホームと契約を交わしマイホーム建築中です。
今日、内部の階段がついて2階を見たりとしてきましたが…
階段の幅がメーターモジュールでお願いしてましたが、910の一般サイズでの作りに。

いくつものモデルハウスなどまわり、階段は広くメーターモジュールのサイズがいいと最初の段階で話してました。しかし設計図には910で書いており、私たちは階段は広くとお願いしていて、そうなっているものだと思ってました。設計図を見てもよくわからないので、階段は広いですょねーと確認したときも大丈夫と話してました。

今日は階段の幅が狭いと担当の人に話したとき、
「もう今更変えるのは無理。仕方ない」と軽く謝られただけでした。
自分たちがこだわって考えただけに、もう家なんかいらないと思ってしまうほど焦燥感で…。
自分たちの確認不足も悪かったとは思いますが、こだわっていた階段のことは値引きゃそこらで諦めなくてはダメですか?

階段を直すということは耐震等級なども変わってくるので1からになりますょね。自分たちにも非があるから最初から無償でとかは無理ですょね?どのくらいの値引きなどをしてもらうのが妥当ですか?
値引きしてもらったとこで納得できるかもわかりませんが、アドバイスいただきたいです。


ご承知の通り、建物は設計図に基づいて建てられます。
階段をメーターモジュールでお願いしていたのなら、設計の段階で指摘できなかったのは、文面にもありましたが残念ながら、相談者様の落ち度と言わざるを得ません。

設計の段階では、階段以外にも、いろいろと打合せをされて変更事項などを確認しながら設計が進み、最終的に相談者様が全体を承認して、工事請負契約に至っていると思います。

つまり、階段の巾について、何度も確認する機会はあったはずで、それを逃して承認してしまったのは、とても残念としか言いようがありません。

私は法律の専門家ではありませんが、もし裁判になったときに、メーターモジュールをご存じの相談者様が、設計中に何度も図面を確認する機会があり、図面は910モジュールで書かれていたのに、なぜ設計中に指摘しなかったのかと、相手方は責任回避できてしまう。そんな気がします。

設計図の通り工事されていないのなら、裁判でも勝てるでしょうが、契約した内容通り、設計図通り工事が行われているものを、設計から変えさせるというのは、勝てるようには思えません。


次に、建築の技術的側面から考えてみます。

木造住宅の壁には、耐震壁と間仕切り壁(非耐震壁)があります。
耐震壁とは、地震や台風で建物が横に揺すられた時に、それに抵抗して倒れなくする壁のことで、斜めの筋交いという材料が入っていたり、構造用合板などで固められています。

間仕切り壁とは、部屋を仕切るための壁で、上部に梁などが乗っていない場合には、取り外し移動できる可能性があります。

また、階段の片側が手すりの場合は、移動して幅を広げられる可能性があります。どちらも、可能性というだけで、実際にできるかは、設計図や現場を確認しないと何ともいえません。

どうすれば広げられるか、それにはいくらくらい掛かりそうかなど、この場では何ともお答えできませんので、どうしても何とかしたいと強くお考えになるなら、お近くの設計事務所に相談されてはいかがでしょうか。


最後に、法律上では難しいのではないかとお答えしましたが、
だからといって何も方法がないわけではありません。

法的には問題がなくて、短期的には自社に不利益なことも、長期的に見れば利益があるとの経営的判断で、お客様の要望を建設会社が受け入れる場合があります。

ただしこれは、相手側の判断によりますので、基準のようなものはありません。あくまでも交渉ごとで、相手側にその気がない場合は、何も得られないこともあります。

ここで重要なことは、経営的判断ができ、それを実行する権限を持っている人と交渉することです。担当者ではその権限はないでしょうから。

ご健闘をお祈りいたします。



(2011年6月20日回答)



新築マンションを契約ずみ。現在建築中で、この夏入居予定です。

今回の地震の影響が心配です。

業者からもらった電話だと、「外壁は問題ない。建設会社と設計事務所と会社でどういう検査をするか考え中。結果は文書で送る」ということなのですが、そのまま任せておいてよいのでしょうか?
こちらでも行うべき対応があれば、教えてください。


