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2003年1月9日発行(毎週木曜日配信)
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          女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはぁと』第59号

  ***   ***   明けましておめでとうございます。
 *****v***** 今年最初の「ヴィーナスはぁと」をお届けします。
  *********  瀬古由起子議員からは、昨年から物議をかもしている
   *******   「道路公団民営化」について。川田悦子議員からは、彼女の
     ***    ライフワークである「エイズ」の問題について、長くて熱い
      *     原稿が届きました。ヴィーナス議員は、今年も元気です!

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  目次
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■ 「道路公団民営化推進委員会の最終報告案について」
  瀬古由起子(衆議院議員・共産党・東海)

■ 「エイズ問題と経済問題」
  川田悦子(衆議院議員・無所属・東京)

■ 編集後記

■ 「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧

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季刊ロゼッタストーン第12号 2003年1月9日発売!
  ●大特集「明日の家族」
  岡崎トミ子議員が「女性の年金」、山口わか子議員が「高齢者介護」、
  井上美代議員が「子育て政策」、千葉景子議員が「司法改革」について
  語っています。どうぞお楽しみに!
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 「道路公団民営化推進委員会の最終報告案について」
             瀬古由起子(衆議院議員・日本共産党・東海)
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 新年明けましておめでとうございます。今年こそ、女性にとっても希望の
年にしたいですね。

 政府の道路四公団民営化推進委員会は、委員の意見がまとまらずに紛糾し
たうえ、今井敬委員長が辞任した後、松田昌士委員らがまとめた案を最終
報告として決定するという異例の事態となりました。マスコミは「高速道に
歯止め」(「毎日」)と書きましたが果たしてそうでしょうか。

 委員会が最終盤になってこのように混乱したのは、高速道路の建設計画を
このまま進めるのか、巨額の債務をどのようにして処理するのかという根本
問題をあいまいにしたまま、もっぱら「民営化」の形態の議論に終始してき
たからです。

 委員会は、新会社による高速道路の新規建設の仕組み、財源確保をめぐっ
て激しく対立しました。今井敬委員長が指示してつくらせた事務局案は、日
本道路公団など四公団の民営化でできる新会社が建設を継続できる道筋を、
はっきりつけるものでした。

 これにたいし五人の委員が推した松田昌士案は新会社の意向を優先させる
という建前です。まず早く自立してもうけをあげ株式上場する、そのため債
務返済を優先して身軽になり、その結果として高速道路の建設が多少後回し
になっても仕方がないというものです。

 両者とも高速道路の建設継続では同じですが、建設量をどの程度にするか
という建設費の捻出(ねんしゅつ)に違いがありました。現在、日本道路公
団は年間2兆円の料金収入があり、このうち1000億円以上を建設資金に
回しています。

 民営化委員会事務局幹部は「松田案では会社が建設に投資できる資金は
1000億円から2000億円程度」と審議のなかで発言していました。
「松田案では行政、国会で受け入れてくれない」と今井氏がくりかえしたの
は、建設継続をねらう自民党道路族、国土交通省の意向をくんだものでした。

 それでは多数決により最終報告になった松田案がむだな道路建設継続をス
トップさせるものかといえば、そうではありません。最終報告は国鉄分割・
民営化をモデルにしており、制約を設けながらも、新会社による新規建設に
道を開いています。

 新会社がつくれない不採算の高速道路は「国と地方の財源により建設す
る」ことを打ち出しています。「高速道路をつくらないとは一言もいってい
ない」と猪瀬直樹委員がいい、「国がつくることに文句はいわない」と松田
委員がいうのはそのためです。

 最終報告では、制約をもうけながらも、「採算性を確保した上での新規路
線の建設に取り組む」と明記しています。民営化を最優先にして、「五十年
上限償還」と借金返済を長期に設定し、料金収入を建設にあてる道を開きま
した。

 国民への負担はどうなるか、新会社は赤字の出そうな路線や高速道と一体
でない路線については、国、地方自治体に「譲渡する」と定めています。要
は、もうかる道路は民営に、もうからない道路は公営にするというのです。
結局、地方自治体、住民の負担になります。「通行料金を1割下げる」とい
うことは、これまでは、「償還期限後の道路は無料」だったのですが、今後
永久に有料化になってしまいます。

 さらに10年後は、新会社が道路を買い取るとしています。株式上場のため
に会社の負担軽減を口実に安く買いたたき、国鉄のように国民の財産がくい
ものにされる危険があります。さらに本四公団の長期債務には「国と地方の
財源をあてる」と税金投入を打ち出していました。

