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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2002年11月11日発行 ━

●━━ 若手国会議員メルマガ『未来総理』 第11号 ━━━━━━━━●

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 今回も「未来総理」たちに、「私が一番力を入れている政策」を聞いてい
ます。「政党」というものの実態が、いまひとつあやふやになっている今、
これからは、誰がどんな考えを持っているのかを把握して、政治家を選ぶこ
とが必要だと思います。

「この人に日本を任せてみたい」と思えるような「未来総理」はいましたか?


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    福島瑞穂議員が登場!

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  目次
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 ◎テーマ:「私が一番力を入れている政策」
   ▼近藤昭一(衆議院議員・民主党・愛知・44歳・当選2回)
   ▼有村治子(参議院議員・自民党・比例・31歳・当選1回)
   ▼小池 晃(参議院議員・共産党・比例・42歳・当選1回)
 ◎読者からの質問に答えます  宮本岳志(共産党)
 ◎編集後記
 ◎次号予告
 ◎未来総理メンバーの紹介

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 ■「税金のムダ使いをまず失くすこと!」
      近藤昭一(こんどうしょういち・衆議院議員・民主党・愛知)
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 私は民主党に所属していますが、「なぜ、民主党という政党が誕生したの
か」といつも自問するようにしています。そして、私がいつも心においてい
るのは、「税金のムダ使いをまず失くすこと!しがらみにまみれた政党では
それが出来ない」ということです。

 ご承知の通り、私たちの国は借金まみれで、国と地方を合わせると770兆円
を超えるといわれています。しかし、こんなに借金をして予算を組んでいて
も、一向に景気はよくならないばかりか、私たちの身の回りに造られるもの
は、必ずしも私たちの欲していないものばかりです。

 GDP(国内総生産高)というのは、予算を使えば上がります。しかし、ムダな
もの、例えば、誰も使わない道路を造ってもGDPは上がりますが、何の波及効
果もなく、かえって私たちが必要としている、社会保障のための予算に回ら
ず、個人の不安を増大させ、個人消費を冷え込ませてしまっています。

 私は、国会においては環境委員会に所属し、「環境」にも力を入れている
のですが、多くのこうしたムダな公共事業は、環境破壊につながっているも
のも多いのです。

 このままでは、子どもたちが莫大な借金を負うばかりでなく、人間を守っ
ている大切な自然環境さえ取り返しのつかない状態になってしまいます。

 こうした観点から、党外では、超党派の「公共事業チェック議員の会」に
も所属し、幹事として、全国さまざまなムダな公共事業を見て来ました。お
かげ様で、ご当地のマスコミに取り上げられることも多く、関心が高いので
すが、同議連には与党議員はたった一人しか所属しておられず、なかなか高
い壁に阻まれています。

 しかし、確実に国民の皆さんの関心が高まり、大きなうねりとなって、一
つ一つこうしたものを失くし、生活インフラ整備、高齢化への対応、環境保
護、健康増進など国民の皆さんが欲しているものに予算を使っていけば、ま
だまだ日本はよくなると思います。

 そのために、同議連での活動とともに民主党がかつて国会に提出し、与党
の数の前に廃案にはなりましたが、税金の無駄づかいをなくす「公共事業コ
ントロール法」「行政監視院法」を何とか成立させたいと思います。


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 ■「愛情と敬意のある家庭」が、肩ひじ張らずに実現できる社会に
        有村治子(ありむらはるこ・参議院議員・自民党・比例)
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 皆さま、こんにちは!有村はるこです。長期的に取り組んでいきたい課題
が、たくさんある中で、今日は特に、「家族」という切り口で、今の日本が
抱える問題について、書いてみようと思います。

●「もう一人産んでもいいかな…」と思える環境創り

 日本における合計特殊出生率(女性が一生涯に出産する子どもの数)は、
1.33(厚生労働省調べ)。世界でも類がないスピードで少子高齢化が進む日
本で、「もう一人産んでも良いかなぁ」と、次世代を育むことに希望が持て
る社会をめざしています。長寿国日本では、高齢化への対策が比較的早く進
められてきた一方で、少子化対策は、事態が深刻な割に、まだ効果的な対応
策が定着していません。

 来年(平成15年)度の少子化対策には、各省庁が連携して約1兆円の予算要
求がなされています。単純計算すると、全国家予算の1/80という、莫大な金
額です。でも、少子化だからと言って、たとえば保育所を重点的に整備する
ことで、本当に少子化に歯止めがかかるのか――正直なところ、私は疑問を
感じています。

 私自身も、「いずれは子どもを授かりたい!」と思っている30代前半の主
婦ですが、夫とともに住んでいるだけでも手狭な居住スペースを見るにつけ、
「将来、ここで4人子どもを育てよう!」なんていう意欲は、本当に残念なが
ら現実味を持ちません。集合住宅に住まわれている、何百万人という若い世
代の中には、同様に感じていらっしゃる方も少なくないと確信しています。