大地震が来て、大津波の被害は別として、日本の建物は耐震性が良い事を再確認しました。
あれだけの揺れがありながら、地震で倒壊した建物が見当たらないのは、建築基準法による耐震基準の高さと、建設会社による工事品質の賜だと思います。

しかし、購入する側から見れば、どのような計算により設計され、どのような工事がなされたのか、今回の地震の影響はなどを知りたくなるのは、当然の心理だと思います。

ただし、それらを理解するためには建築の専門的知識が必要で、素人では判断のしようがありません。

そこでお勧めするのは、建築の専門家に委託する方法で、例えば、「マンション、検査」などで検索すると、検査をしてくれる会社がゾクゾクとヒットします。そのような会社は、主に、内覧会や引渡し検査などに同行して、購入者の代りに建物や設備を手際よく検査してくれるというものです。

マンションに特化した会社が多いので、素人では見逃してしまうようなところまで、よく見てくれると聞いています。マンションの販売会社によっては、嫌がられる事もあるようですが、マンションの販売会社は購入者に引き渡す前に、建物を検査して不具合があれば、建設会社に直させる責任を負っているわけで、代りに検査してくれるのは、むしろ助かる立場なのです。よって、専門家に検査させるのに、何の気兼ねも必要ないはずです。

販売会社の担当者に、「専門家を頼んだので、検査させて下さい」と申し出てみましょう。
もし、検査を嫌がる販売会社であったら、それこそ徹底的に、検査した方が良いかも知れません。


(2011年3月29日回答)



新築マンションの購入を検討しています。
いま、候補の部屋がエレベーターと隣接しています。不動産会社の営業の人は音は気にならないというのですが、エレベーターの音って本当にうるさくないのでしょうか。

あと価格の交渉ですが、上手な値切り方とかあれば教えてください。


そちらのエレベーターが、モーターによる巻き上げ式か油圧式か、この内容からでは判断できませんが、機械的なノイズが発生しやすい巻き上げ式にしても、気になるほどの音がエレベーターから出るとは考えづらいです。

エレベーターは防火壁で囲まれていますし、完成時には、建物とは別に専門の検査があり、騒音になるくらいレールや本体の具合が悪ければ合格しませんから。

もし音の問題があるとしたら、それはエレベーターそのものの問題ではなく、それを使う人の問題でしょう。エレベーター付近で声高におしゃべりしたり、エレベーターの扉や壁などをドンドンと叩く人が居たとしたら、騒音になるかも知れません。それでも気になるようでしたら、不動産会社の担当者にお願いして、実際に試してみたらいかがでしょうか。


それと、上手な値切り方とのご相談ですが、値切るという発想の前に、そのマンションが正しく施工されたものかを調べる方が大切かと思います。
賃貸マンションを借りるのではなく、分譲マンションを買うのであれば、建築の専門家に依頼して、建物や設備について調査してもらうことをお勧めします。

このような調査は粗探しをしているようで、不動産会社から嫌がられるように思われるかも知れませんが、実はそれは誤解で、もし不具合があるとしたら、それは本来なら不動産会社が調査してマンションを建設したゼネコンにクレームを入れて直す必要があるもので、その調査をお客がやってくれるのなら、むしろ不動産会社からしたらありがたい行為なのです。
当然ながら不動産会社でも、事前に調査しているはずですが、このようなことは人任せにせず、自分が依頼した専門家にしてもらう方が安心です。

また、マンションの場合は、設備や共用部分の管理、修繕計画と修繕積立金など、建物以外での要素も大切なので、依頼した専門家に相談されることをお勧めします。調査を引き受けてくれる専門家は、「新築マンション、調査」で検索すると見つかるはずです。

調査の結果、購入する段階になって初めて、値引き交渉となるわけですが、契約するのは、決算月が良いとか年末が良いとか話には聞きますが、担当者も人間なので、誉めてあげるようにすると良い条件が引き出せるのではないでしょうか。

それでは、ご健闘をお祈りいたします。


(2010年10月18日回答)



