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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2002年11月18日発行 ━

●━━ 若手国会議員メルマガ『未来総理』 第12号 ━━━━━━━━●

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 「未来総理」二巡目のテーマ、「私が一番力を入れている政策」は、今回
が最終回です。原稿を読んでいると、政党に関係なく、この人とこの人は考
えが近いんじゃないかしら、と思うことがあります。良い政策は、党の立場
を超えて、取り組んでほしいですね。


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  目次
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 ◎テーマ:「私が一番力を入れている政策」
   ▼福島瑞穂(参議院議員・社民党・比例・46歳・当選1回)
   ▼山井和則(衆議院議員・民主党・比例近畿・40歳・当選1回))
 ◎編集後記
 ◎次号予告
 ◎未来総理メンバーの紹介

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 ■「実効性のある人権救済機関をつくりたい」
      福島瑞穂(ふくしまみずほ・参議院議員・社民党・比例)
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 きちんとした実効性のある人権救済機関をつくるべくがんばっています。

 社会のなかには数多くの実に様々な人権侵害があります。これはもちろん
日本だけではなく世界のなかの様々な国についても同じです。問題をかかえ
ていない国はないといってもいいのではないでしょうか。問題があることが
恥ずかしいのではなく、問題を解決できないことが問題です。

 日本には、女性差別、外国人差別、障害者差別、部落差別、アイヌの人た
ちなど先住民族に対する差別、子どもに対する人権侵害、高齢者に対する人
権侵害、代用監獄の問題、警察や入管施設・刑務所などの密室での人権侵害
・・・・・・などなどいろんな問題があります。

 人権啓発と人権救済は人権の問題を解決する車の両輪です。
 国会のなかでは人権教育・啓発推進法が成立しましたが、人権救済のシス
テムのための法律はありません。
 日本は国連の規約人権委員会から、人権救済のための第3者機関をつくれ
と勧告を受けています。

 今、国会に上程されている人権擁護法案は、人権救済機関を法務省の外局
に置くもので、法務省の管轄である入国管理施設や刑務所の人権侵害をとり
あげるのに不適切です。また、メディア規制の点でも問題があります。

 韓国、ネパール、フィリピン、インドネシアなど、アジアの国のなかでも
人権救済機関が作られていますが、人権救済機関は独立した第三者機関になっ
ています。インドネシアに人権救済機関を見に行ったことがあります。

 南アフリカ共和国に行ったときに、人権委員会の委員長に話を聞いたこと
があります。南アフリカの人権救済機関も独立した第3者機関で、人権委員
は、アポイントメントなしで、刑務所や警察のなかに調査にはいることがで
きます。

 いまの人権擁護法案ではなく、せめて内閣府の外局にした(ベストではな
くベターな)人権委員会にして、出し直すべくがんばっています。

 また、名古屋刑務所における死傷事件をはじめとした刑務所のなかの人権
問題、事件については、今まで取り組んできました。改善すべく大車輪で、
いまがんばっています。

 以上のことが、今一番ホットにやっていることです。

 ところで、私の属する参議院の共生社会に関する調査会で、障害者差別の
問題をとりあげることになりました。先日、パソコンなどで仕事をする小規
模作業所を見学しにいきました。簿記の研修もやっていて、先生も車椅子の
人でした。

 障害者差別撤廃のため、障害者差別禁止法を作りたいと個人的には考えて
います。ぜひご意見をお聞かせください。また、省庁に対し、障害者施策の
取り組みについても質問します。これを聞いてほしい、ということがありま
したら、参考にさせていただくのでぜひお聞かせ下さい。


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 ■「お年寄りや障害のある方々のためのグループホームを増やす」
     山井和則(やまのいかずのり・衆議院議員・民主党・比例近畿)
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「未来総理」の読者の皆さん、こんにちは。

 今日は、「私が一番力を入れている政策」ということで、「グループホー
ム」について書きます。私は、お年寄りや障害のある方々が望めば地域で暮
らすことのできる社会を目指しています。特に、痴呆症のお年寄り向けのグ
ループホームについて、10年以上前から、普及運動をしています。

 痴ほうの方は非常に傷つきやすい心を持っておられ、50人、100人といった
集団生活(老人ホームや病院)では、ますます頭が混乱し、症状が悪くなり
かねません。

 しかし、グループホームでは、簡単な調理、洗濯などを本人にも手伝って
もらい、それがリハビリ効果を持ち、症状も悪化しにくくなります。現在、
全国に約2,300ヵ所ありますが、小学校区に1ヶ所ぐらい(全国約25,000ヶ所)
は必要です。

