フィクションと思えば、
サスペンス的な見方で
十分楽しむこともできる。
しかし、これが事実に基づいた物語だとするなら、
自分の知らない世界というのが
明確に存在していることを
改めて思い知らされる。
そして、今日この瞬間にも、及びもつかないところで
何らかの駆け引きが繰り広げられているかもしれない。
見えているもの、聞かされているものが
この世の全てではない。
それを感じられるだけでも
この映画を見る価値がある。
歴史を変えたスパイ行為。
たった一人の人間の想いから
生まれた大事変。
もし彼がいなかったら、
何も動いていなかったら、
今の世界情勢はどうなっているのだろうか?
息子の将来のため、とはいえ、
祖国を裏切るという心の葛藤は、いかなるものか?
いろいろ考えさせられる。
たかが人間、されど人間。
時に無力さを感じることがあったとしても
歴史を動かすのは、政策ではなく、
ちっぽけな人間の熱い想いなのかもしれない。
7月31日より公開中
●公式サイト
http://www.farewell-movie.jp/
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