 世論調査でも「これ以上の高速道路はいらない」という人の割合が七割近
くに上っていました。しかし、政府が決め道路公団にやらせてきた高速道路
計画なのに、小泉内閣は昨年暮れの「特殊法人等整理合理化計画」でムダな
高速道路をつくらない政策を打ち出さず、民営化委員会に丸投げしてしまい
ました。

 ファミリー企業の問題でも議論はしたものの、「民営化」の立場に終始し
ているため、天下りの禁止、政治家との癒着を断つ問題などの解決策が示さ
れていません。

 現在の高速道路建設は凍結し無駄な建設はきっぱりと中止する、債務を国
民負担に押しつけない、そのうえでどうしても必要な国民、住民が望む道路
を精査してつくるという、基本の問題が民営化委員会によっても解決されず
に残されたままです。

 今回は結局、「対立」を演出し、あたかも「改革」が進んだかのように宣
伝していますが、道路族にとっても「今のペースで(高速道路建設が)進め
られ、そう大きな影響はない」と“評価”さえしていたのです。

 委員会の審議の中では、過大な交通量予測の問題や、公団の財務状況、
ファミリー企業の実態などについての議論もありましたが、「民営化」をど
う進めるかを中心テーマとするというこの委員会の枠組みにしばられて、こ
うした根本問題については、解決の方向が示されなかったのです。

 この結末は小泉内閣の目玉であった小泉内閣の「特殊法人廃止・民営化」
路線の破たんを示すものであり、首相の責任はまぬがれないでしょう。


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 「エイズ問題と経済問題」
              川田悦子(衆議院議員・無所属・東京)
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読者のみなさんへ

 新年おめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 私は昨年末、エイズ問題でタイに行ってきました。今回はそのときの感想
をまとめました。詳しいことは後日ホームページ( http://www.etsuko.jp/ )
や「えつこ通信」に掲載いたしますので、そちらも参照していただけたら嬉
しいです。ご意見、ご感想をお待ちしております。

≪エイズ問題と経済問題≫

●今アフリカやアジアでは

 みなさん、今、世界では、1日に1万人の人々がエイズで亡くなっているこ
とをご存知ですか。またマラリア、結核をあわせると1日に2万人もの人々
が亡くなっているのです。特にアジア・アフリカの国々の惨劇はひどいので
す。アフリカ南部の国では、働き盛りの人たちが次々とエイズで亡くなり、
国の存続さえもが危ぶまれています。

 アジアでは、アフリカほど絶望的ではありませんが、HIVの感染率がここ
数年高まってきており、インドや中国では感染爆発が予想されています。ア
ジア・アフリカは、このまま推移していけば、深刻な事態に陥り、それは世
界にも大きな影響を与えることになります。

●日本の事態も危険な状態に

 一方日本はどうなっているのでしょうか。

 日本でもHIV感染者や患者がじわじわと増えてきており、アジア・アフ
リカの状況は決して対岸の火事ではないのです。エイズの特徴は、じわじわ
と増えてから一気に感染爆発がおきるからです。教育、医療、メディアがこ
れほど発達していながら感染率が上昇し続けているのは、先進国では日本だ
けです。

 原因は、危機意識の欠如からくる国の対策の不備、マスメディアの視野の
狭さ、そして人々の無関心にあります。日本ではエイズや感染症への関心は
依然として低い状況です。しかも20代の若者に増えてきているのです。

 今、日本は、HIV感染が爆発的に増える前にHIV対策に正面から取り組む必
要があります。今後、アジア、アフリカ、日本がこのまま推移していけば、
アジア全体がカタストロフ(惨劇)に見舞われてしまうことは必至ですか
ら、日本は先進国の一員としてだけでなく、アジアの一員としても、また感
染者が増えつづけている国としてもエイズ問題を真剣に対処しなければなら
ない状況なのです。このまま放置できない問題です。

●タイのエイズの実態

 私は、このところ実際にHIV対策に取り組んでいる国を訪れて対策を考え
る必要があると考えてきました。ところが、無所属で一人という立場から国
会開会中は時間がとれず海外視察ができませんでした。そこで臨時国会が閉
会したら、アフリカに行ってみようと思っていました。

 そんな折、国連の世界エイズ・結核・マラリア対策基金の事務局長である
リチャード・フィーチャムさんが私の部屋を訪ねてきてくださいました。そ
してその時に、タイでの政策や活動が参考になるだろうというお話をうかが
い、さっそくタイに12月17日から5日間行ってきました。

