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第48回   SOMEWHERE

SOMEWHERE
ハリウッドの人気俳優、ジョニー・マルコ(スティーヴン・ドーフ)は、伝説のスターたちも御用達のホテル“シャトー・マーモント”で暮らしている。表向きは華やかだが、孤独で空虚な日々だ。ある日、腕を骨折し、ギプスを余儀なくされたジョニーのところに、前妻と同居している11歳の娘・クレオ(エル・ファニング)がやって来る。ジョニーとクレオはシャトー・マーモントで久しぶりに親子らしい日々を過ごすが…。


う〜ん、非常に不思議な作品です。

いわゆる起承転結のような
明確なストーリーラインがない。

日常をそのまんま切り取ったかのような
見ようによっては、間延びしているような。

セリフも少ない。
音楽も必要最小限。

見る人によって評価が分かれると思いますし、
退屈する人も少なからずいるでしょう。


しかし、後になるほど、じわ〜っと
響いてくるんですね、これが。

劇的な場面や、大げさな逆転劇みたいなのが
ないせいか、ボディブローのごとく
じわじわ、じわじわ効いてくるんです。

ごくごく日常の、特にどうということのない場面が
大半なんですけど、これが何ともいえずいいのです。


親子の愛、主人公ジョニーの心境の変化…
個人的には、最初のシーンが衝撃的。


あれれれれ??


むむ??


これは一体どういう意味、意図なのだろう、と
考えさせられます。

そして、後から振り返ってみると、
最後の場面との対比感が実に見事で
あっぱれと言わざるをえません。


ちなみに、ソフィア・コッポラ監督のインタビューを
鑑賞後に読んだところ、最初のシーンの謎が解けました(笑)

地味な作品だと思いますが、
見どころはたくさんあります。

派手な3D映画とはまた一味違った
映画らしさを楽しめますよ!

SOMEWHERE

第67回 ヴェネチア国際映画祭 金獅子賞受賞
『SOMEWHERE』
2011年4月2日より公開中
■公式サイト: http://www.somewhere-movie.jp

2011.4.26 掲載

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