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第81回   ナショナル・ギャラリー 英国の至宝

ドキュメンタリー映画の巨匠フレデリック・ワイズマンが、ロンドンにある美術館ナショナル・ギャラリーに3カ月にわたって密着。ダ・ヴィンチ、モネ、ゴッホ、ルーベンス、ミケランジェロなど西洋美術の傑作を収蔵し、年間500万人以上が訪れる世界屈指の美術館が、歴史と伝統を守る一方で新たな試みにも積極的に挑戦していく姿は見もの。英国ロイヤルバレエ団と絵画のコラボレーションなどの斬新なアイデア、舞台裏での技術者たちの奮闘など、200年近くにわたって人々から愛され続ける理由を紐解いていく。


ぼくの趣味の1つは、海外の美術館めぐりです。

これまでヨーロッパを中心に
世界150以上の美術館に足を運んできました。

その中でも、
ナショナル・ギャラリーは特にお気に入りの1つ。

ロンドンに行くたびに欠かさず訪れてますし、
実は、つい先日も行ってきたばかりです。

2015年最初の美術館詣は
ナショナルギャラリーとなりました。

開館直後、お昼時、夕方、閉館前…
いずれの時間も経験してます。

それどころか、開館前に併設のナショナルカフェで
朝食をとったりもしてます。

熱狂的ファンに近いものがあるかもしれません(笑)

そんな立場ですので、
本作を見るのはすごく楽しみでありました。

と同時に、
一方で誰よりも厳しい目で見ているところも
あったように思います。

大好きなナショナル・ギャラリーの
イメージを下げてほしくない、というか、
ガッカリしたくないですから。

「えー、もっと他に見せようがあるでしょ???」と、
抗議したくなるような気持ちになったら、たまりません。

しかし、それは全くの杞憂に終わりました。
満足も満足。大満足!

館内での絵画の説明ツアーなど、
来場者側からも見えることから、
企画会議や修復の様子などの裏側まで楽しめる。

美術館に流れる空気が
そのまま感じられることにも驚きました。


誇張するでも削るでもなく、ありのままがそこにある。
これぞドキュメンタリーの王道!
素晴らしいの一言です。何より美しい。

携わるスタッフも含め、
全てのコマが名画たちの魅力に勝るとも劣らないもので、
何度も繰り返し見たくなります。

間違いなく名作ですね。

ただ、ナショナル・ギャラリーがこじんまりしている、
という表現だけは、ちょっと違うかな、と思います。

たしかに、ルーヴルやプラド美術館などと比べたら
小さいかもしれませんが、十分大きいですよ!

全室見て回ろうと思ったら、1日じゃ足りませんから。
休憩も随時必要ですし。

ぼくにとって、大きな存在なので、
実際以上に広く感じるのかもしれませんが…。

それはさておき、
美術ファンはもちろん、人間に興味がある人なら、
誰でも惹きつけられる作品です。

そして、きっと、
ナショナル・ギャラリーに行ってみたくなるはず。

ぼくは、行ってきたばかりだというのに、
もうウズウズしてますよ(笑)


『ナショナル・ギャラリー 英国の至宝』
2015年1月17日より公開中
■公式サイト: http://www.cetera.co.jp/treasure/

2015.2.2 掲載

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