「エコキュート」「エコジョーズ」「エコウィル」の違いを教えてください。


「エコキュート」

深夜電力を利用した貯湯式給湯器をご存知でしょうか。
エコキュートは、その改良版といえばわかりやすいと思います。

改良した点は、電気ヒーターでお湯を沸かしていたのをCOを冷媒にしたヒートポンプにした点で、ヒートポンプの仕組みは、エアコンと同じで、空気中から熱を取りそれをポンプのように運んで、タンクの水を沸かすわけです。

ヒートポンプは熱効率が良いので、少ない電力で効率的にお湯を沸かすことができます。

熱を運ぶのは冷媒と呼ばれる物質で、コンプレッサーによる圧力で気体になったり液体になったりします。以前のエアコンでは、フロンという物質を使っていましたが、フロンは大気中のオゾン層を破壊するため、エコキュートではCOが使用されて います。

エコキュートは昼間でも作動させることはできますが、電力の安い深夜に作動させると効果的です。電力会社の契約を深夜に安いタイプの契約とセットにするのが一般的です。

エコキュートは、最近値引きがすごいのと、IH調理器具などと組み合わせてオール電化にすることで、人気があるのではないでしょうか。

難点としては、設置場所を取る事と、深夜に作動しますから、住宅密集地では騒音問題となる可能性があることです。


「エコジョーズ」

ガス瞬間湯沸かし器の効率を良くしたものです。
見た目、従来型の湯沸かし器と外観はそれほど変わりませんが、カタログでは13%の熱を回収するとのことです。

瞬間湯沸かし器なので、いつでも欲しいだけのお湯を作ることが可能で、貯湯式のように、沸かしたけど使わなかった時や、急に大量のお湯が必要になり使い切ってしまうような心配はありません。
コンパクトで低価格なのも特徴でしょう。


「エコウィル」

これは今までになかった住宅設備機器で、ガスを使ってエンジンを回し、電気を作ります。その時に出る熱を回収してお湯を沸かし貯湯タンクに溜めるものです。

お湯を作るだけでなく、電気まで作ってしまうわけです。

「エコキュート」が深夜に作動させるのと違い、こちらは電気料金の高い日中に作動させるのが理に適います。

たくさん発電してくれると、電力会社から電気を買う必要がなくなる気がしますが、発電出力は1kwですから、お湯を沸かすおまけ程度の発電量です。
よろしくお願いします。


「エコキュート」同様、場所を取ることが難点で、そのほか値引きがまだ少ないこと、エンジンの耐久性が未知数なことなどが挙げられます。

それではどれが一番良いかというと、イニシャル、ランニングのコストを分析した資料はまだ無いようです。
イエヒトの特集で、深く掘り下げてみたいと思います。

(2009年6月20日回答)



出窓の付いている部屋の床を畳にしてしまいましたがやはりおかしいでしょうか?
床をフローリングに変えた方が自然なのでしょうか?
他の方のお家でそんな方いらっしゃるのでしょうか?
マイホームを建てたはいいのですが、妙に気になります。


文面から察するに、洋間に畳を敷くのは不釣合いか?というご質問だと思われます。

和室は柱や鴨居が表しになる真壁であるのに対し、洋間はそれらが隠れた大壁で、見た目はただの箱のような形になりますから。日本古来の様式には当てはまらないことになります。それを気にしてのご質問かと思われます。

最近では様式にこだわらずに、洋間の一部に畳を敷いたり、あえて大壁の和室を造ることも珍しくはありません。

ただし、どんな部屋に畳を敷いてもかまわないわけではなくて、設計者としてその時に気をつけることがあります。それは、畳を敷いた場合とフローリングを張った場合の生活の違いで、畳に直に座る場合と、いすやソファーで生活する場合の目線(体)の高さを間違えてはならないことです。

目線の高さにより、窓からの景色が一変します。
体の高さは、テーブルや棚の高さ、コンセントやスイッチの高さにも係ってきます。

その辺りが畳を敷くことで影響されますので、よくご検討ください。

先日法事で、ある立派なお寺に行ったのですが、本殿のお釈迦様の前で参列者は、畳の上に並べられたいすに座ってお参りしました。
足がしびれなくて助かったのは事実ですが、畳に置かれたいすに座るのは流石に違和感を覚えました。

