印象派を代表する画家で、日本でも高い人気を誇る
ピエール=オーギュスト・ルノワールの
晩年を描いた作品です。
それだけでも十分興味深いところですが、
物語の中に複数の見どころが交錯していて
実に興味深い人間ドラマとなっています。
たとえば、
1. |
画家ルノワールの晩年、最高傑作「浴女たち」誕生に秘められた事実 |
2. |
仏映画界の巨匠となる息子ジャン・ルノワールは、いかにその道を歩き始めたのか |
3. |
父子2人のミューズとなったアンドレとは、一体どんな女性か |
これらの、それぞれに注目してもよし、
全てを俯瞰して見るのもよし。
3人の中心人物の、心の機微を追うほどに
物語の世界に入り込んでいけるはずです。
その一方で、180度違う見方も可能です。
物語云々は置いておいて、
絵画を見るように、ただ映像を見る!
それも素晴らしいことだと思います。
もし、本作において、
何が一番印象に残ったかと問われるならば、
それは、圧倒的な映像美です!
光と緑、そして人間。
全編が最高の絵画に見えるくらい
息を飲むような美しさに包まれています。
極端なことを申し上げるなら、
物語はあってもなくてもよいのではないか、
とすら思えるほどです。
さらには、要所に出てくるルノワールの言葉も
どこか哲学的で心惹かれます。
いろいろな美を多角的に堪能できる
またとない作品ですね。
芸術の秋に、ぜひおすすめします!
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