●少子化対策は、保育行政だけではないはず

 保育行政の充実だけに目が向く少子化対策ではなく、少子化をとりまく住
宅問題や労働のあり方、親が安心して子どもを学校に託せる教育問題など、
複眼的な視点で少子化問題に取り組んでいかなければ、実効性の高い対策に
はならないと感じています。

 子育て真っ最中の有権者の方々から多くいただく要望として、私が強く意
識しているのが、(日夜身を粉にして仕事もし、家事もし、子育ても万全の)
「スーパーマン」「スーパーウーマン」でなくとも、家庭を営み、子育てや
介護と、仕事の両立ができる社会の環境整備です。物理的な環境整備という
ハード面と、意識変革などのソフト面、両方のアプローチが必要だと考えま
す。

●虐待の背景には、暴力の連鎖や救済を求める声が多い

 「愛情のある家庭の実現」というテーマの中で、今、緊急の課題として取
り組んでいるのが、家族(特に両親)による幼児・児童虐待問題です。今ま
でに、虐待を受けた児童を保護しているケアセンターや福祉施設に行ったり、
関連記事や専門家の論文を読んで理解を深めると共に、虐待対策に取り組ん
でいる地方行政の実務者、弁護士、民間シェルター、小児科医等からヒアリ
ングをしました。

 虐待で心身ともに傷ついた子どもたちを救うために、また将来にわたって
「虐待を受ける、声なき声」を手遅れで、かき消すことがないようにするた
めには、一体何が必要とされているのか、現場の課題がだんだん明確になっ
てきています。

 虐待として手を上げてしまう親も、実はパートナーや、両親から暴力を受
けてきた経験が有る人が多く、「暴力の連鎖」や、幼い子どもを虐待せずに
はいられないほど、実は切羽詰って助けを求めている「親の心の叫び」を直
視せずして、虐待問題の解決は進まないと、感じています。

 「ヒントは現場にあり!」と、いつもながらに現場の声に教えられますが、
そこで生じた課題は、通称DV(ドメスティック・バイオレンス=配偶者等に
よる家庭内の暴力)防止法を世に出したことで知られる参議院「共生社会に
関する調査委員会」などで討議してきました。

 「肩ひじ張らずに、愛情ある家庭が築ける社会の実現」に向けて、今後と
も現場の声や生活実感に基づいた、しかし現場体験情報だけではない、説得
力のある提言をめざしていきたいです。


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 ■「くらしと経済の立て直しを!」
       小池 晃(こいけあきら・参議院議員・日本共産党・比例)
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 こんにちは。一気に秋を通り越して冬!となり、私のまわりではカゼが大
流行です。メルマガ読者のみなさんもご用心を。

 さて今回のテーマは「私が一番力を入れている政策」ですが、待ったなし
で力を入れざるをえないのが「くらしと経済の立て直し」です。

 日本経済の落ち込みは深刻です。この5年間で、民間給与は年間13万円
も減少しました。完全失業者は18ヶ月連続で増加し365万人。自殺者は
3年連続3万人を超え、そのうち経済苦を理由にした自殺は約7000人で、
5年間で2倍以上の急増です。

 胸の締めつけられるような事態を、一刻も放置することはできません。
 日本経済の立て直しには発想の転換が必要です。今までの景気対策は、銀
行やゼネコンなどを支援すれば、まわり回って国民のくらしに・・・という
手法で、失敗を重ねています。経済を支えているのは国民ひとりひとりなの
ですから、このさい原点に戻って、国民のくらしそのものの応援に切り替え
るべきではないでしょうか。

 真っ先に、くらしの足を引っぱることはすべてやめること。その典型が来
年度3兆円を超える、医療、年金、介護、雇用保険などの社会保障負担増で
す。

 この特徴は「保険料の引き上げ」という形で、サラリーマンを直撃するこ
とです。特に来年から医療・年金・介護保険がいっせいに「総報酬制(保険
料を月給だけでなくボーナスにもかけること)」となりますので、日本中で
ボーナスがいっせいに約1割カットとなります。しかも4月から、サラリー
マンの医療費は3割負担ですから踏んだりけったりです。

 政府もようやくこの重大性に気付き、減税を言いだしましたが、なかみは
研究開発減税や投資減税。これでは気休めにもなりません。そもそも負担増
にあわてて、減税しようなんて、冷房が強すぎたといって暖房いれるような
もの。だったらすぐに冷房を切る、すなわち負担増を撤回すればよいのです。