(2009年6月20日回答)



今度27坪の家を新築予定で、工務店や設計の先生と打ち合わせを続けています。
木造軸組みで、一人の大工で仕上げていきます。
だいたい形ができてきたのですが、まだ細かいところを決めていかなければなりません。

古民家風の家を建てる予定で、室内の建具はすべて骨董品を買い揃えました。
既製品の建具ではないので、高さを調整したり、建具に合わせて枠を作る必要があります。
少しの追加料金で、大工さんに取り付けてもらえるのだと思っていたら、軽く100万円を超えると言われたので、大工さんに取り付けてもらうのはやめ、室内建具は家が完成してから後付で取り付けることにしました。自分で建具屋を探して、50万円ほどで高さも調整してかねばも修正してもらい、取り付けてもらえることになったので。

開口部に指定するサイズに木枠を付けてもらうか、木枠もない状態の開口部だけを開けてもらうかで、考え中です。最初は、枠だけを大工さんに作ってもらうという話でしたが、かなり日にちが経ってから一部見積りを見せてもらう機会があり、建具を取り付けなくても、枠を作って取り付けるだけで数十万円の追加料金が発生するということでした。

そこで、木枠もない状態の開口部でクロス仕上げにするという提案が、工務店の建築士から出たのですが、建具屋に相談すると、それでは枠との間に隙間ができてしまって綺麗な仕上がりにはならないし、将来壁紙を張り替えようと思ってもドアも枠も全て取り外さないと古い壁紙が残ってしまう。枠を作るのは大工の仕事だし、できれば作ってもらったほうが良いということでした。

標準に指定されているのはパルの建具なのですが、標準で付く予定だったパルの建具の料金は返してもらうことになっているのですが、枠の料金や標準の建具を取り付けるはずの大工さんの手間賃の話は工務店側からは出ていません。手間がかからないから、早く完成しそうだと言っていましたが・・・

支給品の建具を取り付ける場合、大工さんの手間賃が別途で発生するなら、標準の建具を取り付ける手間賃も基本料金の中に含まれていると思うのですが、こういう場合、返してもらえるものなのでしょうか?

勝手口のドアも標準で付いてはいるのですが、狭い家なので必要ないと言いましたが、勝手口のドアの金額も見積りでは返ってきてないです。

標準仕様で使わないものは、建具だけではありません。
風呂の坪庭(防犯上見通しが悪くなり良くないと思ったので、杉板で高い塀を使って坪庭を作るのは止めてもらいました。)押入れ、クローゼット、(自分で好きなように棚を作りたいので) 床の間(こちらも、自分で好きなように作りたいので空間を空けて貰う様にしています。)和室建具の戸襖、押入れの戸襖、内障子の荒格子、は全て工務店が指定する建具屋での製作品となっていて、値段はまったく分かりません。値段を聞くと、デザインが決まってから見積りすると言われて、標準的にいくらかかるかも教えてもらえませんでした。

最初営業から、使わなければ、そのぶんのお金は返ってくると説明を受けていて、節約のため、フローリングを自分で貼った人もいると聞いていました。できるだけ節約したいので、自分で作れるところは自分で作っていこうと考えていたのですが・・・既製品の建具も気に入らなかったので。

これまでに不信に思えることがあったので、近いうちに時期を見て話してみようと思っているのですが、一般的な相場が分からないので、もし分かれば考えをまとめて話し合いたいと思っています。

最初は、窓の木枠も標準では付いていなくて、クロス仕上げだと聞いていました。
そして先日、銀行のローンの話し合いで社長と話をする機会があり、窓の木枠の話をしたのですが、最初は木枠は付いていないという表現でしたが、途中から、うちは標準で付いていると言いかえたように思えました。私が、窓の木枠は付いていて当然のもので、最近では建売住宅で詐欺のようなことをしているという話をしたせいかもしれませんが。三方はクロス仕上げで下の木枠だけ付いていて、両端はカーテンが標準で付いている、だから窓の木枠がないことが分かりにくい・・・そういう建売住宅があるという話をしました。

