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第47回   サラエボ、希望の街角

サラエボ、希望の街角
ボスニアで航空機の客室乗務員として働くルナは、空港の管制室で働く恋人アマルとサラエボのアパートで同棲中。ある日、アマルは勤務中の飲酒が原因で、6か月の停職と禁酒セラピーへの参加を言い渡される。そんな中、かつての戦友でイスラム原理主義者のバフリヤと偶然再会したアマルは、次第に宗教に傾倒していく。アマルの変化に対し、ルナは…


『サラエボの花』で第56回ベルリン国際映画祭
金熊賞に輝いた、ヤスミラ・ジュバニッチ監督第2作。

ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボを舞台に、
愛し合う男女2人の真っ直ぐ、かつ繊細な心の動きが
見どころです。


本作を楽しむには、大別すると
2つの道があります。

【1】映画の背景を全く知らないまま、
あるいは完全に無視して、恋愛映画として純粋に楽しむ。

【2】映画の背景に見え隠れする
ボスニア紛争の影を多少なりとも知ってから見る。


一般に、外国作品というのは、現地の文化や
道徳観を知っておくほどに理解が深まる傾向にあります。

しかし、だからといって、
それが全てではありません。

人間の心の機微というのは、
国や時代を超えて響き合うものです。

何も予備知識がなくても
理解しがたい文化の国に生きていたとしても、
いいものはいいのです。

世界各国の数々の映画や古典文学が
それを物語ってますよね。


本作の主人公ルナの生き方は
周囲に流されず、自分の心に忠実で
誰が見ても清々しいの一言。

胸がスカっとします!


ただ、この映画をキッカケに
日常、ほとんど接点のなかった
ボスニアという国を知ってみるのも、
ステキなことだなぁ、と思います。

ルナの潔い生き方の背後に、
内戦の残した闇があるかと思うと、
さらに元気や勇気をもらえます!!


どう見るのが正解とか、
おすすめとかいうものはあえて申しません。

主人公ルナのように自分の心に素直に…
ぜひご覧になってみてください。


『サラエボ、希望の街角』
2011年2月19日より上映
■公式サイト: http://www.saraebo-kibou.com/

2011.3.7 掲載

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