本作のタイトルを見た時、
文豪ヘミングウェイの短篇小説をもとに
アメリカで製作された作品(1952年)の
リバイバルかと思いましたが、全くの別モノです。
ヴィクトル・ユゴーの長篇詩≪哀れな人々≫から
着想された作品とのこと。
お互いを信じ、助け合うという、ユゴーが信じた人間の姿が、
時を経て、新たな物語となって心に響いてきます。
実際に、主人公たちと似たような立場になったら
自分はどのような態度をとるのか?
逆に、犯人と似たような状況になったらどうするのか?
キレイごとを語るだけなら誰でもできます。
でも、キレイごとを貫き、行動するには
たとえどんなに小さくとも、
人間としての揺るぎなき信念が必要です。
怒り、苦しみ、悲しみ…
どうにもやりきれない日常の先に見えてくる
人としてあるべき姿、やさしさ、魂の気高さ。
バレなければ何をしてもいいのか、と思うような
忌々しき出来事が多々起きる今日、
人間であることの素晴らしさを感じさせてくれる作品です。
人はこんなにステキな笑顔ができるものだろうか。
心がスーっと軽くなり、じんわりと温かみが残ります。
|