あとは最初、窓の木枠は付いていないと聞いていたので、木材店を指定して、そこで材料を仕入れてほしいとお願いしていました。見積りを見て、単価が少しおかしいと思ったので、指定している木材店に問い合わせてみましたら、工務店の単価の見積りは、枠材と宅急便代を合わせたものとほぼ同じだと分かったのです。26本注文することになっているのですが、「(枠材+宅急便代)×26」という金額になっていました。そのことを木材店に問い合わせたら、5万円以上の場合は送料はかからないということでした。

巾木と廻り縁も標準ではなく、大きなものを付けてもらいたいので材料を仕入れてもらうことになっています。杉材で、巾木 40000×90×24、廻縁 40000×60×30の予定でしたが、巾木 40000×60×21、廻縁 40000×30×30に変更してもらうことになっています。

こちらはどこの木材店で見積りを取っているのか分かりませんが、窓の木枠を仕入れる予定の木材店に指定するつもりです。そうすれば、加工と仕上げは指定する木材店でしてもらえて、大工さんに加工と仕上げをお願いする必要がなくなるからです。工務店からは、大工さんに指定の寸法に加工してもらわなくてはいけないと言われていましたが、木材店で加工も仕上げもしてからの納品になると、木材店に問い合わせて始めて知りました。

窓の木枠と巾木と廻り縁にかかる金額を計算すると、今のままでは50万円近く余分な金額を請求されているようです。金額が大きいので、この話も慎重に進めないと、どこか別のところで金額を上乗せされるとか、ごまかされるのではないかと思っています。

展開図のことでも、いまだに疑問に思っています。
以前、うちと同じように展開図を描いてもらった家があるらしく、うちの担当ではない設計事務所の仕事らしいのですが、展開図だけで100万円超えたらしいです。ですが、うちは特別に10万円で描いてもらえることになったと言われました。設計料は40万円です。ちなみに、部屋の予想図は、私が細かく寸法も考えて描き、たくさん資料を渡しています。30坪くらいだったと思いますが、一般の家で100万円超える展開図ってあるのでしょうか?

あと、家が完成してから自分で腰壁を付けたいと思っているのですが、間取り図を見ると、壁の角の部分に下地材は入ってないように見えるのです・・・私は素人で見方がよく分かっていないと思うので、思い違いならいいのですが・・・今度の打ち合わせのときに確認するつもりですが、下地材を入れる場合、数箇所程度なら標準で入れてくれるそうなのですが、数が多い場合はオプションになるそうです。材料費だけで済むだろうとは思っているのですが、壁の角の部分には下地は入っているものなのでしょうか?標準仕様は柱はすべて4寸柱で、45cm間隔で間柱が入り、石膏ボードは12.5mmです。

今のところ、かなり予算オーバーなので、もし大工さんの手間賃を返してもらえるなら、フローリングも自分で貼ろうかと考えています。もし返してもらえる場合、一般的にどれくらいになるか分かりますか?

因みに、ここの工務店は、テレビ番組のビフォーアフターと関わりのある工務店だと宣伝しています。
事実かどうかは確認していないので分かりませんが。

長々と書いてしまって申し訳ありません・・・
大工さんの手間賃の相場などについて、もし分かるなら教えてください。
よろしくお願いいたします。


大工の手間賃の相場を知りたいとのご相談ですが、問題の本質はそこではないと私は思います。

手間賃だけの問題なら、労働者職種別賃金調査が厚生労働省により行われ、ホームページで公表しています。

それによると、大工は日額14,000円程度です。
ただしこれは、雇用されている大工が会社などから貰う賃金で、建て主が建築会社に支払う場合は経費が上乗せされるので、その1.5〜2倍程度が大工の相場になるものと思われます。

私が問題の本質と思えたのは、素人であるご相談者の味方になる建築の専門家がいないことです。

契約したときは味方だと思っていた建築会社は、実は味方ではなかったとお気付きになられたようですが・・・。実はその通りです。工事を発注する建て主と、工事を請負う建築会社は、利害が相反する関係です。

