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第98回『ハイジ アルプスの物語』

スイス・アルプスの山と大自然に囲まれ、のびのびと育つ少女ハイジ(アヌーク・シュテフェン)。頑固だが優しい祖父のアルムおんじ(ブルーノ・ガンツ)との暮らしが大好きだ。しかしある日、大富豪のお嬢様クララ(イザベル・オットマン)の話し相手として、遠く離れたドイツの大都市フランクフルトへ連れて行かれる。足が悪く車椅子生活を送っているクララは、明るく元気なハイジに励まされ、次第に生きる力を取り戻していく。一方、都会の生活に馴染めないハイジは、祖父のいるアルプスの山が恋しくなり……。

日本でも人気の高い『ハイジ』が、実写映画化されて帰ってきました!

原作の『アルプスの少女ハイジ』は、全世界で約60の言語に翻訳され、累計発行部数が5,000万部を超える、言わずと知れた児童文学の名作。

これまでにもテレビや映画、実写、アニメなど、何度も映像化され、中でも、宮崎駿氏らによるテレビアニメ版のハイジは日本のみならず、世界中で愛されています。

日本では、ハイジといえば、テレビアニメの印象が圧倒的に強いですよね。

この映画の注目すべき点は、原作が生まれた本国スイスで新たに実写映画化ということ。

なぜ今、『ハイジ』なのか? そこにカギがあります。

実は、ぼくは原作を読んだことはあるものの、テレビアニメ版のハイジを一度も見たことがありませんでした。

もちろん存在は知っていました。

でも、少年時代の僕としてはハイジは女の子が見るもの、という印象で全く興味が湧かず…。原作を読んだのも近年のことです。

それが、この7月にスイスに行ったことをキッカケに関心を持ち、DVDセットを買って、52話を全て見ました。

原作との違いを感じたり、魅力を存分に味わったタイミングでちょうど映画が公開!

全くの偶然なのですが、いろいろな視点を持った上で見ることができてよかった、と感じています。

内容的には、原作にかなり忠実な印象。
テレビアニメに親しんできた人にとっては犬のヨーゼフが出てこないことに物足りなさがあったり、ペーターのキャラに違和感を覚えることもあるかもしれません。

でも、大筋には違いはありませんし、スイスの大自然や当時の文化をリアルに感じられて楽しめると思います。ハイジを始め、登場人物も魅力的です。個人的には、おじいさんがイチオシですが(笑)

また初めての方にとっては、原作の魅力が凝縮されてますのでハイジの入門編としてオススメできます。

そして、なぜ今、本国スイスがこの映画をつくったのかをぜひ味わっていただけるといいですね。

見た人、それぞれに感じるところがあるはずです。
ハイジの明るく奔放な姿に、元気をもらうだけでも意味があると思います。

僕にとっては、“いかに生きるか”ということを改めて考えさせられるものとなりました。今の時代に失いつつあるもの、今だからこそ必要なことが、ハイジの世界にあります。

あなたにとっての幸せは何でしょうか?
心に何かを残してくれる作品ですね。


『ハイジ アルプスの物語』
2017年8月26日より公開中
■公式サイト
http://heidimovie.jp

2017.9.25 掲載

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