2002年6月6日発行(毎週木曜日配信)
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女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはぁと』第29号
*** *** いま日本はワールドカップ一色。サッカーに詳しくない
*****v***** 人でも思わずテレビに見入ってしまうようです。
*********** 戦争はいやですが、こういう戦いは盛り上がりますね。
********* さて、前回の「少子化」問題に関しては、読者からたくさん
******* の意見が寄せられ、子育て政策への関心の高さを感じました。
*** 今回のテーマは「年金」と「高齢化」。ひきつづき、小宮山
* 議員と井上議員の登場です。
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目次
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■このままでは年金がもらえなくなるって本当?
■高齢者の介護対策で、早急にやらなければいけないことは?
小宮山洋子(民主党) 井上美代(共産党)
■ 「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧
■ 編集後記
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このままでは年金がもらえなくなるって本当ですか?
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若い人のなかには、「どうせ自分たちは年金をもらえないんだから」
と言う人もいます。本当に、年金はもらえなくなるのでしょうか。
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「民主党では、基礎年金を全額税負担にすることを提案しています」
小宮山洋子(参議院議員・民主党・比例)
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「年金がもらえなくなる」というより、
少子高齢化が予想以上にすすんでいるので、一定の年金を確保するには拠出
する額が大きくなる。これまでと同じ額しか拠出しないと、受けとる年金額
が少なくなる。ということです。
民主党では基礎年金は全額税負担にして安定させることを提案しています。
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「公的年金の財政を悪化させているのは、リストラと失業の増大」
井上美代(参議院議員・共産党・東京)
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公的年金の保険料をどうするか、給付をどうするか、などの制度設計につ
いては、おおむね5年ごとに、厚生労働省の年金局が人口や雇用状況の見通
しに立って試算をし、政府として改正案を出すことになっています。前回の
2年前の年金改正では、この政府案によって、厚生年金の報酬比例部分のカッ
トや、65歳への給付開始年齢引き上げなどで、30代夫婦で生涯年金給付
総額が1000万円以上も削られるという大改悪がなされました。
再来年の年金改定に向け、さかんに「少子化がいっそう進んだ。また給付
カットが必要だ」という議論が始まっています。2000年の改定の時もそ
うでしたが、政府は「少子高齢化で社会保障制度は危機だ」という議論を盛
んに振りまき、国民の中に「給付カットもやむを得ない」という雰囲気を作
り出すことに懸命です。
この点で、公的年金の財政を悪化させている原因をしっかり見定めなくて
はなりません。大きいのは、リストラ、失業の増大です。不況とリストラで、
厚生年金加入者の減少、さらに加入者の収入の減少で、保険料収入が激減し、
それが年金財政を圧迫しています。リストラを規制し、雇用を守ることが社
会保障の安定にも資するのです。
この点で、「失業者の増大もやむを得ない」という小泉総理の姿勢は問題
があります。年金の支え手、ということでは、少子化問題を解決して、子ど
もを産んで育てたい夫婦の願いがきちんとかなえられる条件づくりが大切で
す。私自身、大変疑問に思っているのは、政府が、年金財政の見通し(政府
は、2050年ぐらいまでの見通しを持っています)の中で、計算する上で
使っている女性の労働力率の見通しが非常に低いことです。
政府が使っている数字では、2025年の時点においても、いわゆる女性
の「M字型雇用」の問題が解決されていないのです。20代後半から30代
の女性が子育てのため、働けなくなり、労働力率が落ち込むという「M字型
雇用」の問題は、欧米では解決されつつある問題です。
しかし、日本では、未だにこの年代の労働力率の落ち込みが激しく、女性
の働く条件が整備されていません。男女差別の現れであり、大変恥ずかしい
ことだと、私は考えています。雇用機会均等法、男女共同参画社会基本法が
制定されている現在、後20年以上かかっても「M字型雇用」も解決されな
い、などという事が許されるのでしょうか。また、基礎年金への国庫負担を
3分の1から2分の1に引き上げるという約束を先送りしているのも問題で
す。
厚生労働省は、これからいろいろ試算を出してくるでしょうが、それを鵜
呑みにせず、その前提条件なども含めて、よく吟味することが大切だと思い
ます。公的年金政策の見通しは、我々がこれからの社会をどうつくっていく
か、構想していくか、という問題と深く関わっているからです。政府が構想
している方向と一致しなくても、当然のことだからです。
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高齢者の介護対策で、早急にやらなければいけないことは?