また、常時工事を行っている建築会社と、一生に一度の建て主では、子供と大人ほどの力の差があり、まともに喧嘩しても建て主に勝ち目はありません。

「建具の取り付け手間を返して。」と言っても、「既製品の建具の見積りには、取り付け手間まで入っていたので、建具の金額しか返せません。」と、言われてしまえばそれまでです。

窓枠のあるなしにしても、契約のときの図面ではどうだったのでしょうか。設計料が40万円ほどということなので、そこまでの図面はなかったのでしょうね。

家づくりで、建て主の味方をするのが設計事務所の仕事です。
ただし、建築会社が連れてきた設計事務所は、残念ながら建て主の味方ではなく、建築会社の味方です。

なので私は、設計施工を建築会社にお任せするのではなくて、設計と工事監理は施工と分けて設計事務所と契約することをお勧めしています。

ご相談者の場合は以下の2通りになると思われます。
1.ダメ元で、建築会社と交渉する。
2.建築の専門家を味方につけて、建築会社と交渉する。

1.の場合は、相手の誠意に期待して、ダメな場合はあきらめる方法です。完成後の対応も考えれば、あきらめるのも悪いことではないと思います。

2.の場合は、親戚や友人知人に専門家はいないか、いなければ、建築士会などに相談して、引き受けてくれる建築士を探し、建築会社と交渉することになります。

多少の費用と労力が必要です。費用対効果は未知数です。
いずれにしても、交渉事は骨が折れます。最初から設計事務所を味方につけておけば、労力や気苦労は最小限で済んだものと思われます。残念です。

問題が無事解決されますように。

【P.S.】
フローリングをご自分で施工されるのはお勧めできません。
不陸や床鳴りなど、フローリングは簡単ではありません。
それと、足腰に相当な自信がないと・・・、体がもちません。
(やった人でないと、わからないことですが・・・。)
(2009年6月13日回答)



新潟の地震で、古い木造住宅がつぶれ、お年寄りが亡くなったニュースが他人事とは思えませんでした。
私の両親も、30年ぐらい前に建てた木造住宅に住んでいます。
田舎の大工さんが手がけた木造住宅なのですが、木造住宅というのは、一般にどのぐらいで壊れやすくなるのでしょうか。


地震や台風などの被害を見ると、建築に携わっている身としては凍りつく思いがします。

本当に他人事ではありません。狭い日本ではどこにいても、被災する可能性はありますから。

公共建築物や不特定多数が出入りする建物では、自動車に車検があり定期点検が義務付けられているように、定期点検をして役所に報告する義務があります。
ところが、住宅にはそれがありません。
ただし、義務がないからといって必要がないわけではなく、適切なメンテナンスはどんな物にも必要で、それが安全性を高め寿命を長くすることは明らかです。

また、建物の耐震基準は時代と共に見直されていますので、30年前と今とではかなり違った内容になっています。
アドバイスとしては、信頼できる建築士に耐震診断を依頼されたらいかがでしょう。
地域によっては、自治体が補助金を出しているところもあります。

各県の設計事務所協会または建築士会などが、その窓口になっています。
お問合せされたらと、強くお勧めいたします。
(2007年8月9日回答)



「建築主(施主)が、工事を工務店(建設会社)に一括で発注するのではなく、大工、左官屋、板金屋、電気屋などの専門工事業者(職人)に直接発注する」という『オープンシステム』を支援していらっしゃるそうですが、素人には、どの大工さんが腕がいいとか、悪いとかいうのがわかりません。どうやって選べばいいのでしょうか。


オープンシステムへの問合せありがとうございます。

業者選定は、依頼される設計事務所に理由も含めて判断を仰いだり、一番良いのは、その職人さんが今までに手掛けた仕事を見せてもらうことでしょうか。

どの業者に決定するかは、正直、見積金額だけでは判断できません。
安かろう悪かろうは論外ですから。

見積もりと、実績と、スタッフの数・レベル、人間性など、いろいろな視点から判断して、設計者と建て主が納得できる業者を選ぶことになります。

このプロセスは一見簡単そうですが、実はかなりの時間を要します。
2ヶ月以上かかる事もあります。それだけ重要だということです。
なにせ、現場で仕事をするのは彼らですから。
(2007年8月9日回答)