 タイでは約100万人の人がHIVに感染しており(人口は約6200万人)、
これまでに約30万人の人がエイズで亡くなっています。そして、2010年に
は人口の10パーセントがHIVに感染するだろうと言われていましたが、予
想に反して、現在でも感染率は1.5パーセントにとどまっています。悲惨な
状況であったタイで、どのような政策がとられ、人々はどのように活動して
きたのか、それを知ることは、たいへん重要です。

 では、タイでは、どのような対策をとってきたのでしょうか。

●タイの予防政策

 エイズ対策の柱は「予防」と「治療・ケア」です。

 まずタイに行って最初に驚いたことは、保健省大臣は女性であり、職員の
80パーセントは女性であることでした。日本は職員のほとんどが男性ですか
ら、これにはまず本当にビックリしました。さらに予防政策の実態も目を見
張るものがありました。

 タイで最初にHIVの感染が報告されたのは1984年。以来、100万人の人が
HIVに感染してしまったわけですから、予防には失敗したと言えます。日本
が正式にエイズ患者を認定したのは1985年です。ですからその後の感染者数
や、死亡数の実態から判断すれば、日本との単純比較ではタイはまず初期の
対策は失敗したといえます。その大きな原因は売春と麻薬の横行です。では
なぜ売春や麻薬が多いかといえば、一言で言えば、経済的貧困です。

 そこでタイ政府は、予防対策として、テレビでの広報活動やコンドーム使
用を呼びかける運動(100パーセントコンドーム運動)を行い、無料でコン
ドームを配布しました。

 また、性教育のプログラムを作成して、学校、軍隊、職場などで性教育が
行われるように環境を整備し、NGOの活動と協力関係をつくってきました。

 広報活動や性教育、NGOの活動を通じて、コンドームの使用率は高まり、
性風俗産業の現場では使用率が95パーセントに達しています。しかし、一般
の使用率はまだ40パーセント程度であり、現在は、一般の使用率を高める運
動を展開しているそうです。

 今後も、年間5万人くらいの感染者が出ることが予想されていますが、予
防対策のおかげで新規の感染者の数は落ち着いてきているとのことです。

●タイのエイズ治療

 エイズが発見された当初は、発病すれば助からない感染症でしたが、現在
は研究者たちの熱心な研究の成果で次々と治療薬が開発されてきました。と
ころがその薬の価格が今、世界的な問題になってきています。エイズ治療薬
は値段が高く、誰もが手に入れることができるわけではないのです。

 経済的に貧しい国の人々は、薬を買うこともできず、また国が薬を作ろう
と思っても、製薬会社の有する特許権の壁に阻まれて作ることができない状
況にあります。治療薬がありながら、買うことができず多くの人々が命を落
としているのが現実です。

 人の命や健康を守るべき医薬品を製造販売している製薬会社が、特許権を
盾にして多数の人々が死んでいくのを見過ごしていていいのでしょうか。ど
う考えても納得できません。

 2001年11月、WTOの閣僚会議で「命に関わる治療は、特許を含むいかなるも
のにも優先する」という決議が採択されました。当然です。日本はこの決議
の精神に基づいて、国際的にも主導的な立場を担っていると思うのですが、
ところが、実際は、日本はアメリカ、スイスと共に、特許権を保護する立場
にまわってEUと対立しています。

 タイでは患者は値段の高い薬を買うことはできません。それでは予防はあ
る程度できても感染者・患者を救うことはできません。そこで政府は特許権
にひっかからない製造方法で抗レトロウイルス薬の生産を開始しました。ま
た薬の無償提供政策も始めました。しかし、薬の提供を受けられるのはまだ
まだ限られた人たちです。

 エイズ治療薬は何種類かの薬を組み合わせて飲むカクテル療法がおこなわ
れています。組み合わせを間違うと、効果がないだけでなくたいへん危険で
す。ですからきちんとした説明と、定期的な検査をして薬が効いているかど
うか調べ、薬が正確に飲まれているかどうか指導することが重要です。きめ
細やかなケアがとても必要なのです。

 ところがタイも日本同様で病院では診療時間が短いので、薬の説明は十分
におこなわれていない状況があります。また薬の値段も高いことから、病院
に行かずに別ルートで薬を入手するという方法もおこなわれています。

