何の予備知識も持たずに、見始めましたが
すぐ何か違和感を覚えました。
何かが違う。
なんだろう、この感じは…。
そして気づきました。
シーザーらを演じているのは、
本物の囚人たちだったのです!
いわば、演劇実習のドキュメンタリーを通じて、
「ジュリアス・シーザー」の物語を重ね見ていく。
本作の最大の特徴です。
この世は舞台、人は皆役者。
シェイクスピアの名台詞をまさに地で生きている人たち。
演目が日常生活そのものと同化し、
刑務所内がローマ帝国になっていく。
一方で、役が役を越え、
自分の過去を思い出させてしまう。
何とも言えない緊迫感が
ひしひしと伝わってきます。
観客の前に立つ華やかな世界、解放感と達成感。
その一瞬の輝きのためのモノクロの世界。
あまりに対照的な光景が
言いようのない感情を呼び起こします。
特に、最後のシーンに注目!
尚、本作の監督は、「父/パードレ・パドローネ」など、
数々の金字塔を成し遂げてきた、
パオロ(81歳)とビットリオ(83歳)のタビアーニ兄弟。
兄弟の集大成ともいえるこの作品、見逃すべからず!!
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