 与党からは景気の落ち込みを心配して「補正予算を」の大合唱が起こって
いますが、いつもの大型公共事業では借金を増やすだけです。本気で景気を
立て直すのならば、こんなプランはどうでしょう。たとえば4000億円で
待機者10万人分の特別養護老人ホームがつくれます。4万人分の保育園を
つくれば、ここでも待機者を解消できます。雇用の場にもなるし、将来不安
も解消できるのですから、景気回復に一石二鳥だと思うのですが、いかがで
しょうか。


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  読者からの質問に答えます   宮本岳志(参議院議員・日本共産党)
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Q: 「宮本岳志議員の投稿の中の“IPV6”の説明をお願いします」
                         (神奈川県 T.K)
==================================
A: インターネットでは、「IPアドレス」と呼ぶ数字の列でコンピューター
を識別して通信を行っています。しかし現在、一般に使われているIPv4(イ
ンターネット・プロトコル・バージョン4)のアドレスは32ビットの数値を使
うもので、単純計算すると固有のアドレスは2の32乗個(約43億個)しか作れ
ません。このまま全世界で利用され続けていくと、いずれは不足するといわ
れています。

 そこでその対策のために開発されたのが「IPv6」です。インターネット技
術の標準化団体「IETF」が1995年から標準仕様を発表しています。IPv6では
アドレスを128ビットに拡張し、2の128乗個(約340×10億×10億×10億×10
億個)の固有のアドレスがつくれることになります。政府はIPv6を「e-Japan
戦略」の重要課題と位置づけ、今年1月からは一般ユーザーを対象にしたIPv6
接続実験も行われています。めでたし、めでたし・・・。

 と、ここまでが教科書どおりの説明ですが、ちょっと待って下さい。

 たしかに世界人口は60億人を超え、いつかは43億個のアドレスでは足
りなくなるでしょうが、いまアドレスよりもコンピュータが足りない、いや
いやそれどころか開発途上国では水と食料が足りない。開発途上国に行って
「電気がなくても携帯電話は使えるゾ」と放言した元首相じゃあるまいし、
なんでアドレスが足りなくなる心配なんぞが「重要課題」なのでしょうか?
しかも「2の128乗個」というのは、世界人口が100億人になったとしても
世界中の人間が、一人あたり34×10億×10億×10億個ずつ持てる計算になり
ます。

 実は、これにはホントの理由があります。それが「情報家電路線」と呼ば
れるもので、つまりはあなたの携帯にも、テレビにも、エアコンや電気温水
器にも、冷蔵庫や電子レンジ、照明器具にいたるまで、ありとあらゆるもの
にアドレスを割り振って、外出先からインターネットで家電製品を動かそう
というわけです。

 「帰宅した頃にはエアコンが利いて部屋はぬくぬく」とか「お風呂がわい
てます」とかいうことをやろうというのです。ただし言っときますよ、今あ
なたがお持ちの家電製品ではできません。全部コンピューター内蔵の家電製
品に買い換えないと・・・。ここまで書けばわかるでしょう。これがどうい
う業界にとっての「最重要課題」か。


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  編集後記             弘中百合子(ロゼッタストーン)
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 現在のテーマである「私が一番力を入れている政策」は、来週が最終回で
す。再来週からは「自分の属している政党の好きなところ、変えたいところ」
を教えてもらいます。

 政党離れがますます進んでいる日本ですが、みなさまは、各政党のどの部
分に不満を感じていらっしゃいますか? みなさまの声は、必ず「未来総理」
に伝えますので、どうぞ率直なご意見をお寄せください。

ご意見、ご質問は souri@rosetta.jp までお願いします。
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  次号予告
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 次回は、福島瑞穂議員(社民党)・山井和則議員(民主党)・荒木清寛議
員(公明党)が登場します。

※登場する議員の顔ぶれは、変更する場合もあります。ご了承ください。

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  未来総理メンバーの紹介
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「未来総理」に参加してくださったのは、次の19名(敬称略)の方々です。

 ◇衆議院
  石破 茂(自民党・鳥取)  上田 勇(公明党・比例南関東)
  植田至紀(社民党・比例近畿)大村秀章(自民党・愛知)
  近藤昭一(民主党・愛知)  鈴木康友(民主党・静岡)
  達増拓也(自由党・岩手)  樽床伸二(民主党・大阪)
  野田佳彦(民主党・千葉)  春名直章(共産党・比例四国)
  細野豪志(民主党・静岡)  丸谷佳織(公明党・比例北海道)
  山井和則(民主党・比例近畿)山村 健(民主党・比例東海)

 ◇参議院
  荒木清寛(公明党・比例)  有村治子(自民党・比例)
  小池 晃(共産党・比例)  福島瑞穂(社民党・比例)
  宮本岳志(共産党・大阪)

詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、ロゼッタストーン
WEBページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/
各議員のホームページにもリンクしています。


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発行人・編集人:弘中百合子
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