第70回 クリスマスの思い出
もうすぐ2005年が終わります。街はクリスマス準備であいかわらずの大騒ぎ。
これが年明けまで続くのかと思うと、多少だけれどうんざりします。
このクリスマスと正月の二大イベント。なぜか、昔から好きになれません。とくにクリスマス。どうしてこんなにクリスマスに騒ぐのでしょうか。生まれてこの方、サンタクロースが来たことなんかありません。当たり前です。サンタが実際に来たら大騒ぎです。
サンタはさておき最近の「恋人と過ごすクリスマス」という定義はなんなのでしょう。どうしてクリスマスに恋人と過ごさなくちゃいけないのでしょうか。僕が幼い頃は、クリスマスはまだ家族のものであり、そんなに恋人達のクリスマスではなかったはずです。
クリスマスにピークを迎える恋人達はそのあとどうなってしまうのでしょうか。悲しい別れを待つだけなのでしょうか。
ああ、いけない、ついつい考えが捻くれてしまいます。クリスマスを楽しく過ごせない中年のひがみにしか聞こえません。寂しいかぎりです。
だいたいクリスマスの歴史が、欧米と比べて日本ではあきらかに違いすぎます。基本的に欧米では、イエスキリストの誕生日という、神聖なるモノという考えが底辺に流れています。しかし、我が国の習慣では、ごく少数の人々を除いてはそんなものなにもありません。
だから、どこか恥ずかしく、空しく感じてしまう。まあ、そう感じてしまうのは僕だけかもしれませんけど・・・・。やめよう、自分がみじめになっていく・・・・。
むかし、僕が小学生の低学年のころでした。
冬の通信簿を持って学校から家に帰ると、玄関に大きな木の折(おり)が置いてありました。
「これなあに?」
母にたずねました。
「知り合いの人から買わされたの、いやになっちゃう」
母は少し困ったように言いました。
中をみると、ショートケーキが20個ほど入っていました。たぶん、余り物のケーキです。三角の白いお城の上にちょこんとのった小さな赤いイチゴ。それが、見たこともないほど並んでいます。
母にとっては年末の予想外の出費で、懐が痛かったかもしれませんが、僕にとってはその折が宝物箱に見えました。
「たくさん食べてね」
母のその言葉が、サンタさんのプレゼントのように思われ、僕は大事に大事に、何日もかけてそのケーキを食べたのでした。
これが僕にとって記憶に残っている唯一のエピソードです。面白くもなんともないですね(笑)。
でも、それ以来、僕はショートケーキが大好きで、いまだにデザートはショートケーキ派です。
こう考えてみると、僕のショートケーキ好きは、数少ないクリスマスの思い出と共にあるようです(笑)。
さて、今年一年の皆様の生活はいかがでしたか。
楽しかった人、苦しかった人、それはそれはいろいろあったことだと思います。でも、これを今読んでいる方は、少なくともこの世の中にしっかりと生きているのです。そのことだけでも感謝してください。
たとえ、今苦しくても、いつか必ず楽しいことがやってきます。逆に言えば、苦しまないと、楽しさはやってこない。
いつか、楽しさを味わうために、今の苦しさはある。
あせらずに、のんびり生きる。
お互いに頑張りましょう。
最後に、今年の僕の健康状態を報告しておきます。
椎間板ヘルニアは週3日ほどの治療により、今のところ痛みはありません。
日々の積み重ねの結果です。
肝臓の数値は標準値より若干高めながらも、今のところ心配ないそうです。
橋本病は標準値をいったりきたり。
まだまだ安定はしませんが、毎日の飲み薬で大事にはいたっておりません。
あとは、奥歯が割れたことと、胆石が発見されたことでしょうか。
この二つは年末になってわかりました。
どうも横腹が痛かったのは胆石のせいらしいです。
やれやれです。
奥歯は治療中で、胆石に関しては、消えることもあるので、とりあえずは様子見です。
今年も一年、なんとか生き延びました。
皆様に感謝感謝でございます。
では、引き続き来年もよろしく御願い致します。
2005.1.1 掲載
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