おじ〜いさんといっしょに、
チク、タク、チク、タク♪
子どもって、どうしてテレビから流れる歌を、なんでもかんでも覚えてしまうのでしょう!
特にCMはそうです。日立の木の歌、アフラックのあひるの歌くらいならほほえましいですが、「そんなのかんけえねえ!」だの、「ラララライ!」を毎日、振りつきで歌われ続けると、
「ちょっとはだまっとけ〜!」
と、思ったりすることも。
「大きな古時計」の歌も、
平井堅さんが歌ったヒット作として、
例によってテレビで見て、
最初の1フレーズは知っていたようです。歌詞の部分は、平井堅さん直筆だそうです。
この本は、
「歌が絵本になってるなんて珍しいなあ」
と思って買った1冊です。
しかし、子どもは思ったよりもずっと、楽しんでくれたのです。
「百年」とか「ご自慢」とか、漢字があるので、親も一緒に読まなくちゃなりません。
となると、やはりこれは歌詞ですから、必然的に歌いながら読みました。
それが、こんなにツボにはまるとは!!
単純なメロディですから、子どもはすぐに覚えて歌います。もちろん親子ふたりで!
そして、読み終えたときの息子の第一声が、
「おもしろかったあ!!」
でした。
最近、早々聞くことのなかった、シンプルな喜び方に、私はびっくりしたものです。
歌い方も、よかったのかもしれません。我家では、歌を歌うときは、マンガのように頭を右、左、右、左、とゆらせながら歌います。
はたから見たらマヌケですね。
もう小学2年生ですから、歌詞の意味もわかります。生まれたときに買って来た時計。花嫁が来て、うれしいことも楽しいことも、皆知っている時計。
最後にベルを鳴らして、おじいさんが天国に行くことを知らせます。子どもより先に、私がウルッと来てしまいます。
――息子は、歌が楽しかっただけではなかったのではないか、と思います。
それはなぜか。実は、
「死んだらどうなるのか」
ということに、とても興味を持っているからです。
母子家庭なので、
「お母さんが死んだら、どうすればいいの?」
と、昔から何度も聞かれました。
そのたびに、
「みんな、順番に死んでいくから大丈夫」
「百歳まで生きるから」
と言っているのですが、もう今は物心がついてしまっています。テレビなどで、どんな年齢の人も事故に遭ったり、病気になったりして死ぬことがあると、知っているのです。
ふたりで楽しく歌いながら、
「人ってみんな、いつかは死ぬよ、でも天国にのぼるのだから、怖いことではないよ」
そんな想いを、伝えてもらえたような気がします。
息子よ、大丈夫。
あと20年くらいは生きるからね。
親子ともども、癒された絵本です。
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