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第2回  「こびとくんのしあわせないちにち」

こびとくんのしあわせないちにち

『こびとくんのしあわせないちにち』(セーラー出版刊)
絵・文 マックス・ベルジュイス
訳 清水奈緒子
定価:1325円(税込)
私的おすすめ年齢 3歳〜
「ぐりとぐら」がわかるようになったら

※現在、出版社には在庫がないそうです。図書館などでご覧ください。


僕も四葉のクローバーを探したい! 
でも「ついてる」ってどういう意味?


息子、4歳のころ。
図書館で借りて、うちで読んでやって、
失敗だったかなあと思った絵本。
しかし、意外にも子どもは、何度も読んで読んで、
と持ってきたのだった。

失敗と思った理由は、
ヒーローだとか鬼だとかオオカミとか、
悪者をやっつけるのが好きな息子に、
ちょっとほのぼのしすぎてつまんないかな、と思ったのだ。

息子の感性、見あやまってた。ごめん。

こびとくんが、四葉のクローバーをみつけて、
「幸せのおまもりだ!」
と大喜びする。
かえるやうさぎなど、出会う動物はみんな、
「ただのクローバーじゃないか」
というけど、こびとくんはしあわせだ。

道で転べば、
「クローバーがなければ骨を折っていた。ラッキーだ」
うかれて池に落ちれば、
「クローバーがなければおぼれていた。ラッキーだ」
と、けっこうトラブルがおきるんだけど、
「四葉のクローバー」のおかげで、「ラッキーだ」と思う、
こびとくんの考え方がすてきだ。

なんだって悪く取ったら人生つまらない。
怪我をしても、「死ななかったからラッキー」と
思いたい。そうしたら、きっと人生幸せだ。
そのへんが、息子にわかるかなーと思ったのだが、
きちんと伝わっていたのだね。再度、ごめん。

夕方になると、クローバーはしおれてくる。
「もうおしまいなんだ。
でもすばらしい一日をありがとう。
きょうぼくはとってもついていたもの」

と、涙をひとつぶ、流して言う、こびとくんの
すがたは、ちょっぴりせつない。
でも、しあわせをありがとう、というきもちは、じいんとあったかくなる。

ほのぼのしたポジティブ志向。
息子もわたしも、こびとくんみたいな人でありたいな。

2005.11.20 掲載

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