映画の醍醐味の1つ。
それは、今、自分が住む世界からは
想像もできないものを味わうことができること。
人間の想像力は無限といえど、
全くの無から想像できることにはやはり限度があります。
それが映画を見ることによって、あたかもその時代、
その空間にいたかのような感覚を味わうことが可能になります。
すぐれた作品であるほど、
より鮮明なイメージを人に与えることができる!
本作、ミラルには、そんな強い力が秘められています。
日本で暮らす我々からは、想像もつかない世界。
しかし、時間の経過とともに、
対岸の火事ではなく、当事者のような気持ちになっていきます。
人が人として生きていくとき、
成長過程における共通のテーマがそこにはあります。
『スラムドッグ$ミリオネア』のヒロイン、
ラティカ役で注目を浴びたフリーダ・ピントが
主人公のミラルを熱演。
『扉をたたく人』でも名演したヒアム・アッバスが、
非常にいい味を出しています。
「平和というのは、暴力によってではなく、
教育と愛によって実現していくもの」
というヒンドゥからのメッセージが強く印象に残りました。
“平和”のところを他に置き換えると、全てのことに通じます。
人間関係がさらに希薄になりつつある
今の日本にこそ、必要な作品です。
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