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第70回   黒いスーツを着た男

社長令嬢との結婚を目前に控えた青年アラン(ラファエル・ペルソナ)は、深夜のパリを運転中に男を轢いてしまう。そして仲間に促されるまま、その場から逃げ出してしまった。しかし、その一部始終を事故現場向かいの家の住人ジュリエット(クロチルド・エム)が目撃していた。
翌日、被害者の容態が気になって病院を訪れたジュリエットは、被害者の妻と会う。良心の呵責に耐えかねたアランもまた病院を訪れ、2人と廊下ですれ違う。アランがひき逃げの犯人、と確信したジュリエットは、そのまま後を追うが……。


見終わって最初に思ったのは、
非常にヨーロッパらしい作品、ということですね。

歴史の中で連綿と続く、
“罪の意識、赦し”がテーマ。

設定的には現代ですが、
昔ながらのフランス映画というか、
どこか懐かしさすら覚えます。

どんなに時代が変わっても
人間のやることです。

悩み、迷い、野心…
これから先も共通の主題が
ずっと残っていくのでしょうね。


将来を約束された男が犯した、たった一度の過ち。
エリートではなく、叩き上げで苦労の末に
ようやく勝ち取った成功。

栄光を目の前にして、まさかの大転落の危機。
この幸せを当然、簡単に手離したくない。
手離すわけにはいかない。

しかし、このままでよいのか・・・

手にしかけた幸せを、いかにして守るのか?
それとも、あきらめるのか。

葛藤の中、追い詰められた主人公が
一体、何を大切にするのかが
最大の見どころです。


立場は違えど、見る者に
いろいろ考えさせる作品ですね。

また、本作は“アラン・ドロンの再来”とフランスで人気の俳優、
ラファエル・ペルソナの日本初上陸作品、という点でも
注目を集めています。

たしかにカッコイイです!

本作では、特に『太陽がいっぱい』の時の
アラン・ドロンを彷彿させるものを感じますね。
存在感もあります。

本人も似てるという自覚があるようですよ(笑)


21世紀の日本でも人気爆発となるのか、
乞うご期待!


『黒いスーツを着た男』
2013年8月31日より公開
■公式サイト: http://www.cetera.co.jp/kurosuits/

2013.9.13 掲載

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