ロゼッタストーン コミュニケーションをテーマにした総合出版社 サイトマップ ロゼッタストーンとは
HOME > 未来総理 > バックナンバー > 第125号
バックナンバー
←次の号を読む 前の号を読む→

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2005年2月28日発行  ━

●━━ 若手国会議員メルマガ 『未来総理』 第125号  ━━━━━━●

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 早いもので、今日で2月も終わりです。寒くなったり温かくなったりし
つつも、これからどんどん春らしくなっていくのでしょう。新潟の人たち
も、雪下ろしの負担が減り、少しはラクになるのでしょうか。
 今回は、民主党の鈴木康友議員から「日本の油田開発」について、自民
党の有村治子議員から台湾についての連載原稿が届きました。日頃は考え
る機会の少ないテーマですが、日本にとって重要な問題です。

   ┏━━[ PR:★季刊ロゼッタストーン第20号 好評発売中! ]━┓

      ●大特集「人間関係があなたを創る」

   ミスター円・榊原英資氏や、評論家・中島梓氏、表現インストラ
   クター・山田ズーニー氏らが、日本の「人間関係」の問題点や
   希望を語っています。未来総理の西村康稔議員(自民党)、
   鈴木康友議員(民主党)、松下新平議員(無所属)にも「政治と
   人間関係」についてインタビュー。

      ※詳しくはこちら ⇒ 最新号のみどころ

  ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  目次
────────────────────────────────☆★
■「日本の油田開発」
         鈴木康友(衆議院議員・民主党・比例東海)

■「台湾との『実務外交』――日本のことを大事に想ってくれる隣人を、
    心して大事にしたい」
    ●連載その(3) 台湾海峡は日本の生命線
       有村治子(参議院議員・自民党・比例)

◎編集後記
◎次号予告
◎未来総理メンバーの紹介

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 「日本の油田開発」
        鈴木康友(すずきやすとも・衆議院議員・民主党・比例東海)
──────────────────────────────────
 島国の日本にとって、食糧、エネルギーの確保、安定供給は、極めて重
要な国家課題です。特に中国、インドといった人口超大国が高い経済成長
を始めており、世界が資源争奪戦の様相を呈する中、日本も遅れをとるこ
とは許されない状況にあります。今回のテーマの石油は脱石油と言われな
がらも、相変わらず資源エネルギーの中心的な役割を果しています。今回
は、日本がイランで行おうとしている油田開発を例にとり、石油開発の問
題に触れてみたいと思います。

 日本はこれまで石油公団を中心に油田開発を行ってきました。油田ごと
に開発会社をつくり、その会社には多くの官僚が天下りをし開発をリード
してきました。税金や公的資金が湯水のごとく投入され、石油が出ても出
なくても関係ないという風に開発を進めてきた結果、気がついたら公団に
は多額の債務だけが残ってしまいました。

 そこでこれまでの反省に基づき、公団を独立行政法人に組織変更し、官
主導から民間主導で油田開発を行うことができるように改革を実行しまし
た。しかし油田開発は多額の投資を必要とし、リスクも大きいので、全く
民間任せというわけにもいかず、リスクマネーの供給(新しい独立行政法
人が資金を出す)、債務保証などのしくみは残しました。今後は、乱立し
ている開発企業を整理統合しながら、メジャーといわれる欧米の巨大な開
発企業に伍していける企業を作ることを目標にしています。

 そもそもメジャーといわれる企業が、1000に3つといわれる油田開発で
成功している理由は、リスクが大きいと判断をしたら早々に見切りをつけ
撤退をし、反面見込みがありそうな油田には投資を集中するという、しっ
かりとした取組み戦略があるからです。日本もこうしたメジャーの取組み
の姿勢を見習わなければなりません。

 日本は昨年、イランのアザデガン油田という巨大な油田開発の権利を取
得しました。サウジアラビアでカフジ油田の権益を失って以来の大型案件
であり、日本は飛びついてしまいました。一見よさそうに見えるこの油田
開発もいくつものリスクを抱えています。それらを軽減する努力をする、
あるいは最悪の場合、撤退も視野に入れておくということでなければ、こ
れまで日本が失敗してきた徹を再び踏むことになりかねません。

