「未来総理」バックナンバー バックナンバー一覧

←次の号を読む 前の号を読む→

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2003年5月5日発行 ━

●━━ 若手国会議員メルマガ『未来総理』 第35号 ━━━━━━━━●

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ゴールデンウィークも今日で終わり。みなさまは、素敵な連休を過ごせま
したか?

 今回は、かつて、三和総合研究所に勤めていた細野議員の「経済政策」で
す。だんだん本格的になってきたので、「未来総理」たちも、後になるほど、
原稿を書くのが大変だろうなあと思います。

 読者の方からの感想は厳しいものが多いですが、期待されているゆえの
「愛のムチ」だと受け取っています。できるだけご紹介していきますので、
これからも、よろしくお願いします。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━[PR]━━━━┓

   ★★★季刊ロゼッタストーン第13号 4月9日発売!★★★

  ●大特集「ハンディキャップに負けないで」
   吉行あぐり、大平光代、ホーキング青山、島田律子、高橋がなりらに
   インタビュー。どんな逆境でもきっと乗り越えられる…そんな元気が
   出てくる1冊です。「未来総理」も何人か登場しています!

  ※詳しくはロゼッタストーンホームページhttp://www.rosetta.jp

 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  目次
────────────────────────────────☆★
 ◎「経済政策」
  ▼細野豪志(民主党・衆議院議員・静岡・31歳・当選1回)

 ◎「春名議員と、上田議員の経済政策」について、読者からのご意見

 ◎編集後記
 ◎次号予告
 ◎未来総理メンバーの紹介

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■「経済政策の目標の転換を」
         細野豪志(ほそのごうし・衆議院議員・民主党・静岡)
──────────────────────────────────
 学生時代に政治家を志した私は、政策を策定する能力をつけるべく、
(株)三和総合研究所に入社しました(政治家になるまでの思いを「パラ
シューター」(五月書房)にまとめましたので、是非、ご覧ください)。研
究員として在籍していた一時期、経済予測を担当していました。今回は、そ
の経験をもとに、中長期的な視野にたった経済政策の転換を提案したいと思
います。

1.経済の政策目標の公共から民間への転換

 「景気対策=公共事業」→「財政赤字の累積」という悪循環を立ちきり、
日本経済を復活させるために、経済政策の目標自体を変えることが必要だと
いうのが私の持論です。景気の予測をしていたときに、いつもむなしさを感
じたのは、公共事業を積み増せば、その分は確実に成長率が上昇することで
す。前提が変わると、当然、成長率の予測値は変わってきます。

 政府は、GDPの成長率を至上命題として、公共事業に頼ってきました。高
度経済成長期を経て、社会資本の整備が進んだ結果、公共部門の民間部門に
対する波及効果が薄れているだけでなく、公共部門が民業を圧迫しているケー
スも多数見られます。財政赤字の累積を考えると、公共部門に税金を投入す
ることによりもたらされる経済成長に持続性がないことは明らかです。

 本来、日本経済の力は民間需要の強さによって図られるべきです。私の提
案は、政策の目標を「GDPの成長率」から「公共部門を除いた部分の成長率」
に転換することです。小泉政権の規制緩和や特殊法人改革が掛け声倒れで終
わっているのは、総理のやる気の問題もあるのですが、それ以上に、効果が
検証しにくいことに原因があります。

 一見テクニカルなことのように見えがちですが、政策目標の転換は、経済
政策のあり方の転換に直結します。すなわち、民間主導の持続可能な経済成
長を目指すことになり、「歳出拡大よりも減税」「産業保護政策よりも規制
緩和・競争政策」という政策の方向性も明確になります。

2.地方分権の確立に向けた交付金制度・税源移譲

 経済政策の目標を転換する前提として、国会議員の地域への利益誘導には、
一定の自制心が必要です。財政赤字の累積で今や日本の政府はパンク寸前で
す。地方分権の推進は緊急の課題です。自治体への「アメとムチ」を使い分
ける現在の交付金制度を改め、使途を限定しない一括交付金を創設し、税源
移譲を進める必要があると考えます。

3.社会保障制度の再構築

 政策目標を転換し、民間主導の経済成長を進めると、民需、特に個人消費
の重要性が高まります。小泉政権は、この面では全くの無策です。個人消費
を促すためには、年金や医療、介護といった社会保障に対する信頼感を国民
に持って頂く環境づくりが大切です。ここで詳しくふれる余裕はありません
が、社会保障で一定の財政出動を行うことは、現段階でも必要なことだと考
えています。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■「春名議員と上田議員の経済政策」について、読者からのご意見
──────────────────────────────────
 未来総理お2人のご意見読みましたが、まあその他の未来総理指向者より
はましですね!なぜなら経済は構造問題であり、ここを変えないと浮上は難
しいという認識がある程度お有りになる。

 がその手段や方法はモンキリ型、それほど共感を与えませんね。やはり何
というか、、、、取り組む意識や対応が上滑りというか、、、。

 最近僕は構造問題は政治だけでは解決できないのではないかと思います。
やはり経済の実質的な担い手である民間企業(産業界)がより一層変革に努
力しないとね(日産のゴーン氏のように)!

