最初の場面から、吸い寄せられるように見ました。
一体何が始まるんだろう?というスリルというか、
先の見えない不安な心持ちというか、
なんとも言えない違和感がありました。
見ていて何度も思ったのは
“これはシャレにならない。”ということ。
この家族の日常と、ほぼ似たような光景が
今日もどこかで繰り返されている。
そんな気がしてなりませんでした。
男というのは、えてして食事に対する気持ちが淡白で、
極端な話、お腹いっぱいになれば何でもいいと
いう傾向すらあります。
食事をしながらの時間や会話に、あまり関心がないのです。
その感覚のズレが、妻と夫、息子との間で
どんどん広がっていく。
主婦である路子には、何より大事な
食事の時間が、ないがしろにされていく。
その果てがどうなるのか?
皆さん、どう思われます?
31歳の新鋭・吉田光希監督が、
“家庭内行方不明者”を探す旅に挑戦、
というキャッチコピーがありましたが、
まさに言い得て妙だと思います。
この時代だからこそ、より心に響く、
家族の在り方や人間関係を考えさせられる作品ですね。
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