 実際、感染者自身が薬を大量に安く購入し、病院より安く販売しているセ
ンターに行って、話を聞くことができました。その患者さんは薬に詳しいの
で感染者や患者に説明してあげています。タイではこのように感染者・患者
が病院できちんとした説明を受けられないこともあって、感染者自らが患者
への啓発活動をおこなっているのです。タイでは、こうしてあらゆる場面で
感染者個人やNGOの活動が感染者・患者を支えているのです。

●貧しい人々の現実

 今回、バンコクのスラム街に住むHIV感染者の家を訪問しました。彼の家
はたいへん狭く、3畳くらいの広さでした。その家には日本のメーカーの電
気製品(中古品)が置いてあり、3人が入ったらもう座れないという狭い家
でした。彼は結婚していましたが、HIV感染後に妻は去っていったそうで
す。それでも近所に住む元妻の義母は足が悪いので彼が面倒をみなくてはな
らないと言っていました。

 体力が落ちて仕事を辞め、今不定期の仕事をしているというのですが、免
疫がだいぶ落ちてきているようで、腕や足にできた発疹をときどき掻いてい
ました。やせ細り、見るからに発病している状態です。その彼は、生活する
のに精一杯で、高いエイズ治療薬はとても買えないというのです。一旦薬を
飲み始めると続けて飲まなければならず、将来の収入の見込みが確実でない
ので、薬を飲み始める決心がつかないというのです。

 さらに、病院に行っているというのですが、自分がどのくらい免疫が下
がってきていて、ウイルス量がどのくらいなのかも分らないというのです。
治療薬にはどんなものがあるのかも分かっていない状況でした。

 タイでは、昨年から政府による薬の無償提供のプロジェクトが始まってい
ますが、薬はまだまだ多くの人に行き渡っていないのです。彼も薬の無償提
供の順番を待っているそうですが、いつになるかわからないというのです。

 また、免疫が下がりすぎてしまってもはや治療は不要とされた人々が入っ
ている施設があり、そこも視察しました。最後まで力を尽くし、治療をする
日本と違って、まだ助かりそうな時期から何の治療も行われずにただ横に
なっているエイズ孤児の姿に接したとき、涙がこぼれました。

 タイでは貧富の差が激しく、貧しい人々は薬を飲むことができずにいます。

 「タイではお金持ちは治療が受けられ、貧しい人は死んでいく」とタイで
出会ったほとんどの人々が言っていました。これがタイの現実の姿でした。

●エイズだけでなく結核も

 エイズとともに結核の問題もでてきています。タイでは、30年以上にわ
たって結核対策をしてきていますが、1990年代以降、HIVの感染者が増えた
ことによって結核患者が増えてきているのです。

 結核患者が増えたのは、HIV感染者は免疫が落ち、結核にかかりやすく
なったからです。さらにスラム街を中心に生活状況の悪い地域に結核が蔓延
し、都市部で結核患者が増えてきています。そして結核治療を続ける中で、
患者の体内に薬に対する抗体ができてしまい、薬がだんだん効かなくなって
きています。結核やエイズはカンボジア、ベトナム、ミャンマーなど周辺諸
国との行き来が活発になり、国境を越えて広がっています。

 HIVと結核は同じような問題を抱えています。HIVや結核にかかりやすいの
は、生活状況の悪い貧困層の人たちであり、貧困層の人たちは病気にかかる
ことによってますます貧しくなるということです。

●エイズから学ぶこと

 タイに行かれた方はもうご存知だと思いますが、タイの街を走っている車
やオートバイはすべてといっていいくらい日本車です。それに各家庭にある
電気製品もほとんど日本メーカーの中古品でした。タイ国は日本の経済と切
り離せないほど深いつながりがある国なのです。

 私はタイに行ってみて、たいへんな衝撃をうけました。帰国後、今、日本
がしなくてはならないことは何なのだろうかと考え込んでしまいました。

 病気によって働くことができなくなった人は、薬を買い求めるのが精一杯
で他のことにお金を使わなくなります。HIVや結核は、生産性を低めるだけ
でなく、消費も落ち込ませてしまうのです。ただ製薬会社〔特許権を持って
いる多国籍企業〕のみが潤うしくみになっています。エイズ問題は、タイ国
の経済にとってもたいへんなことですが、日本を含む他のアジア諸国にとっ
てもたいへんなことなのです。

 今まで日本がしてきたさまざまな海外援助が、現在あちこちで批判されて
います。良かれと思ってやっていることが、実はその現地の人々の暮らしや
環境破壊に手を貸しているということが次第に明らかになってきているので
す。

