イタリアのアカデミー賞に当たるダビッド・ディ・ドナテッロ賞で、作品賞、脚本賞のダブル受賞を始め、世界の映画祭で16冠を獲得した話題作。
いわゆる“ワンシチュエーションコメディ”で舞台は夕食の場のみ。現代生活の象徴といえるスマホをめぐって、さまざまなドラマが展開していきます。
一言でいうなら、
「笑えるけど、笑えない話」です。
スマホ1つに、一体どれだけの秘密や個人情報が隠されているのか?誰もが多少なりとも思い当たる部分があることで、現実の恐ろしさを感じずにはいられません。
たとえば、日記や手帳にも個人の秘密や情報が記されてますけど、スマホとは全く比較にならないでしょう。
スマホを使いこなせばこなすほど、日記や手帳的なことは当然含まれてきますし、それ以上に「その人の全てがわかる」といっても過言ではないほどの要素が集まってくるはず。
ものすごく便利なようでいて、実はものすごく危険なもののような気がしてなりません。
いろいろ考えさせられる作品であり、さらに先の時代になって振り返ってみたら「2017年前後の時代を知るためには、この映画を見ろ!」というくらい、当時を象徴するものになっていることでしょう。1つのスタンダードになるかもしれません。
内容的には世界共通というか、スマホを利用する国ならば、どこでも事情は同じ、と言ってよいと思います。だから、世界中で評価されるのも納得です。
が、このオチの付け方は、とてもイタリアらしいなぁ、と感じましたね。日本人監督だったら、きっとこうはしないはず!
その気になれば、いろんな角度から、いくらでも語れちゃう作品です。
自分が一体何を感じるのか、
楽しみにしてご覧いただければ幸いです。
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