 もっとも政治家の参考例として「亨保の改革」をやって、極度の緊縮で幕
府財政を立て直し、とりあえず経済の安定化に成功した徳川吉宗もある
が、、、、でも彼は絶対権力をもつ将軍だった。その吉宗でも、米価(今日
的には株価に相当)の上昇は出来なかった。

 思うに日本経済は表面は自由主義経済だが、実際は一種の議会・官僚主導
の社会主義型経済ですね。この残滓が色濃く残っている。特に官僚達だが、
皮肉にも橋本派など自民党主流派達の間に、です!

 ソ連が崩壊して体制が変わった。中国も国営企業や国営事業から民間に任
せようと必死の努力をしていますが、変革に産みの苦しみを続けている。日
本も既存体制を変えるのだからある種の苦しみは止むを得ない。

 政治家がやれるのは、官僚組織を簡素化し、これに深く結びついた保守的
衰退産業にくさびを打ち込みこれを完全に断つ。改革の犠牲者達に一定の社
会保障を施す。保障の機関など設けず、民間銀行経由で直接本人支給する。
財源はあくまで既存の範囲内、不急公共事業のカットなど思い切った重点指
向を採る。

 その意味では小泉さんの方向は間違っていない。だがあまりに与野党・官
僚・衰退産業界など、既得権を失う抵抗勢力が多くて、時間がかかる。逆に
それだけこれまでの体制に問題があり過ぎた。

 ただこの際、民主主義の現代に、ただ改革を旗幟にとした絶対権力をもつ
独裁者の登場だけはまっぴらご免ですね。ヒトラー、金日正のようなね!


★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  編集後記             弘中百合子(ロゼッタストーン)
────────────────────────────────☆★
 自分の応援団に対してではなく、こうした超党派のメルマガに寄稿するこ
とは、ある種、勇気がいると思います。それは、批判の対象になる、という
ことであり、「まな板の(上の)鯉」を覚悟しなければなりません。それで
も原稿を送ってきてくれる「未来総理」たちは、少なくともいい加減な政治
家よりは、信頼できるのではないかと思っています。

 政治家すべてが経済の専門家ではありません。政治家にとって必要なのは、
経済など専門知識に詳しいブレーン、なにが正しくなにが必要かを見極める
能力、そして何より実行力だと思います。「未来総理」たちは、批評家に終
わらず、自分の信じる政策を実行できる政治家に成長してほしいですね。

 「未来総理」の政策へのご意見、「こんな経済政策をしてほしい」という
ご要望など、どうぞ、お寄せください。

 掲載を希望されない方、実名をご紹介してもかまわない方は、ひとことお
書き添えいただけると助かります。また、ご意見を紹介してもよい場合は、
年齢、職業なども書いておいていただくと、参考になります。ご協力、よろ
しくお願いいたします。

 ご意見、ご質問は souri@rosetta.jp までお気軽にどうぞ。


★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  次号予告
────────────────────────────────☆★
 次号もテーマは「経済政策」です。発行は5月12日です。

 宮本岳志議員(共産党)・野田佳彦議員(民主党)・
 鈴木康友議員(民主党)が登場します。

※登場する議員は、変更する場合もあります。ご了承ください。


◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  未来総理メンバーの紹介
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆
「未来総理」に参加してくださったのは、次の19名の方々です。(敬称略)

 ◇衆議院
  石破 茂(自民党・鳥取)    上田 勇(公明党・比例南関東)
  植田至紀(社民党・比例近畿)  大村秀章(自民党・愛知)
  近藤昭一(民主党・愛知)    鈴木康友(民主党・静岡)
  達増拓也(自由党・岩手)    樽床伸二(民主党・大阪)
  野田佳彦(民主党・千葉)    春名直章(共産党・比例四国)
  細野豪志(民主党・静岡)    丸谷佳織(公明党・比例北海道)
  山井和則(民主党・比例近畿)  山村 健(無所属・比例東海)

 ◇参議院
  荒木清寛(公明党・比例)    有村治子(自民党・比例)
  小池 晃(共産党・比例)    福島瑞穂(社民党・比例)
  宮本岳志(共産党・大阪)

詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、ロゼッタストーン
WEBページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/
各議員のホームページにもリンクしています。


●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
〒171-0021 東京都豊島区西池袋5−27−9−101 株式会社ロゼッタストーン
発行人・編集人:弘中百合子
Copyright(C) ロゼッタストーン 許可無く転載することを禁じます
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
━━━━━━━━━若手国会議員メルマガ『未来総理』(毎週月曜配信)━

←次の号を読む 前の号を読む→

配信登録・中止




▲ページTOPへ
Copyright (C) 1999-2004 ROSETTASTONE. All Rights Reserved.