 ここで真の援助とはどういうことなのか、私たちは広い視野で深く考える
ことが大事なのではないでしょうか。

 今回の視察旅行で感じたことは、タイ政府は国として政策を打ち出し、
HIVの感染率の上昇に歯止めをかけるのに一定の成果を上げてきましたが、
その政策が国の隅々まで行き渡っているかというと、決して楽観できる状況
ではないということです。

 政策を打ち出した後は、それを実際に運用して一人ひとりに行き渡らせる
ことが重要です。そのためには行政とNGOなどの現場で活動をしている人と
の連携が必要です。


 どのようにしていけばいいかを一番知っているのは現場で活動する人たち
です。

 今回の視察旅行でも、現場の人たちが少ないお金を遣り繰りしながら様々
な工夫を凝らして活動しているのを目にしました。そして、どこに行っても
言われたのは、もう少し予算があればこんなふうにできるのにという計画の
話でした。

 彼らのアイデアを活用していくことはHIV対策にとって重要であると思い
ます。

 そのためには、例えば国際的にNGOを支援している基金にお金を出して、
NGOが自分たちの裁量で予算を組めるようにする必要があると思います。

 現在、HIV対策の世界的な組織として、「世界エイズ・結核・マラリア対策
基金」があります。日本も、理事国の一員として一定のお金を拠出していま
すが、この基金をさらに充実させていく必要があるのではないかと痛感しま
した。

 さらに重要なことは、特許権の問題に対する取り組みです。

 現在アメリカは、アメリカの基準を世界のスタンダードとして押し付けて
きています。しかし、WTO問題でも知的財産権はたいへん鋭い問題になっ
てきており、世界の人々やNGOは行動に立ち上がってきています。

 今後は世界のNGOと連帯して日本はエイズ問題にとりくんでいくことが重
要になってきています。

 エイズは極めて社会的な問題であり、経済的な問題なのです。

 日本も大変な不況下にありますが、多くの人々が病み、死にゆく世界に、
多様性のある豊かな経済活動は生まれないことをしっかりと自覚しなければ
ならないと思います。人々が健康で安心して生活できる社会こそ、文化も花
開き、真の経済の活性化があるのではないでしょうか。

 通常国会もまもなく始まります。今後も、いのち、くらし、人権、一人ひ
とりがたいせつにされる社会をつくっていくため、国会で力をつくしていき
たいと思っています。


◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  編集後記              ロゼッタストーン・弘中百合子
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆
 今年最初の「ヴィーナスはぁと」はいかがでしたか?

 このメルマガは、読者と女性国会議員をつなぐ架け橋です。みなさまから
のご意見は、すべてヴィーナス議員に転送しています。自分の意見がどのよ
うに読者に受け止められたのか、ヴィーナス議員たちも反応を気にしている
ようです。

 どんなことでもけっこうです。どうぞお気軽にご意見をお寄せください。

 ご意見、ご質問はvheart@rosetta.jpまでお願いします。

◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆
「ヴィーナスはぁと」に参加してくださったのは、次の15名(敬称略)の
方々です。

 ◇衆議院
  川田悦子 (無所属・東京)  瀬古由起子(共産党・東海)
  武山百合子(自由党・北関東)  水島広子 (民主党・栃木)
  山内惠子 (社民党・北海道)  山口わか子(社民党・北陸信越)

 ◇参議院
  有村治子 (自民党・比例)  井上美代 (共産党・東京)
  岡崎トミ子(民主党・宮城)  小宮山洋子(民主党・比例)
  千葉景子 (民主党・神奈川)  八田ひろ子(共産党・愛知)
  広中和歌子(民主党・千葉)  福島瑞穂 (社民党・比例)
  吉川春子 (共産党・比例)

詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、ロゼッタストーン
WEBページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/
各議員のWebページにもリンクしています。

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詳しくは、ロゼッタストーンWebページをご覧ください。
( http://www.rosetta.jp/ )
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■次号予告
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 次回の発行は、1月16日です。

 井上美代議員(共産党)、山口わか子議員(社民党)、岡崎トミ子議員
(民主党)が登場します。

 ※登場する議員の顔ぶれは、変更する場合もあります。ご了承ください。

====================================================================
〒171-0021 東京都豊島区西池袋5−27−9−101 株式会社ロゼッタストーン
発行人・編集人:弘中百合子
Copyright(C) ロゼッタストーン 許可無く転載することを禁じます

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