新築マンションに引っ越したとたんに、化学物質過敏症になってしまいました。
引越しを考えているのですが、化学物質が少ない家というのは、どうやって見分ければいいでしょうか。


大変お気の毒だと思います。

幸いなことに、私は化学物質過敏症ではありませんが、知り合いの方からの話によると、化学物質過敏症になってしまうと、ダメな家は入ればすぐわかるとのことで、それも、夏の暑い日に、窓を閉め切っている部屋はてきめんだと教わりましたので、夏ではなくても天気の良い日に、窓を閉め切っておいて、部屋に入ればわかるのではと思います。

なにか、人体実験のようで申し訳ありませんが、人によっては反応する 物質が違うようですから、実際の部屋で試してみるのが一番かと思います。
※人によっては天然の物質(ヒノキ・ヒバ・スギ)などにも過敏に反応する方もいらっしゃいますので、やはり試すのが一番かと。

反応する物質が特定されているならば、計測することはできますし、それを仕事としている業者もおります。

化学物質は目に見えませんので、見分ける方法としては上記に挙げた方法くらいかと思います。セールスマンの話だけで決めないようにアドバイスいたします。

(2007年7月9日回答)



新築マンションを購入の際に、地震対策がそれぞれされていると思いますが、どういう対策をとっているマンションを購入すればいいですか?


地震についてのみ考えるとしたら、地盤の強固な場所に建っているものに勝るものはありません。

耐震基準や対策は、所詮人間が考えたもので、自然の偉大さには足元にも及ばないことを、地震災害が起こるたびに思い知らされます。事実、建築基準法の耐震基準は、大地震の都度、新基準が書き加えられた経緯があります。

ただ、残念なことに、マンションを建てるような都市部は、概して地盤が弱いので無い物ねだりを言えない状況です。

近年、コンピューターの普及と共に、かなり詳細な構造解析と耐震対策が可能となり、地震により崩落・倒壊してしまう建物は少なくなりつつあります。これは大地震による被害状況により、新耐震基準による建物の安全性は証明されています。

※この安全性は、建物が無傷で残るという意味ではなく、地震により多少の被害はあっても、崩落・倒壊まで至らずに、生命に支障が出ないという捉え方です。

最近では、免震構造や制震構造の建物が増え、それらが正常に機能すれば地震に対して極めて有効であると思われます。ただしこれらも、周囲の設備配管や地面と接する部分まで無傷とは言い切れないので、大地震のときも全く被害が及ばないと考えるのは早計であると思われます。

いずれにしても、日本で暮らす以上は、どこでも地震災害に遭うリスクは避けられそうにありません。建物のみではなく、総合的な視点に立ってどこに暮らすのが良いのかを考えるべきだとアドバイスいたします。

(2007年6月27日回答)



中古マンション購入を考えてますが、「自主管理」となっているマンションは辞めたほうがいいですか? 築何年までOKですか? 


「自主管理」とは、「自主管理組合による管理」と拝察いたします。

大手デベロッパーが開発したマンションなどは、子会社の管理会社による管理がセットになっている場合が多く、それとの比較分類で「自主管理」という表現がなされているものと考えます。

もっとも、デベ子会社の管理にしても、形式的には、住民による管理組合の承認の下に管理を委託されているわけで、住民の意思によっては、管理会社を変更することも不可能ではありません。

さて、ここで問題なのは、「自主管理」でも安心か?という問題で、これは一概には、お答えできない内容です。

大丈夫なところもあれば、問題なところもあるでしょう。

購入の前に、(できれば建築の専門家を伴って)実際のマンションの状況を調査することをお勧めいたします。

調査する内容は、購入予定の部屋だけでなく、全体の構造・設備・防水・塗装に問題はないか、駐車場・植栽・フェンスなども管理されているか、などを目視や触診による検査のほか、管理組合で、設計図面・構造計算書・工事記録・修繕履歴の記録などが保存されているか、その内容は妥当か、修繕積立金の総額と修繕計画はどうなっているかを確認すべきです。