 アザデガン油田のリスクは大きく2つあります。

 第1は皆さんもご承知の通り、イランという国の持つカントリーリスク
です。イランの核開発疑惑については、世界中が懸念を持っていますが、
特にアメリカは軍事的手段の行使も含めて、イランに対して強行姿勢を崩
していません。米イラン関係を改善しないと、巨額投資を行うにはあまり
にカントリーリスクが大きいと言わざるをえません。

 第2は契約形態です。イランと日本企業の間で結ばれた契約はバイバッ
ク方式と言われるもので、日本が投資を行って原油を掘りだしても、原油
自体の所有権はイランに帰属し、ある一定期間に、一定量の原油を現物支
給されるというものです。開発が遅れた時のリスクや市場のリスク、商品
価値のリスクなど、ほとんどのリスクは日本が背負うことになる極めて不
利な内容です。このバイバック方式がネックとなって、メジャーなどは軒
並みイランの油田開発から撤退しています。

 資源開発、特に油田や天然ガスの開発は、リスクが大きいので、慎重に
対応しなければなりません。逆にやると決めたら性根をすえて国をあげて
取組まなければなりません。アザデガンのケースで言えば、まずイラン、
アメリカそれぞれに有効な関係を有している日本が、両者の間に立って積
極的に核開発問題を解決する努力をし、投資のネックとなっているカント
リーリスクを軽減することが必要です。またメジャーや諸外国と連携して、
バイバックという一方的で不利な契約内容を変えさせる努力もしなければ
なりません。生半可ではリスクの高い油田開発はうまくいきません。

 ★鈴木康友ホームページ http://www.yasutomo-net.com/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■「台湾との『実務外交』――日本のことを大事に想ってくれる隣人を、
  心して大事にしたい」 連載その(3) 台湾海峡は日本の生命線
           有村治子(ありむらはるこ・参議院議員・自民党・比例)
──────────────────────────────────
 日本が中国と国交を結んで今年平成17年で33年になりますが、日本の立
場から見た「日中国交」33周年は、台湾の立場から見ると「台日断交」33
周年と表現されます。中国・台湾は「二国間関係」ではなく、「両岸関係」
と表現されますが、台湾海峡をはさむ両岸(中国・台湾)の、異なる利害
関係や主権に対する思いを、これらの言葉から、感じ取ることができます。
近ごろ、中台間の緊張が多々報じられる通り、中国・台湾の政治的な対話
は中断されており、対話再開のメドがたっていない状態が続いています。

 昨年11月に、中国の原子力潜水艦が、日本の領海を侵犯する事件が起き
ました。海上自衛隊は、監視していることが相手に気づかれにくい通常の
パッシブソナー(無音の探知機)ではなく、相手に対して不快な音を発信
しつづけるアクティブソナーを使用し、中国原潜に対し「日本が監視して
いることを積極的に知らしめる」異例の姿勢で臨みました。

 断続的に50時間以上続いたこの対応によって、専門家の間でも改めて浮
き彫りになったことは、(1)領海侵犯が中国の意図的な作戦行動と見られ
ることと、(2)原子力潜水艦の乗組員が、予想以上に高度に訓練された技
能・精神力を持つ軍人の集団だという事実です。日本領土の基線からたっ
た12マイルしか離れていない領海内に無断で侵入し、しかもこれが士気の
高い軍人が操る原子力潜水艦だったという事実は、私たちが決して見過ご
してはならない情報です。

 「領海侵犯」は、「主権の侵害」と表裏一体の問題だと私は認識してい
ます。中国測量船による日本近海でのたび重なる調査や、日本の直接的な
損害が懸念される天然ガス田の開発においても、日本の再三にわたる抗議
に対して、中国は実質的な謝罪表明・行動修正をしていません。これら日
本周辺での中国による活発な海洋活動の背景には、政治的に対話が中断し
ている台湾に「にらみ」をきかせて台湾独立派を牽制し、台湾海峡が有事
になったときの米軍空母への対抗を想定して偵察・演習を続けていると解
釈する向きもあります。

 中東から日本に輸入される原油は、そのほとんどが、台湾海峡か、台湾
をはさんだ向かい側のバシー海峡を通ります。日本にとって不可欠な海路
である台湾海峡の「波風を立てない」(=中台関係を安定させる)ことは、
まさに海洋国家・日本の生命線であり国益です。この台湾海峡の一方の岸
に、民主主義と、自由主義経済という私たちにとって根幹的な価値観を共
有する台湾が位置し、世界で最も親日的だと言われる国民感情を抱いても
らっていることは、日本にとって、とても幸運なことです。

