カナダを代表する女性画家モード・ルイスと、彼女を支えた夫の半生を描いた人間ドラマ。
正直、ぼくはアート映画の1つの感覚で興味を持って見たのですが、そんな考えをはるかに超える、素晴らしい作品でした!
まず、何と言っても、サリー・ホーキンスとイーサン・ホーク、オスカーノミネート実力派2人が演じる夫婦がスゴすぎる。
この上なくギクシャクした出会いから、お互いを認め、支え合うまで…不器用な二人が、それぞれの内的葛藤とも向き合いながら、夫婦となっていく姿に感動を覚えずにはいられません。
それも、この二人の役者の演技あってのもの。台詞はもちろん、その表情や立ち振る舞いから、二人の生き方や心情がこれ以上ないほど鮮明に伝わってきます。
圧巻ですね、ほんと!
そして、劇中に登場するモード・ルイス作品が、なんと魅力的なことでしょう!のどかな田舎の風景、動物、草花など、明るい色彩とシンプルなタッチで描かれた作品はどれも温かく、幸せ感いっぱい。思わず笑顔になってしまいますね。
技術や芸術的価値を求める絵画とは全く違う、心から生まれた絵。絵を楽しむ気持ちや深い愛情が伝わってきます。
まさにフォーク・アート!
自分でも気づかぬうちに、いろいろなものを求めてしまいがちな現代、裕福じゃなくとも、シンプルに幸せに生きた二人の人生は、大事なものを思い出させてくれる気がします。
何より、この作品を見てるだけで幸せになれる。
明日を生きるエネルギーになる!
モード・ルイスの絵に興味があっても、なくても、ぜひ見てほしい作品です。
|