「築何年までOKですか?」のご質問も一概にはお答えできませんが、一般論として、1981年(昭和56年)6月に、建築基準法の耐震基準が新しくなりましたので、それ以前のマンションは避けたほうがよろしいかと思います。

(2007年6月11日回答)



2年前にマンションを購入しました。外見は立派なマンションなのですが、上の階の人の物音が異常に響きます。まるで安い木造アパートに住んでいるようです。どこかに手抜き工事があったのではないかと思うのですが、それを調べる方法はないでしょうか。また、上の階からの騒音を解決する方法はあるのでしょうか。


上階の物音とはいったいどのような音でしょう。

気になる音は、足音や物を落したような音、椅子を引きずる音、配管に水が流れる音、テレビやステレオの音、話し声などがありますが、どの音でしょう。
また、上の階の人が特別な暮らし方をしている?わけではありませんね。

程度がわかりませんので、一般論としてお答えいたします。

テレビやステレオの音、話し声など、空気を伝わってくる音を遮断するには比重の重い材料で塞いでしまうのが効果的です。

鉄筋コンクリートのマンションは、比重の重いコンクリートの床や壁などで囲まれていますから、大きな穴が開いていない限り、それらの音は遮断しやすい構造になっています。

ただし、この比重の重い構造体は、それ自体が振動すると音を伝え易いものですから、足音や物を落したような音、椅子を引きずる音、配管に水が流れる音などが、構造体に直に加わると、構造体を介して音が伝わります。

設計ではそうならないように、フローリングの下などにクッション性のある材料を敷くなどして、音が直接構造体に伝わらないようにしていますが、そのマンションではどうなのでしょうか。

また、そのような苦情は、そのマンション全体にあると思われますので、管理組合ではどのようにしているのか確認されるのが良いと思います。

管理組合には、設計図面や構造計算書、修繕の履歴記録などがあると思いますので、できれば建築の専門家を伴って調査されることをお勧めいたします。

建築の専門家は、各都道府県の建築士会、設計事務所協会などに相談すれば、紹介していただけます。
また、私に直接連絡いただければ、ご紹介いたします。

(2007年6月3日回答)


著者プロフィール
武藤 昌一(むとう しょういち) : 一級建築士。イエヒト副編集長。1956年千葉県生まれ。日本大学生産工学部建築工学科卒。 千葉県内のゼネコンに勤続12年、その後設計事務所開設。1999年オープンネット正会員。2002年オープンネット(株)非常勤役員。2003年オープンネット(株)常勤取締役。学校、庁舎、文化施設、福祉施設、テナントビル、寺院、レストラン、マンション、斎場、工場、倉庫、住宅など設計実績は多数。
座右の銘:「為せば成る」  
心情:「努力が報われる世の中に」
趣味:ドライブ、ゴルフ、アウトドア   
家族:妻、子4人、両親と2世帯住宅


2006年オープンネット大賞受賞作品『竹林風洞』
2006年オープンネット大賞受賞作品
作品名:『竹林風洞』
設計者:アーキシップス古前建築設計事務所 古前 極 氏
オープンネット株式会社  
http://www.open-net.jp/
所在地:鳥取県米子市  代表取締役:山中 省吾
 
建築主(施主)が、工事を工務店(建設会社)に一括で発注するのではなく、大工、左官屋、板金屋、電気屋などの専門工事業者(職人)に直接発注することで建築する『オープンシステム』を採用する全国の建築設計事務所(建築家)を会員として集め、それを支援する会社。

オープンシステムでの建物は、住宅を中心に年間400棟以上建設され、累計では2300棟以上の実績があります。 オープンシステムでの建築は、建築コストがガラス張りになるだけではなく、施主のこだわりが実現でき、建築家の限界を広げ、職人の腕前が発揮される方法で、個性的で豊かで確かな建物が生み出されています。

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