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2002年3月28日発行(毎週木曜日配信)
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          女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはぁと』 第19号

  ***   ***  政界の一寸先は闇だというけれど、本当に永田町で
 *****v*****  は何が起きるかわかりません。今回の辻元清美議員
 ***********  の問題は、女性議員を応援している人達に、深い失望
  *********  感を与えてしまったようです。この件に関しては、近々
   *******  ヴィーナス議員たちにも意見を聞いてみたいと思います。
     ***  別のことに関心が向いていたせいか、「景気対策」への
      *  意見、質問は、いつもより少なめでした。
    今回は先週にひきつづき、松島みどり議員の登場です。


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  目次
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■失業対策についての意見
  松島みどり(衆議院議員・自民党)

■「国会での質問は官僚が考えているのか?」への回答
  吉川春子(参議院議員・共産党)

■「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧

■編集後記


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 失業対策について、意見を聞かせてください。
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 リストラされた中高年も、大学を卒業しようとする若者も、なかなか自分
の職場を見つけることができず、苦労しているようです。
 前回、具体的な「景気対策」を提案してくれた松島議員から、今回は「失
業対策」についての考えが寄せられました。


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 「企業の最大の責務は雇用を守ることだと考えます。
  人減らしをした社長には勲章をやるな」
  松島みどり(衆議院議員・自民党・東京)
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 外国への工場進出を進め、日本には本社機能があるだけ、という会社も生
まれたが、私はこういう会社は「日本の会社」だと考えません。日本で人を
雇ってこそ、日本の会社だと考えます。

 だから、数年前、「リストラ」という言葉がまるで、かっこいいことのよ
うに語られ始めたとき、「とんでもない。社員を減らす、場合によってはや
めさせることを、優れた経営のように言うなんて」と怒った。

 本来、「リストラクチャリング=事業の再構築」という言葉は前向きな意
味合いを持つのだろうが、実際に行われているのは人減らしによる人件費の
削減で収益の改善を図ろうということだ。そして、それを進めると会社の株
価が上がるという動きに反発し、同じ考えを表明したトヨタの奥田碩会長に
拍手を送ったものです。

 もちろん、自由主義経済の日本で、「人減らしをするな」と国家が命じる
ことはできないし、「外国に工場を移してはならない」という法律を作るこ
ともできません。そこで、最低限の制裁として、在任中に従業員を減らした
会社や外国に工場を移したり、外国に技術を移転して日本産業の衰退を招い
たりした会社の社長は、叙勲の対象としないことを決めるべきだと私は考え
ています。

 勲章制度についてもいろんな議論があり、今後、どういう形で残るのかわ
かりませんし、私は、勲章における官民格差を直すべきだと考えていますが、
経営者は従業員や国富の犠牲のうえに立って、名誉を得るべきではありませ
ん。

 泣いて馬しょくを斬った者は、その涙を忘れてはいけないのです。
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 「廃業資金の給付を始めよ」(松島)
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 「廃業したいが、銀行に借金があるし、従業員に払う退職金を用意できな
いから廃業できない」と悩んでいる中小企業に対し、廃業手当の給付を行う
よう政策転換すべきです。これは予算委員会の分科会でも平沼経済産業大臣
に要求しましたし、自民党の経済産業部会でも度々、主張しています。

 今の日本経済の低迷、デフレスパイラルの原因は供給過剰によるものです。
受注したいために値下げ競争が行われているわけです。だから、「やめたく
てもやめられない」会社が順調に廃業できることによって、残った会社も助
かるわけです。

 水産庁には、自主廃船に対する補助事業があって、国が緊急と認めた場合
は、国が9分の5を出し、漁業者の組合が9分の4を出す。緊急と認めない
一般的なときは、国が9分の4、組合が9分の5を出します。平成14年度の
予算は30億円、平成13年度は当初予算が20億円、補正予算で25億円合わせて
45億円がつきました。

 経済産業省、中小企業庁は、伸びて行く中小企業を応援するという事業だ
けに熱心ですが、もはや、廃業の手助けもすべきときがきていると私は考え
ています。

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 「創業しても失業保険の給付を打ち切らない」(松島)
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 雇用政策と創業支援を一体化する必要があると考えます。今、会社をやめ
て(あるいは、やめさせられて)新しく会社を起こす場合、早く始めるほど、
成功率が高いのですが、会社を立ち上げると、失業給付を受けられなくなり
ます。

 しかし、実際には会社をスタートさせても、すぐには家族を食べさせるだ
けの利益は上がりません。だから、創業しても、失業保険を規定の期間は給
付し続けるようにすべきです。

 また、再就職に役立つと厚生労働省が認定した講座を失業者が受講した場
合、授業料の8割を国が負担し、さらに、45歳から59歳までの人がこうした
職業訓練を受講中の場合、失業保険の給付期間を過ぎても失業保険を給付し
続ける、しかも職業訓練の受講料は国が面倒みてくれることになりましたか
ら、このことに準じ、失業した人が創業した場合も、一定の期間、失業給付
を延長し、かつ、創業手当の支給または融資を行うべきです。

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 「ハローワークで丁寧な就職指導を」(松島)
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 現在、職安、ハローワークに行くと、大変ごった返して、個々の相談など
出来ない状況です。厚生労働省は就職支援アドバイザーと能力開発支援アド
バイザーを合わせて約1100人全国に配置することにしていますが、この数を
早急に増やし、相談に応じられるようにすべきだと考えます。