 20世紀の福祉の問題点の一つは、町はずれにお年寄りや障害者の大きな施
設をつくり、心身に障害のある方を、地域社会から遠ざけてきたことです。

 私が知っている京都のグループホームでは、できる前は「迷惑施設」とい
うことで近隣の反対運動がありました。しかし、実際にできてからは、近所
の子供が遊びに来たり、ボランティアさんが集ったりしています。

 グループホームが地域の助け合いの拠点になったり、痴呆症のお年寄りへ
の偏見を改める教育の場になっているのです。

 グループホームが増え、地域で障害のあるお年寄りなどが暮らせるように
なり、大人がボランティアとして、弱った方々を支えている後ろ姿を、子供
たちに見せることができれば、地域が変わります。その姿から、子供たちは、
「弱った人を大事にするのが人の道なのだ」と学ぶでしょう。

 グループホームの普及は、雇用対策、景気対策にもなります。従来型の大
型建設公共事業よりも、同じ費用を使った場合、介護のほうが二倍の雇用を
創出できます。また、グループホームが増えて、老人ホームの待機者が減れ
ば、老後の不安も軽減されます。それは、高齢者の貯蓄率を低下させ、消費
の拡大にもつながります。

グループホームは、
(1) お年寄りや障害者の幸せ、
(2) 温かい地域社会づくり、
(3) 雇用対策、
(4) 消費拡大による景気対策、と一石四鳥なのです。

 グループホームは民家を改造してもできますし、新築でも100坪あれば建設
でき、運営費の9割は介護保険の介護報酬で出ますので、全国各地で「グルー
プホームを建てたい」という事業者が増えています。

 しかし、福祉に不熱心な事業者がグループホームを建てても、よい介護は
できませんので、私は介護の質のチェックを外部評価や抜き打ち監査できっ
ちり確保しながら、小学校区に1つを目標として、グループホームを急増さ
せるべきだと考えています。

 私はこの問題を、厚生労働委員会で過去2年半訴え続け、2000年に約300ヶ
所だったグループホームが今は、約2,300ケ所に増えました。しかし、これ
ではまだ2万人くらいしか利用できません。痴ほう性高齢者は現在160万人も
いるのです。

 一石四鳥の効果を持つ、グループホーム普及にこれからもがんばります。

※詳しくは、拙著「グループホーム入門」「グループホームの基礎知識」
(ともにリヨン社)をお目通しください。


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  編集後記             弘中百合子(ロゼッタストーン)
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 どんな立派な政策も、ひとりで叫んでいるだけでは、なかなか実現しませ
ん。そこで、政治家は政策が近いもの同士が集まり、「政党」を作っている
わけですが、最近は「政党」離れが進み、地方選挙などでは「無党派」の躍
進が目立ちます。 なぜ、既成政党は、こんなに国民の支持を失ってしまっ
たのでしょうか。

 次回からは「自分の属している政党の好きなところ、変えたいところ」を
「未来総理」たちに教えてもらいます。みなさまは、各政党のどこに不満を
感じていらっしゃいますか? どうぞ率直なご意見をお寄せください。

ご意見、ご質問は souri@rosetta.jp までお願いします。
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  次号予告
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 次回は、福島瑞穂議員(社民党)・山井和則議員(民主党)・荒木清寛議
員(公明党)が登場します。

※登場する議員の顔ぶれは、変更する場合もあります。ご了承ください。

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  未来総理メンバーの紹介
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「未来総理」に参加してくださったのは、次の19名(敬称略)の方々です。

 ◇衆議院
  石破 茂(自民党・鳥取)  上田 勇(公明党・比例南関東)
  植田至紀(社民党・比例近畿)大村秀章(自民党・愛知)
  近藤昭一(民主党・愛知)  鈴木康友(民主党・静岡)
  達増拓也(自由党・岩手)  樽床伸二(民主党・大阪)
  野田佳彦(民主党・千葉)  春名直章(共産党・比例四国)
  細野豪志(民主党・静岡)  丸谷佳織(公明党・比例北海道)
  山井和則(民主党・比例近畿)山村 健(民主党・比例東海)

 ◇参議院
  荒木清寛(公明党・比例)  有村治子(自民党・比例)
  小池 晃(共産党・比例)  福島瑞穂(社民党・比例)
  宮本岳志(共産党・大阪)

詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、ロゼッタストーン
WEBページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/
各議員のホームページにもリンクしています。


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発行人・編集人:弘中百合子
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