━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2003年2月24日発行 ━
●━━ 若手国会議員メルマガ『未来総理』 第25号 ━━━━━━━━●
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今回から、いま一番気になる「防衛」について、「未来総理」たちの意見
を聞いていきます。ラッキーなことに、「未来総理」のメンバーには、現役
の防衛庁長官、石破 茂議員がいます。日本の防衛は、これからどんな方向
に進もうとしているのでしょうか。まずは、日本の防衛の責任者である石破
議員に、「防衛論」を語ってもらおうと思います。
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革」について語っています。どうぞお楽しみに!
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目次
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◎「防衛論」
▼石破 茂(防衛庁長官・自民党・衆議院議員・鳥取・46歳・当選5回)
◎編集後記
◎次号予告
◎未来総理メンバーの紹介
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■「わが国の平和を守るためには、法制面や運用面の整備が不可欠」
石破 茂(いしばしげる・防衛庁長官・衆議院議員・自民党・鳥取)
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冷戦終結後、複雑かつ多様な地域紛争が各地で生起し、9・11米国同時
多発テロに象徴される国際テロの脅威に直面することとなり、我が国も例外
ではなくなりました。
イラクの大量破壊兵器や北朝鮮の核問題に対しては、このような観点から
我が国自身の問題として取り組むべきものと考えます。
イラクの問題は我が国を含む国際社会全体への脅威・危険であり、イラク
が全面的かつ積極的に査察に応じ、関連する国連安全保障理事会決議を確実
に履行することこそが重要です。国際社会が一致して毅然たる姿勢を示すこ
とが必要であり、我が国も国連などの場において積極的に活動しています。
北朝鮮はNPTからの脱退を宣言し、核関連施設の凍結解除の動きを見せ、
ミサイル発射のモラトリアムを見直す可能性を示唆する発言を行っており、
このような一連の行動は日朝平壌宣言に反するものであり、我が国は重大な
懸念を有しています。政府としては、米韓をはじめとする関係諸国と連携を
いっそう図りつつ、核関連施設の再凍結を含めた問題解決に向け、毅然たる
対応をしていきます。
このような情勢にあって、各種事態に適切に対応できる自衛隊の構築に努
めるとともに、日米安全保障条約の実効性をさらに高めることにより、抑止
力を最大限に発揮しうる体制を実現し、我が国の平和と独立を守るべく全力
を尽くします。
そのためには法制面や運用面の整備が不可欠です。
武力攻撃事態対処関連三法案は、これまでの国会における真摯な議論を踏
まえ、国民保護法制など個別の課題につきその内容をさらに深める作業を行っ
ており、その成立に向け最善を尽くして参ります。
テロ・不審船など、武力攻撃事態以外の緊急事態への対処態勢については、
一昨年の自衛隊法改正などにおける法整備が進んでいますが、それを有効に
機能させ、実効性を確実なものとするため、警察庁、海上保安庁などとも密
接に協議・連携を図り、万全を期していきます。
自衛隊の体制については、中期防衛力整備計画の第三年度目となる平成15
年度予算において、防衛計画の大綱に沿って必要な機能の充実と防衛力の質
的向上を図り、着実な進捗を図ります。納税者に誠実なものとの視点を確保
することが重要だと考えています。
「防衛力のあり方」がそのときの状況にかなったものとなるよう不断の見
直しを行うべきことは当然のことです。「新たな脅威」の顕在化、昨年十二
月に統合幕僚会議で取りまとめた「統合運用に関する検討」、日米安保体制
の強化、国際協調の必要性、などという最近の安全保障環境の動向を踏まえ、
今にふさわしい「防衛力のあり方」について積極的に検討していきます。
中でも、大量破壊兵器の運搬手段ともなりうる弾道ミサイルの拡散により
増大しつつある危険への対処は、我が国の防衛政策上の重要な課題です。弾
道ミサイル防衛システムはすぐれて専守防衛的なものであり、昨年末米国に
おいてその初期配備が決定されるに至りました。弾道ミサイル防衛システム
の我が国における推進については、安全保障会議における議論などを通じ判
断されるものですが、防衛庁としてもその技術的実現可能性、運用構想など
を精査し、我が国の防衛のあり方全体の中における重要な課題として、本格
的な検討を行っていきたいと考えています。
いうまでもないことですが、防衛とは抑止力をその本質とするものです。
組織も、法制も、「戦うためにある」のではなく、「戦いを起こさないため
にある」ものです。
しかし、そうであるがゆえに、それを実効あらしめるため、組織は精強で
あり、法制は万全であらねばなりません。
自由と民主主義をなによりの価値と考える我が国の平和と独立を守るため、
今後とも全力を尽くす所存です。
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編集後記 弘中百合子(ロゼッタストーン)
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日本は「戦争」なんていうものとは無縁だと思っていたのに、イラク情勢、
北朝鮮核問題と、最近は、妙に世の中の雰囲気がきな臭くなってきました。
考えてみれば、長い間、私も含めて多くの人が、「防衛」について考えるこ
とを放棄していたような気がします。
石破議員の「防衛論」を整理すると、
1)イラク問題には、国際社会が一致して毅然たる姿勢を示すことが必要
2)北朝鮮核問題には、米韓など関係諸国と連携を図りつつ、毅然たる対応
をする
3)日米安全保障条約の実効性をさらに高めていく
4)有事法制の成立に向けて、最善を尽くす
5)テロ・不審船などの緊急事態には、改正された自衛隊法を有効に機能さ
せ、警察庁・海上保安庁とも密接に連携を図る
6)弾道ミサイル防衛システムを本格的に検討していく
といったところでしょうか。これに対し、ほかの「未来総理」たちはどう
考えるのか、次週から一人ひとりに「防衛論」を聞いていきます。どうぞ、
読者のみなさまのご意見も聞かせてください。。
ご意見、ご質問は
souri@rosetta.jp までお気軽にどうぞ。
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次号予告
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次号のテーマも「防衛論」。発行は3月3日です。
山村 健議員(無所属)・大村秀章議員(自民党)・
植田至紀議員(社民党)が登場します。
※登場する議員の顔ぶれは、変更する場合もあります。ご了承ください。
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未来総理メンバーの紹介
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「未来総理」に参加してくださったのは、次の19名(敬称略)の方々です。
◇衆議院
石破 茂(自民党・鳥取) 上田 勇(公明党・比例南関東)
植田至紀(社民党・比例近畿) 大村秀章(自民党・愛知)
近藤昭一(民主党・愛知) 鈴木康友(民主党・静岡)
達増拓也(自由党・岩手) 樽床伸二(民主党・大阪)
野田佳彦(民主党・千葉) 春名直章(共産党・比例四国)
細野豪志(民主党・静岡) 丸谷佳織(公明党・比例北海道)
山井和則(民主党・比例近畿) 山村 健(無所属・比例東海)
◇参議院
荒木清寛(公明党・比例) 有村治子(自民党・比例)
小池 晃(共産党・比例) 福島瑞穂(社民党・比例)
宮本岳志(共産党・大阪)
詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、ロゼッタストーン
WEBページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/
各議員のホームページにもリンクしています。
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