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介護保険導入から2年ちょっとが過ぎましたが、まだまだ介護の現場は大
変なようです。高齢者の介護対策として、次にやらなければいけない政策は、
どんなことなのでしょうか。
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「社会で支援していく“安心”のネットワークづくりが必要」
小宮山洋子(参議院議員・民主党・比例)
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介護保険制度は、とにかくスタートさせなければ、ということでスタート
して、見直しの論議をしているところです。
保険料と利用者負担の低所得者対策、質の伴った介護サービス基盤の整備、
介護報酬(ケアマネージャー・ホームヘルパーなど)の見直し、ケアマネー
ジャーの充実、痴呆施策の強化、NPO法人が活躍できる仕組みの整備など
が課題になっています。
子どもと介護が必要な高齢者は社会が支援する「安心」のネットワークを
つくることが必要です。
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「病院から追い出す前に、退院先の受け皿を整備しなくては」
井上美代(参議院議員・共産党・東京)
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高い保険料・利用料負担で、低所得の高齢者が、本当に苦しんでおります。
特に、女性のひとり暮らしの高齢者が急増しております。男女差別賃金など
で、大変年金も低いため、それこそ食事を削っての生活を強いられています。
こういう人たちに、保険料を負担させ、消費税を引き上げ、一方、大企業
や高額所得者の税金はどんどん減らす・・・・。どこかおかしいとは思いま
せんか? 私どもは、まず、この低所得の高齢者に対して、国の負担で減免
制度を実施すべきだと思います。
もう一つは、特に大都市に顕著ですが、介護施設の不足です。特別養護老
人ホームは、2年待ち、3年待ちの待機者が10万人をこえています。保険
料を払っているのに、望んだサービスが受けられない、まさに、「保険料あっ
て介護サービス無し」という事態、政府の約束違反に他なりません。
今、医療保険改正法案(サラリーマンの3割負担、高齢者医療費の引き上
げなど)が国会で審議されていますが、既にこの間の政府の医療制度改革の
中で、6ヶ月以上入院すると診療報酬が引き下げられる事になり、長期入院
の患者の病院からの「追い出し」がすすめられようとしています。
その一方で、政府が、退院先の受け皿として、特別養護老人ホームなどの
整備をすすめていないのは、本当に無責任といわなければなりません。結局
は、家族が泣く泣く負担を迫られることにならざるを得ないのです。
ホームヘルパーや介護施設の職員が劣悪な労働条件に置かれていることも、
緊急に改善が求められています。ホームヘルパーとして自立したい、という
願いが踏みにじられ、続けられずにやめてしまう人が大勢いて、労働力不足
になっていることも聞いています。
家事援助を軽視せず、ホームヘルプの専門職としての地位を高め、ひとり
立ちのできる報酬を保障すべきです。医療や介護の分野は、高齢化社会に備
えるためにも、雇用対策上も、大変重要であると思います。
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「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧
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「ヴィーナスはぁと」に参加してくださったのは、次の16名の方々です。
詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、ロゼッタストーン
ホームページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/
◇衆議院
川田悦子 (無所属・東京) 瀬古由起子(共産党・東海)
武山百合子(自由党・北関東) 松島みどり(自民党・東京)
水島広子 (民主党・栃木) 山内惠子 (社民党・北海道)
山口わか子(社民党・北陸信越)
◇参議院
有村治子 (自民党・比例) 井上美代 (共産党・東京)
岡崎トミ子(民主党・宮城) 小宮山洋子(民主党・比例)
千葉景子 (民主党・神奈川) 八田ひろ子(共産党・愛知)
広中和歌子(民主党・千葉) 福島瑞穂 (社民党・比例)
吉川春子 (共産党・比例)
計16名(敬称略)
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編集後記
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ロゼッタストーン本誌でも、以前「介護」について取り上げたことがあり
ます。そのときは、介護の現場も、やはり「人次第」なのだと痛感しました。
しっかりした介護の指導者を育てることも、ぜひ、政策に加えていただきた
いなと思います。
個人的に気になるのは、読者から教えてもらった「厚生労働省が子供の有
無によって年金給付額に差を付ける(子どもがいる世帯を優遇する)方向で
検討に入った」というニュースです。子どもを育てている人たちは本当に大
変だと思うので、子育ての時期にはなるべく支援してあげてほしいのですが、
子どもを生まなかったら暗い老後が待っている……というのも、辛いなあと
思うのです。
子どもが欲しくてもできない人もいるわけだし、独身だったら老後面倒を
みてくれるかもしれない子どももいないわけで、年をとってから「子どもを
産まなかった罰」を与えられるのは勘弁してほしいです。(思いっきり個人
的な事情が入ってしまってすみません)
私自身は、ニュースを見逃していたので、詳しい事情をご存知の方は教え
てください。
(ロゼッタストーン・弘中百合子)
ご意見、ご質問は
vheart@rosetta.jpまでお願いします。
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■次号予告
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次回からの1カ月は、ちょっと気楽な話題をお届けすることにしました。
ヴィーナス議員たちに、「私のプライベート」を語っていただきます。
超多忙な女性議員たちは、一体どんな日常生活を送っているのでしょうか。
◆松島みどり議員(自民党)
◆井上美代議員(共産党)
◆山口わか子議員(社民党)
◆岡崎トミ子議員(民主党)
※回答議員は変更になる場合もあります。
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女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはぁと』
編集長:ロゼッタストーン 弘中百合子
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