 エネルギー資源の多くを中東に頼らざるを得ない日本の立場を考えれば、
台湾海峡と台湾の安定が、わが国にとって地政学的にも、安全保障上も、
非常に大きな戦略的意味を持つことを、私たち日本人がもっと認識する必
要があると考えます。

 ★有村治子ホームページ  http://www.arimura.tv/

┏━━[ PR:★ロゼッタストーン新刊書籍のお知らせ★ ]━━━━┓

      ●『嫌われ者のすすめ』(加藤昌史著)

    人気劇団キャラメルボックスプロデューサーの痛快
    エッセイ。病院・少子化・税金・交通戦争・開かずの
    踏切・子育て・レーシック手術etc.……。辣腕演劇プロ
    デューサーが思いついた、過激な世の中改革案!

     詳しくはこちら ⇒ 嫌われ者のすすめ

 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 編集後記               弘中百合子(ロゼッタストーン)
────────────────────────────────☆★
 地球温暖化については、誰もが知識としては知っていますし、異常気象
が続いたりすると不安にかられることもあります。ところが、実際に快適
な生活を手放すとなると、なかなか難しいものです。寒がりの私は、つい、
エアコンの温度を上げてしまったりします。

 石油についても、限りある資源ということはわかっているのに、オイル
ショックの時のような危機感がありません。

 不正や無駄は、いつもみんなが無関心な隙をついて行われます。油田
開発についても、もっと国民が関心を持つべきなのでしょうね。

 といっても、忙しい毎日のなかで、すべての問題に目を光らせるのは不
可能です。「未来総理」たちには、これからも私たちが忘れがちな重要な
問題を、どんどん提起していってもらいたいと思います。

「未来総理」へのご意見、ご質問は souri@rosetta.jp までお気軽にどうぞ。
 ※掲載を希望されない方、実名をご紹介してもかまわない方は、ひとこと お書き添えいただけると助かります。また、ご意見を紹介してもよい場 合は、年齢、職業なども書いておいていただくと、参考になります。 ご協力、よろしくお願いいたします。 ★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  次号予告 ────────────────────────────────☆★  次回の配信は、3月7日です。  大村秀章議員(自民党) 丸谷佳織議員(公明党)  山井和則議員(民主党) 長島昭久議員(民主党)  中根康浩議員(民主党)  が登場する予定です。  ※登場する議員は、変更する場合もあります。ご了承ください。 ◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  未来総理メンバーの紹介 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆  「未来総理」には、超党派の29名が参加しています。   (敬称略) ◇衆議院   石破 茂(自民党・鳥取)    上田 勇(公明党・神奈川)   大村秀章(自民党・愛知)   吉良州司(民主党・大分)   楠田大蔵(民主党・比例九州) 近藤昭一(民主党・愛知)   近藤洋介(民主党・比例東北) 鈴木康友(民主党・比例東海)   達増拓也(民主党・岩手)   樽井良和(民主党・比例近畿)   樽床伸二(民主党・大阪)   手塚仁雄(民主党・東京)   中塚一宏(民主党・神奈川)  中根康浩(民主党・比例東海)   長島昭久(民主党・東京)   西村康稔(自民党・兵庫)  福島 豊(公明党・大阪)   三日月大造(民主党・滋賀)   細野豪志(民主党・静岡)   丸谷佳織(公明党・比例北海道)  山井和則(民主党・京都)  ◇参議院   荒木清寛(公明党・比例)   有村治子(自民党・比例)   小池 晃(共産党・比例)   小林 温(自民党・神奈川)   桜井 充(民主党・宮城)  福島瑞穂(社民党・比例)   藤末健三(民主党・比例)   松下新平(無所属・宮崎) 詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、 ロゼッタストーンWEBページで公開しています。⇒ 未来総理プロフィール 各議員のホームページにもリンクしています。 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● 〒171-0021 東京都豊島区西池袋5−27−9−101 株式会社ロゼッタストーン 発行人・編集人:弘中百合子 Copyright(C) ロゼッタストーン 許可無く転載することを禁じます ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ━━━━━━━ 若手国会議員メルマガ『未来総理』(毎週月曜配信) ━
←次の号を読む 前の号を読む→
未来総理配信登録
上に戻る▲
Copyright(c) ROSETTASTONE.All Rights Reserved.