 たしかに40代以上になると再就職は厳しいのですが、自分の魅力をアピー
ルできる履歴書の書き方や面接の受け方を指導したり、例えば、「この会社
は45歳以下と条件がついているけれど、あなたなら49歳だけど応募してみれ
ば大丈夫かもしれない」とか「給料は今までより大幅に下がるけれど、会社
に副業OKの条件を取り付ければいい。配送や警備、清掃の短時間の仕事が
求人がたくさんあるから、それと組み合わせればいい」などと個別に指導す
るとか、そういう指導が必要だと思います。

 また、高校や大学の就職指導室のスタッフと同様、ハローワークのこうし
たアドバイザーが企業回りをして(当該地域以外の求人が多い都県を回るな
どもして)、年齢の高い人の求人を開発することも必要です。

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「国会での質問は官僚が考えているのか?」への回答
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 以前取り上げた「国会での質問は官僚が考えているのか?」という質問に
ついて、共産党の吉川春子議員から意見が寄せられました。

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 「国会の審議軽視が、鈴木宗男を産んだ土壌か?」
  吉川春子(参議院議員・共産党・比例)
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 質問は、準備が大変ですが、最大の楽しみ。国会議員冥利に尽きる仕事で
す。どうして人に書かせられるでしょうか。私はよっぽどでないと秘書にも
書かせません。立法活動のために議員になったのですから。

 準備に十分時間を取れることは余りありませんが、駆け足でも,睡眠時間
を削ってでも頑張ります。よい答弁を引き出して、周囲から喜んでもらえた
時は最高です。内閣提出法案では,問題点を明らかにする、積極的に活用で
きる条文はその点を強調しておきます。
 今の内閣・大臣の答弁が、共産党議員である私の納得行くものは少ないで
す。でも女性問題、パート労働者の権利、従軍慰安婦など、自分のテーマの
みならず、内閣の出してくる法案の審議についても、国会で質問して少しで
も成果を勝ち取りたい、と意気込んで質問準備にかかります。秘書や,専門
家,情報提供者等と意見を交わす中で、質問原稿を作り上げてゆきます。

 質問が成功しなかったときは落ち込みます。準備不足だったり、相手(大
臣)のガードが予想以上に固かったりいろいろですが、質問時間がもっとあ
れば詰めきれるのにと思う事もしばしばです。現在の国会は特に与党が、審
議時間を削ります。

 いいかげんな審議しかしないなら、特に参議院は存在価値も問われるでしょ
うに! 私の願いは、1回の質問時間に40−50分取れればと言う事ですが、
なかなかかないません。理事会でかんかんがくがく議論してようやく40分く
らいを確保しています。

 鈴木宗男議員が外務省にいろんな圧力を掛けていましたね。与党は、国民
に見えないところで政府とやり取りしているのですね。しかし、もっと委員
会で審議して、議事録に残すべきですね。自民党が委員会審議を軽視してい
ますが、かげでこそこそしないで、国会審議で堂々と政府に注文をつけるべ
きです。それが国会議員の仕事ではないでしょうか。


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  「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧
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「ヴィーナスはぁと」に参加してくださったのは、次の17名の方々です。
詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、ロゼッタストーン
ホームページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/

 ◇衆議院
  川田悦子 (無所属・東京)  瀬古由起子(共産党・東海)
  武山百合子(自由党・北関東)  中林よし子(共産党・中国)
  松島みどり(自民党・東京)  水島広子 (民主党・栃木)
  山内惠子 (社民党・北海道)  山口わか子(社民党・北陸信越)

 ◇参議院
  有村治子 (自民党・比例)  井上美代 (共産党・東京)
  岡崎トミ子(民主党・宮城)  小宮山洋子(民主党・比例)
  千葉景子 (民主党・神奈川)  八田ひろ子(共産党・愛知)
  広中和歌子(民主党・千葉)  福島瑞穂 (社民党・比例)
  吉川春子 (共産党・比例)

                         計17名(敬称略)


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  編集後記
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 先日、就職活動をしている大学生たちに会う機会がありました。やる気の
ある優秀な人材は、日本にたくさんいるのですから、なんとかもっと活用で
きないものか、と思います。

 といいつつ、学生に「ロゼッタストーンで新卒採用の予定はありません
か?」と聞かれても、「いえいえ、とてもそんな余裕は…」と答えざるを得
ないのが情けないところ。景気対策は、他人事ではありません。

 政治家のふところ事情も、同様に苦しいようです。しかし、お金がある人
しか政治家になれないのでは、金権政治から脱却することはできません。政
治とお金のあり方はどうあるべきなのか、「ヴィーナスはぁと」でも、これ
から考えていきたいと思います。みなさまのお知恵も貸してください。

(ロゼッタストーン・弘中百合子)

 ご意見、ご質問は vheart@rosetta.jpまでお願いします。


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■次号予告
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次回は「北朝鮮対策」を中心にお届けします。ご意見、ご質問、お待ちして
おります。

  ◆水島広子(民主党)
  ◆井上美代(共産党)
  ◆福島瑞穂(社民党)              ほか

※回答議員は変更になる場合もあります。

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女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはぁと』
 編集長:ロゼッタストーン 弘中百合子
 発行 :株式会社ロゼッタストーン
     (〒171-0021 東京都豊島区西池袋5−27−9−101)
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