この映画を見たキッカケは、たまたま見かけた宣伝チラシです。
スラリとした、ちょっとクセのありそうな男性と小柄な年配女性が草原を歩いている姿。絵図的には、どことなくビートルズの名盤『アビィロード』のジャケットを彷彿させながらも、全く異なる、のどかな雰囲気。とても興味を覚え、さっそく見たくなりました。
そして、そのカンに狂いなし!
正直、かなり好みの作品です。
もし今年のロゼッタストーン映画大賞を選べ、と言われたなら、きっと本作を選ぶと思います。
それくらい、見応えがあるとともに、余韻がいつまでも残る。何より、すごく楽しかった。
ドキュメンタリー映画なのに、
物語以上にドラマティック!
そしてロマンティック!
映画に出てくる人たちは、二人がフランスの田舎を旅している中で偶然出会った、ということですが、これが実に味のある人たちばかり。こんな出会いがあること自体が素晴らしいし、二人の人を見る目の豊かさにも感動します。
また、市井の名もなき人々の魅力を最大限に引き出した、とも言えるかと思います。
それと、フランス人の生活の中には、アートが当たり前のようにあるんですよね。誰もがアートを楽しむ心を持っている、といっても過言ではありません。二人と、出会う人々とが共につくりあげていく“作品”にぜひ注目!
また、作品の最後には、ある大物監督の影がチラリ。見どころが多く、一瞬たりとも見逃せません!芸術の秋に、イチオシの作品です。
最後に、ヴァルダ監督のことはヌーヴェル・ヴァーグの女流監督の第一人者として名前を知ってる程度で、まだ作品は見たことがありません。これを機に、ぜひ見ようと思います。
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